『ポー河の水車小屋 Il mulino del Po』1949年
感動した。
資本家VS.労働者。
労働者たちが資本家と対等に話し合いができるよう、不当な搾取をさせないよう組合を作り、ストライキをすると、資本家は、大農園の、収穫期を迎えた小麦が収穫できずに腐ることを危惧、農兵を雇い収穫を始める。
すると労働者たちは「スト破り!」と叫びながら体を張って農兵の収穫を阻止。
農兵は、資本家の「労働者を撃て」を決行できず、労働者たちは「資本家に勝った」と大喜び。
この映画の主人公の女性ベルタは、ポー河に建つ水車小屋に住んで小麦を挽いて生活している。
このベルタが成長したとほっとしたころに粉に税金がかけられた。
その割合がきついため、ベルタの兄(怪力ですぐかっとなる、母大好き男)はメーターに細工をする(メーターをノーカウントにして粉を挽く)。
そのメーターを不意打ちで点検しに徴収員が来ると、もうメーターの細工を元に戻せないため母とベルタの兄が火をつけてメーターを燃やそうと画策(証拠隠滅)。
兄がそれを実行すると、刑務所入りに(水車小屋は全焼)。
ベルタは、富農の息子オルビーノと婚約していたが、オルビーノの一家は資本家の地主の仲間で、地主に気に入られないと生活していけない。ゆえにオルビーノ一家は組合には入らない。
労働者たちからすると、組合に入らない(一匹狼的)水車小屋のベルタ一家とオルビ―ノ一家は敵。
資本家は巨大な製粉機を購入。組合にも入っていないベルタ一家は仕事もなくなりますます孤立。
オルビーノとベルタ
オルビーノの妹は、結婚前に家に入ってきたベルタをよく思わず、嘘をついてベルタを貶めようとする。
(真ん中がオルビーノ。その左がベルタ、右がオルビーノの妹)
オルビーノは常にベルタの味方。ベルタと愛を確認し合い、なんとか早く結婚して幸せになろうと言い合っている。
地主に気に入られているオルビーノは、地主から農場を1つ任されようかというところ。そうなればオルビーノは家から独立し、ベルタを家族から守ることができる。
オルビーノとベルタ
そんななか、ベルタの兄が出所した(一家の水車小屋は新しくなっている)。
一家の不遇な様子を見た彼は、まず、信じていた組合長の居場所へ突進していき、不在となるとその家を破壊。
ベルタの兄は、自己保身のために嘘を密告してきた男(オルビーノがベルタの悪口を言っていたというもの)を信じ、即かっとなってその勢いのままオルビーノを襲撃しに行き↓、
2階から落として殺してしまう。
はっと我に返ったベルタの兄が下に下りてオルビーノを抱き上げると、「僕はお前を許す。僕はベルタの悪口は言っていない。ベルタには、ずっと愛していると伝えてくれ」と言い絶命。
急に罪悪感の湧いたベルタの兄は、あてどなくさ迷いだす。
そして事実をベルタと母に告げる。
ベルタの兄は、自分に密告してきた男を捜す。すると男は船で逃げようとするところ。
訊けば、「昔から、悪事はこの河に流すと決まっている。すると河は清めてくれる」と言い、オルビーノを河に流したことを告げ、逃げる。
ベルタの兄は、ベルタが仲良くしていた河原のホームレスの男性に訊く。すると彼は、沈んで流れていたものが浮いてくるスポットを教えてくれる。
ベルタ、母、ベルタの兄でそこに行くと、本当にそこにオルビーノの死体が浮いてきた。
ベルタと母が船でオルビーノの死体を引き上げにいくというシーンで、ジエンド。
ベルタとオルビーノの因縁の悲劇的恋愛関係に、シェイクスピア作品の雰囲気を感じた。
水車というのは、本当に発明だと思う。見ていて飽きるということがない、水の流れ(高低差・重力)の恵みの動力。
水車で粉挽き。
★Wikipediaより★
ポーの水車小屋(イタリア語:Il mulino del Po)は、アルベルト・ラトゥアーダが監督し、カルラ・デル・ポッジョ、ジャック・セルナス、マリオ・ベセスティが主演した1949年のイタリアの歴史ドラマ映画です。[1] [2] リッカルド・バッケリによる同名の小説の第3部に基づいています。[3][4] 1949年のヴェネツィア映画祭でプレミア上映された。この映画は、戦後イタリアの大手企業の一つであるラックス・フィルムが製作・配給しました。ロンバルディア州周辺では、バニョーロ・サン・ヴィート、ポルト・マントヴァーノ、クルタトーネなど、大規模なロケ撮影が行われました。映画のセットは、アートディレクターのルイージ・ジェルバシによってデザインされました。
あらすじ
19世紀のロンバルディアでは、スカチェルニ家はポー川に独自の浮き粉車を所有し、水車小屋を使用してこの地域で収穫された作物を挽いています。ベルタ・スカチェルニは、農村労働者の家族からオルビーノ・ヴェルジネージと婚約しています。しかし、イタリア統一後、彼らは現在、川の製粉所に新たな税金を厳格に施行するピエモンテ当局の管理下にあります。襲撃の際、当局の不正行為がバレないように、ベルタの短気な兄プリンシヴァッレは製粉所に火をつけ、損害を与える。彼は刑務所で服役し、製粉所が修理されている間、ベルタは土地のオルビーノの家族のために働きに行きます。
