『失われた楽園 Paradis perdu』1939年
ベルエポックと呼ばれた、19世紀末から1914年の第一次世界大戦の始まりまでの美しい期間への郷愁を描いたものらしい。
有望な若手画家のピエールは、メゾンで仕立て師として働くジャニーヌにお祭りで一目惚れ。ジャニーヌもピエールを好きになる。
（ピエールとジャニーヌ）
後日。ジャニーヌがメゾンが仕立てたドレスをクライアントへ持っていこうとすると、そのアパートにピエールが住んでいたため偶然再会。
ドレスを届けた相手の婦人はそのドレスを嫌がる。しかしその夫が支払い、ジャニーヌにドレスをくれる。ジャニーヌは直前にピエールからパーティーに誘われていて着ていくものがなかったため、そのドレスを着てピエールの部屋へ。するとピエールは「ダサい」と所々を切断、ジャニーヌにコルセットを取らせ、その斬新な格好でパーティー会場へ。
すると女性客のうち保守的な人達は指をさしてジャニーヌのドレスを嗤う。
しかしドレスコンテストをすると、ジャニーヌのドレスが一位に。
この件が新聞記事になると、メゾンへそのドレスの注文が殺到。しかしデザイナーは頭を抱える。
なぜかと言うと、注文されても自分はデザインできないから。
この後ピエールはそのメゾンに抜擢され、新しい才能のデザイナーとして活躍することになる。
ピエールとジャニーヌは結婚。
しかし新婚旅行中に第一次世界大戦勃発。ピエールは徴兵され、２人は離れ離れに。
戦地で任務を遂行するピエール。軍需工場で働くジャニーヌ。ジャニーヌは、ピエールを心配させたくないからと、妊娠していることを黙っていた。
重労働が祟って、ジャニーヌは倒れ、女児出産後死去。
その訃報を知った戦地のピエール。娘には会いたくないと言い、自ら激戦地任務を志願する（ほとんど自殺のつもりの志願だったのだろう）。
（左がピエール）
戦後。
生きて復員したピエールは、画家の仕事でなんとか生計を立て、娘ジャネットの施設での養育費を払っている。しかし会おうとはせず、昔からの知り合いに会いに行かせる。
その後、気持ちが落ち着いたピエールは、娘ジャネットを引き取るべく施設へ。
するとピエールも幼いジャネットも、一目で互いを娘、父とわかり、抱き合う。
時が大分経ち、ピエールは、ピエールを愛していて身を引いたロシアの王女ソニアのお陰でオートクチュールの世界にデザイナーとして返り咲いている。
ジャネットは成長して母親そっくりになっている（同じ女優が1人2役）。
「パパ、もう悲しむのはやめて。パパが悲しんでいるとママも悲しいわ」と言うジャネットに、白髪の父ピエールは頷く。
（ジャネットとピエール）
しばらくして、ピエールは、娘のジャネットより年下の女性と婚約している。
しかし、この女性の兄が、この結婚に断固反対。「自分の娘より年下である僕の妹と、本当に愛し合っているとは思えない」と兄。この兄は、ピエールの娘のジャネットに一目惚れ、相思相愛となり、結婚することになった。この兄は、「妹が義理の母になるのは耐えられない」と言い、ピエールはジャネットの結婚のために自分の結婚を取りやめる。
しばらくして、ピエールはもうすぐ死にそうになっている。しかし娘ジャネットの結婚式には元気で出席したいと、医者に注射を打ってくれと言う。
ジャネットの結婚式。
ジャネットは、自ら望んで母ジャニーヌのウエディングドレスを着ている。
神父の「誓いますか」に「はい、誓います」と答えるジャネット。ピエールは急にジャネットがジャニーヌに見え、神父が新郎に訊いたのに「はい、誓います」と答えてしまう。そして間もなく倒れ、死去。
会場にはピエールがジャニーヌとよく聞いていた、あの楽園の曲が流れているのだった。でジエンド。
昭和の昼ドラを想起。
★ベルエポックは、19世紀末から1914年の第一次世界大戦の始まりまでのフランスにおける社会的、経済的、技術的進歩によって特徴づけられた期間を示す回顧的な年代記です。「ベルエポック」の年代の限界と表現の外観は、歴史家によってまだ議論されています。★
（La Belle Époque、Pierre-Victor GallandによるLe bar de Maxim's。）
★Wikipediaより★
失楽園は、アベル・ガンス監督
による1940年のフランスのドラマ映画です。
プレゼンテーション
この映画は、ベル・エポックのサヴォワール・ヴィーヴルと戦間期の最後の美しい日々への郷愁です。
あらすじ
