『パルムの僧院 La Chartreuse de Parme』1948年
主人公のファブリスとクレリア。
孤児であるファブリス↓がナポリでの学生生活を終えてパルムに帰郷、
伯母である未亡人の公爵夫人↓に迎えられる。
この公爵夫人が甥のファブリスを男性として愛してしまったため、夫人を愛している首相やパルム公からファブリスは目の仇にされる。
パルム公が主催した夜会で、婚約者のいる刑務署長の娘クレリアはファブリスに一目惚れ。
ファブリスはプレイボーイで、好きになった女性も必ずファブリスを好きになる。
ファブリスはある日、恋人の女優の元恋人を殺してしまい(元恋人が2人の情事を見て逆上し攻撃してきたためナイフで応戦)、それは殺人犯として裁かれれば正当防衛で無罪だったのだが、パルム公やその部下への侮辱罪を問われ、政治犯として禁固20年を言い渡され、城砦の独房に投獄される。これは、ファブリスを目の仇にしている権力者たちの陰謀である。
ファブリスの独房の窓からは、刑務署長の家が見下ろせ、署長の娘のクレリアが見える。クレリアはファブリスを見上げ、目が合うと幸せな気分になる。
小鳥の世話をしている美しいクレリアを見て、ファブリスも好きになり相思相愛。ここでファブリスはクレリア1人を恋愛対象とする。
クレリアは、ファブリスの伯母に頼んでファブリスの脱獄の準備をしてもらう。
そして監視人に逢引を整えてもらうふりをして、クレリアはファブリスに鉄ヤスリを渡す。
ファブリスはその鉄ヤスリを使って窓の鉄格子を切ろうとする。しかしなんとか切れても、それはなかなか折れない。
しかしクレリアを見ると力が湧き、折ることができた。
そこから体を出すと、クレリアがロープを投げ、ファブリスは脱獄。
このことが知れると、クレリアの父は刑務署長を解雇される。クレリアは父に命令され、婚約者との結婚を余儀なくされる。
この一番の金持ちと結婚すれば、家は安泰、父も安心、ファブリスも伯母と別荘で安全に暮らせるぞ、となったのだ(父からの脅し取引)。
クレリアはファブリスの身の安全のために、「もう二度とファブリスに会わない、だからファブリスを助けてください」という常に教会で祈っていたその内容を現実化したのだった。この辺りは人魚姫っぽい。
別荘で伯母からクレリアが結婚すると知ったファブリスは、クレリアに一目会おうと出かける。
するとクレリアは柵越しに訳を話し、2人の間の誤解が解け、愛を確認。しかしそこでファブリスは、身を潜めていたクレリアの父の部下たちによって逮捕される。クレリアの父は、ファブリスが娘に会いに来ることを見越し、備えていて、いわば娘はファブリスを逮捕するための餌となった。「愛している」と言いながら連行されるファブリス、「そんなことを言ってはいけないわ」と泣くクレリア。
伯母である公爵夫人(未亡人)は甥のファブリスを助けるためにパルム公の意(一度ベッドで男女関係しよう)を受け入れたが、パラという、公爵夫人を信奉する自由主義者にパルム公を暗殺させる。パラは直後に殺される。
独裁者パルム公が暗殺された、革命だ、とそれまで圧政に我慢してきた民衆は解放されたように暴れ、騒動になる。
その後、公爵夫人は首相を辞めたモスカ伯爵と結婚し(ずっと求婚されていた)、パルムを去る。
ファブリスはクレリアに再会、ベッドを共にするが、クレリアの幸せのために別れを決め、1人パルムの僧院へ行くのだった、でジエンド。
★Wikipediaより★
『パルムの僧院』(パルムのそういん、仏: La Chartreuse de Parme、伊: La Certosa di Parma、英: The Charterhouse of Parma)は、1948年に公開されたフランスとイタリアの共同制作による映画。スタンダールの
