学期末はいつもレポートに追われる。フランス文学科だと、だいたいが、4000字程度で書けと言われる。別に4000字書くこと自体は、それほど苦痛ではない。苦痛なのは、「大学院に入って、この程度か」と思われないようなレポートに仕上げなければならないことである。

 

しかし、そんなことを言ってもいられない。締切が迫る。もう「何と思われてもいい」と思って提出する。それがほとんどである。自分の能力のなさを思い知らされる。自分にとって困難なレポートは、いっそ提出するのをやめてしまおうかとも思う。(実際にやめてしまう学生もたくさんいる。) 負けないぞ。絶対全部提出してやる。その心意気だけで、何とか書き上げる。苦しいってこういうことなのか、とも思う。

 

提出はたいていがメールで添付ファイルにしてだ。先生によっては、コメントをつけて、メールで送り返してくれる。そこでまた、打ちのめされる。私の文学に対する取り組み方なんて、そんなものなのか。これまで学期中に一体何をしていたのだ。(もちろん、まじめに授業には出ていたが、問題意識を持つとか、それについて沈思するとか、そんなことを圧倒的にさぼっている。)

 

レポートを出すというのは、自分のバカさ加減を先生方にさらして、いかに自分がダメなのかを相対化して再確認するいい機会なのだ。