『美人は人殺しがお好き THE MAD MISS MANTON』1938年
いわゆるスクリューボールコメディー。展開が速くテンポが良くリズミカルでコミカルで非常に面白かった。
主演2人の相性が良いのだろう。その丁々発止の攻防的やり取りを見ているだけで楽しかった。
邦題『美人は人殺しがお好き』に、赤川次郎作品のタイトルのノリを想起。
原題『THE MAD MISS MANTON』の直訳は、「狂ったマントンお嬢さん」。「どうかしてるマントンお嬢さん」といったところか。とにかく、お嬢さんたちが殺人事件に首を突っ込み過ぎなのだ。
素人探偵ものというのだろうか。
裕福な家の社交界女子のリーダーメルサ・マントンは、午前3時に仮装パーティーから帰宅。犬を散歩させていると、知り合いのシーラ・レーンの家(今は空き家)から、知り合いのロニーが出て来て車で逃走するように走っていくのを目撃。
シーラも裕福な銀行家の夫ももうここにはいないはずなのにと家に入っていくと、シーラの夫が殺されていた。
メルサが近くの公衆電話ボックスに行って警察に電話を掛けて通報、警察が来て一緒にシーラの空き家に行くと、シーラの夫の死体もメルサのコートも、(それにつけた落ちていた)ブローチもなくなっていた。
メルサは警部補から「またお騒がせメルサがしでかした、今度は虚言だ」とされる(何かと首を突っ込むメルサ。関わっているチャリティーの宣伝になるという理由で、メルサは新聞記事に自分の名が載ることを喜ぶ)。
メルサは仲間の女子たちと、シーラの家から出て来たロニーの家に忍び込んで手掛かりを捜索する。すると冷蔵庫からロニーの死体が出て来た。
シーラの夫とロニーを殺した犯人は、実はシーラの元夫なのだが、この元夫は、ある場にいたアリバイがあり、そこでの10分の休憩ではシーラの家へ行き来はできないとなっていた(逃げるのを目撃されその後殺害されたロニーは、この空き家を恋人との逢引の場に使っていて、死体があったから恋人が来る前にビビって逃げたらしい。このロニーを殺人犯に仕立てるためにシーラの元夫はロニーを殺害。
メルサはロニーが自殺したのかと疑うが、「冷蔵庫に入ってからナイフで自刃し自殺する訳がない」とメルサは警部補に喝破される)。
アリバイのあった(時間的に無理という状況)シーラの元夫だったが、しかしメルサは、自宅近くの地下鉄建設現場に下りていき、そのレールの上の電動トロッコのようなものを見つけ、これに乗れば時間内に行き来できると突き止める。とそこで、メルサの行動を監視していたシーラの元夫がメルサを殺そうとやって来る。
それを、メルサを好きな新聞記者が守ろうとするが、結局、メルサは銃を背中に当てられたまま歩かされる。
(左から、メルサ、記者、シーラの元夫)
しかしマンションのロビーに下りていったところで、高みから密かに狙っていた警察の狙撃手に撃たれ、シーラの元夫は死去。
新聞記者はメルサにプロポーズ。2人は新婚旅行へ行こうとなった、というところでジエンド。
途中、かすり傷程度の怪我をした記者は、警部補とグルになり、瀕死を演じ、それまでつれなかったメルサから「愛しているわ、結婚しましょう。死なないで」の言葉を引き出す。これはよくあるラブコメの展開方法なのだろう。気をきかせた警部補が病室を出ると、メルサはベッドの下に、記者の食べかけの食事を発見。それがカロリーの高い大御馳走のため、メルサは記者の瀕死は演技と気付き、トレーの上のフォークで記者の右腿を刺し(笑)、記者は驚き跳ね上がる。
メルサと記者はエネルギーが同じため、「試合終了」とならない。そこが「トムとジェリー」的永遠のライバル関係という感じで、終わりの気配の寂しさが微塵もなく、快活で面白い。
「トムとジェリー、仲良くケンカしな」という歌詞は、2人の関係を言い当てていると思う。
主演のバーバラ・スタインウィックの人生、壮絶。
★4歳で孤児となり、一部は児童養護施設で育てられ、常に働き続けました。彼女の監督の一人、ジャック・トゥルヌールは彼女について「彼女は二つのことのために生きているだけだ。そして、どちらも仕事だ」と言った。[1] 彼女は1923年に16歳でジーグフェルドの少女として合唱団の舞台にデビューし、数年以内に演劇に出演するようになった。ヒット作『バーレスク』(1927年)で初主演を務め、ブロードウェイのスターとしての地位を確立しました。★
★Wikipediaより★
マッド・ミス・マントンは、リー・ジェイソン監督、
バーバラ・スタインウィックが楽しい社交界の名士メルサ・マントンを、