有望な若手画家ピエール(フェルナン・グレイヴィ)は、7月14日の舞踏会で、二流ファッションハウスのスクーターである可愛らしいジャニーヌ(ミシュリーヌ・プレスル)と出会う。ジャニーンのために、ジャニーンが配達をしていた裕福な風変わりなクライアントであるソニア(エルヴィア・ポペスコ)に拒否されたドレスを修正した後、彼は彼女の才能を彼女を雇うクチュリエに奉仕することに成功しました。1914年の美しい夏の新婚旅行中に、戦争と動員により新婚夫婦は引き離されました。
一人取り残されたジャニーンは、健康状態が悪く、妊娠しているにもかかわらず、軍需工場で働いています。彼女は小さなジャネットを産んで亡くなりました。正面では、ポワリュ・ピエールが彼を襲う悲しみと彼の父性の両方を知らされます。最初は、彼は妻を殺した赤ん坊さえ見たくない。子供の寄宿舎の費用を賄おうと、ピエールは彼の絵が売れなかったため、絵画で生計を立てるのに苦労しました。
戦後、彼は痛みを乗り越え、娘を育てることに同意しました。ソニアの後援のおかげでオートクチュールに無事に復帰した彼は、ジャネット(同じくミシュリーヌ・プレスルが演じる)にジャニーンと同じ美しさ、同じ表情、同じ歌い方を見つけて非常に感動します。
年月が経つにつれ、ピエールは若い女性と再婚したいと思うようになる。しかし、娘のジャネットは、キャンペーンに出発しようとしているハンサムな海軍士官である兄を愛しており、ピエールが妹と別れなければジャネットとの結婚を拒否していることが判明します。ピエールは、娘の愛を壊さないように、新しい愛を諦めることに同意します。
ピエールは重病にかかりましたが、娘の結婚式に出席することを主張しました:彼は式の最中に亡くなりました。
テクニカルシート
- タイトル: Paradise Lost
- 監督:アベル・ガンス
- 助監督:ロバート・ボシス
- 脚本:ジョセフ・サン、アベル・ガンス
- 対談:スティーヴ・パッサー
- セットデザイン:アンリ・マエ
- 衣装:バーバラ・カリンスカ、ロゼヴィエンヌ
- 撮影:クリスチャン・マトラス
- 編集:レオニード・アザール
- 録音:ルネ・ルージュ、ルイ・ペラン
- 音楽:ハンス・メイ
- 曲:ハンス・メイ(音楽)、ロジャー・フェルネイ(作詞)、ルシエンヌ・デライルによる演奏 1
- カメラマン:ロバート・ジュイヤール
- アシスタントオペレーター:Ernest Bourreaud、Maurice Pecqueux
- セットフォトグラファー:グラボ
- プロデューサー:ジョセフ・タン
- プロダクションマネージャー:フリッツ・ブルン
- 製作会社:タリスフィルム
- 配給:Seftar Film、その後Pathé Consortium Cinéma
- 原産国:
フランス - フォーマット:白黒-1.37:1-モノラル-35 mm
- ジャンル:ドラマ、ロマンス、戦争
- 所要時間:103分
- リリース日:
ディストリビューション
- フェルナン・グレイヴィ : ピエール・ルブラン、有名な画家、製図家
- エルヴィア・ポペスコ - ロシアの王女、ソニア・ヴォロシン
- ミシュリーヌ・プレスル:ジャニーヌ・メルシエ(ピエールの妻/ジャネット・ルブラン(ピエールとジャニーヌの娘)
- アンドレ・アレルム : ラウル・カロウ、デザイナーとしての才能のためにピエールを雇う偉大なクチュリエ
- ロバート・ピツァーニ:ベルナール・ルサージュ、ピエールが作成したモデルをコピーする価値のないクチュリエ
- モニーク・ロラン : ローレンス・オーブリジョー、若い女性、年老いたピエールが彼の生活を再構築しようとする
- ロベール・ル・ヴィガン - エドゥアール・ボルデナーヴ、ピエールの裕福なパトロン
- ジェーン・マーケン(コンシェルジュのボネロン夫人役
- ジェラール・ランドリー : ジェラール・オーブリジョー、ローレンスの兄で海軍士官、ジャネットに恋をしている
- ギャビー・アンドリュー(アイリーン役
- エドモンド・ボーシャン:面白おかしい
- マルセル・ドレイトル(キャプテン役
- ジャン・マルコーニ(ダニエル氏役
- クリスマス・ダルザル
- マルセル・ペレス:消費者
- ニコラス・アマート:日の歌手
- リバーズ・カデット(ウェーブマスター)
- ジャン・ブロシャール(兵士役
- アン・バイロン
- ロジャー・モンテー:医者
- レイモンド・デヴァレンヌ
- ドラドール
- リリアンヌ・レサフレ:労働者
- Sylvain : 兵士
- ブルーベルガールズ:マリーガラントの発足式での女の子たち
- ニーナ・カーラ:マリー・ガラントの歌手
- マイノ・バーニー
- マルセル・ルゼ:カロウのドアマン
- ジョルジュ・テロフ : ルイ
- ジョルジュ・パリー : 製本業者
- イヴェット・シモニディ★