同名小説を原作にしている。クリスチャン=ジャックが監督し、ルネ・フォール(フランス語版)、ジェラール・フィリップ、マリア・カザレス(フランス語版)が主演した。
初公開時、フランスで同年に最も興行収入が高い映画となり[1]、イタリアでは約1億6600万リラの興行収入を記録した[2]。また、ロカルノ国際映画祭では最優秀撮影賞を受賞した[3]。
日本では1998年に、初公開時より上映時間が長い「完全版」が公開された[4]。
ストーリー
ファブリスは、ナポリでの学生生活を終えてパルマに帰郷し、伯母・サンセヴェリナ公爵夫人に迎えられる。 さて、パルマ公・エルネスト四世が主宰する夜会にて、刑務所長コンティ将軍の娘クレリアは、クレシェンツィ侯爵という婚約者がいる身でありながら、ファブリスに一目ぼれした。 また、エルネスト四世は公爵夫人を愛していたが、甥への恋慕で頭がいっぱいな彼女には相手にされなかった。 一方、公爵夫人の愛人・警視総監ラッシは、総理大臣モスカ伯爵への憎しみから、彼を陥れようとしていた。
ある日、彼は恋人の女優・マリエッタの元恋人ジレッチを殺してしまい、城砦の独房に投獄される。独房の窓からクレリアを見ているうちに二人は愛し合うようになる。 その後、ラッシはファブリスに禁固20年を言い渡されるよう手配するが、これが伯爵夫人の怒りを買い、甥の脱獄計画を立ててしまう。また、看守グリロを通じてファブリス暗殺計画がクレリアに漏れ、炭焼党の首領フェラント・パラは彼女の頼みでファブリス脱獄計画に協力し、成功させる。 その結果、コンティ将軍は解雇され、クレリアはクレシェンツィ侯爵と結婚せざるを得なくなる。 一方、公爵夫人は甥をマジュール湖畔で静養させる際、クレリアの結婚が近いことを伝える。それを聞いた彼はクレリアの身を案じてパルマに来たところを逮捕される。公爵夫人は甥を助けるためにパルマ公の意を受け入れたが、パラに暗殺させる。その後、公爵夫人はモスカ伯爵と結婚し、パルマを去る。 また、ファブリスはクレリアと再会し、互いに許し合うが、彼女の幸せのためを以て、パルムの僧院に行った。
キャスト
役名 | 俳優 | 日本語吹替 |
---|---|---|
クレリア・コンティ | ルネ・フォール(フランス語版) | |
ファブリス・デル・ドンコ | ジェラール・フィリップ | 城山堅 |
サンセヴェリーナ公爵夫人 | マリア・カザレス(フランス語版) | |
エルネスト四世 | ルイ・サルー(フランス語版) | 木村幌 |
グリロ | ルイ・セニェ(フランス語版) | |
モスカ伯爵 | トゥリオ・カルミナティ | 北村弘一 |
ラッシ | ルシアン・コーデル(フランス語版) | |
ジレッティ | エンリコ・グロリ(イタリア語版) | |
コンティ将軍 | アルド・シルヴァーニ(イタリア語版) | |
フェランテ・パラ | アッティリオ・ドッテジオ(イタリア語版) | |
クレシェンツィ | クラウディオ・ゴーラ(イタリア語版) | |
マリエッタ | マリア・ミチ(イタリア語版) | |
ファウスタの夫 | ネリオ・ベルナルディ(イタリア語版) |
※日本語吹替:テレビ版・放送日1961年3月6日『テレビ名画座』15:00-17:25
スタッフ
- 監督:クリスチャン=ジャック
- 原作:スタンダール
- 脚本:ピエール・ヴェリ(フランス語版)、ピエール・ジャリ、クリスチャン=ジャック
- 撮影:ニコラ・エイエ(フランス語版)、G・R・アルド(フランス語版)
- アートディレクター:ジャン・ドーボンヌ(フランス語版)
- 衣装:ジョルジュ・アネンコフ(フランス語版)
- 編集:ジャック・デサグノー(フランス語版)、ジュリア・フォンタナ
- 音楽:レンツォ・ロッセリーニ
- 日本語吹替演出:小林守夫[5]
- 日本語吹替制作:東北新社[5]★