ヘンリー・フォンダが新聞編集者ピーター・エイムズを演じた
1938年のアメリカのスクリューボール・コメディ・ミステリー映画です。メルサと彼女のデビュタントの友人たちは、ボンボンを食べたり、エイムズといちゃついたり、無責任な社交界の名士のように振る舞ったりしながら、殺人者を探します。エイムズも殺人者を追いかけており、メルサの結婚の手も追っています。
これは、スタンウィックとフォンダの3つのスクリーンペアの最初のもので、他のものは
「レディ・イヴ」と
「あなたは私のもの」です。
プロット
午前3:00、メルサ・マントンは小さな犬を散歩に連れて行きます。地下鉄の建設現場の近くで、彼女はロニー・ベルデンが家から逃げ出すのを目撃します。この家は、裕福な銀行家であるジョージ・レーンの妻であるシーラ・レーンによって売りに出されています。中には、メルサがダイヤモンドのブローチとジョージの死体を見つける。彼女が助けを求めて走ると、マントが落ちてブローチが入ってしまいます。警察が到着すると、遺体、マント、ブローチはなくなっていました。メルサと彼女の友人たちは悪名高いいたずら好きで、マイク・ブレント中尉は殺人事件の調査に何もしない。ピーター・エイムズはメルサの「いたずら」を非難する社説を書き、彼女は彼を名誉毀損で訴える。
メルサと彼女の友人たちは、自分たちの評判を守るために殺人者を見つけなければならないと決心します。その結果、レーンの家、ベルデンのアパート、レーンのビジネスオフィス、そして地元の美容院の捜索が行われる。メルサを威嚇する2つの試み。彼女の命を狙った2回の銃撃未遂:チャリティーボールと、メルサを餌として殺人犯に仕掛けられた罠。女性たちはエイムズを二度攻撃して縛り上げるが、メルサの友人マイラ・フロストは熱心に彼といちゃつく。
マイクが誤った理論に基づいて無実の人々を繰り返し非難する一方で、メルサは警察が到着する前にロニーがレーンの家から遺体とクロークを取り除いたと推理する。逃げる殺人犯はタール紙を残し、メルサは地下鉄の建設現場を思い出させます。現場に戻ると、線路上には高速の電動カートが置かれている。このようにして、エドワード・ノリスは10分で犯罪現場に出入りしたのです。エドワードは殺人を自白し、メルサとピーターに銃を突きつけて短時間人質にした後、捕らえられる。
映画の中で、メルサとピーターの関係は、鋭い敵意から愛と関与へと発展します。彼はすぐに彼女と結婚することを決め、積極的に彼女を口説き始めます。警察がエドワードから彼らを救出した後、メルサとピーターは新婚旅行を計画します。
キャスト
- バーバラ・スタンウィック役のメルサ・マントンは、裕福な社交界の名士で、友人たちといたずらクラブを組織している
- ヘンリー・フォンダ - ピーター・エイムズ、モーニング・クラリオンの編集者
- サム・レビーン マイク・ブレント警部補役、不器用な刑事
- フランシス・マーサー - ヘレン・フレイン、メルサの賢明な友人
- スタンリー・リッジス - エドワード・ノリス、有罪判決を受けた殺人者
- ホイットニー・ボーン - メルサの食べ物好きの友人、パット・ジェームズ
- ヴィッキー・レスター - メルサの友人の一人、キット・ビバリー
- アン・エヴァース(メルサの友人の一人、リー・ウィルソン役)
- リンダ・ペリー - マイラ・フロスト(通称リンダ・テリー)、メルサの浮気好きな友人
- エレノア・ハンセン - メルサの友人の一人、ジェーン
- キャサリン・オクィンは、メルサの反共産主義者の友人であるドーラ役(いつもマイラを共産主義者と呼んでいます)
- ハッティ・マクダニエル ヒルダ(ハッティ・マクダニエルズと名乗る)、メルサの不機嫌な家政婦
- ジェームズ・バーク - サリヴァン、ブレントのアシスタント
- ポール・ギルフォイル - バット・リーガン、ギャンブルハウスのオーナー
- ペニー・シングルトン(フランシス・グレスク役
- レオナ・マリクル(シーラ・レイン役
- ケイ・サットン(グロリア・ハミルトン役
- マイルズ・マンダー(トーマス氏役
- グレイディ・サットン(D.A.の秘書役
- ジョン・クアレン(地下鉄の警備員役
- オーリン・ハウランド(ミスターX役
- ジョージ・チャンドラー / 新聞記者 (クレジットなし)
- バイロン・フォルガー - アシスタントエディター (クレジットなし)
レセプション
Rotten Tomatoesは、44件のレビューから84%の評価を与えています。[2]
この映画は88,000ドルの利益を上げました。[1]★