彼女とオルビーノの関係は、彼の所有地を近代化したいと願う横暴なクラパッソンが率いる地主と、労働者と小作農を組織してより良い条件を要求する社会主義運動との間の進行中の戦いによって複雑になります。労働組合のリーダーであるライボリーニはストライキを呼びかけ、田舎の人々は仕事をやめます。スカチェルニ家が小麦の製粉をやめようとしないと、彼らは隣人から排斥され、ベルタは婚約者の家族の敵意を受ける。ライボリーニは彼に彼女との婚約を解消するよう圧力をかけるが、彼は拒否し、アメリカへの移住を考えます。
イタリア軍が収穫を完了するために到着し、地元の女性との対立が始まります。多くが兵士を襲撃したとして逮捕され、ストライキを終わらせるための取引が調停される。しかし、熱い雰囲気の中で、悪意あるゴシップが、オルビーノが何度も妹のベルタと愛し、婚約者に疲れて、今彼女を捨てたいと願っていることを、最近刑務所から釈放されたプリンシヴァッレに届きます。二人の対決中に、プリンシヴァッレはオルビーノを倒し、彼を殺します。
キャスト
- カーラ・デル・ポッジョ(ベルタ・スカチェルニ役
- ジャック・セルナス(オルビーノ・ヴェルジネージ役
- マリオ・ベセスティ as Clapassòn, il padrone
- ジャコモ・ジュラデイ(プリンツィヴァッレ・スカチェルニ役
- イザベラ・リーヴァ(セシリア・スカチェルニ役
- ニノ・パヴェーゼ(ライボリーニ役)
- ジュリオ・カリ(スマラッツァッコ役)
- アンナ・カレーナ(ラルギア役
- レダ・グロリア(ラ・スニザ役
- ディナ・サッソリ(スザンナ役
- ドメニコ・ヴィリオーネ・ボルゲーゼ(ルカ役★
★Wikipediaより★
『ポー河の水車小屋』(ポーがわのすいしゃごや、イタリア語: Il mulino del Po)は、1949年製作・公開、アルベルト・ラットゥアーダ監督によるイタリアの映画である[1][2]
略歴・概要
本作は、1949年にイタリアの映画会社ルックス・フィルムが製作、ロンバルディア州マントヴァ県のサン・ベネデット・ポー、ローディゴ、クルタトーネといった同県内各地でロケーション撮影を行って完成、同社が配給して同年9月28日にイタリア国内で公開された[1]。
リッカルド・バッケッリが1938年 - 1940年に執筆した同名小説を原作に、バッケリ自身が、マリオ・ボンファンティーニ、ルイジ・コメンチーニ、アルベルト・ラットゥアーダ、カルロ・ムッソ、セルジオ・ロマーノとともに翻案し、フェデリコ・フェリーニとトゥリオ・ピネリが映画用に脚色した[1]。本作の脚本を執筆したフェリーニは、本作公開の翌1950年、トゥリオ・ピネリと共同で脚本を執筆した『寄席の脚光』を、
本作の監督であるアルベルト・ラットゥアーダと共同で監督して、映画監督としてデビューを果たすことになる[3]。
日本では、フランス公開と同年の1951年にイタリフィルムが輸入し、同年11月25日に同社が松竹洋画部と共同で配給して、公開された[2]。日本でのビデオグラムは、2020年9月にコスミック出版から発売された、「イタリア映画コレクション「越境者」10枚組」に収められた。
スタッフ
- プロデューサー : カルロ・ポンティ
- 監督 : アルベルト・ラットゥアーダ
- 原作 : リッカルド・バッケッリ (Riccardo Bacchelli)
- 脚本 : フェデリコ・フェリーニ、
- トゥリオ・ピネリ (Tullio Pinelli)
- 翻案 : リカルド・バッケリ、マリオ・ボンファンティーニ (Mario Bonfantini [4])、ルイジ・コメンチーニ、アルベルト・ラットゥアーダ、カルロ・ムッソ (Carlo Musso [5])、セルジオ・ロマーノ
- 撮影 : アルド・トンティ (Aldo Tonti [6])
- 美術 : アルド・ブッツィ (Aldo Buzzi)
- 編集 : マリオ・ボノッティ (Mario Bonotti [7])
- 音楽 : イルデブランド・ピツェッティ
- 助監督 : パオロ・ガルガーノ (Paolo Gargano [8])、カルロ・リッツァーニ (Carlo Lizzani)、アルド・ブッツィ
- 製作助手 : シルヴィオ・クレメンテッリ
- 製作主任 : クレメンテ・フラカッシ (Clemente Fracassi)
キャスト
- カルラ・デル・ポッジョ (Carla Del Poggio) - Berta Scacerni
- ジャック・セルナス (Jacques Sernas) - Orbino Verginesi
- マリオ・ベセスティ (Mario Besesti) - Il Clapassòn
- ジュリオ・カリ (Giulio Calì) - Smarazzacucco
- アンナ・カレーナ (Anna Carena) - L'Argia
- ジャコモ・ジュラデイ (Giacomo Giuradei [9]) - Princivalle Scacerni, fratello di Berta
- レダ・グロリア (Leda Gloria) - La Sniza
- ニーノ・パヴェーゼ (Nino Pavese) - Raibolini
- イザベッラ・リーヴァ (Isabella Riva [10]) - Cecilia Scacerni, madre di Berta
- ディナ・サッソリ (Dina Sassoli) - Susanna Verginesi, sorella di Orbino
- ドメニコ・ヴィリオーネ・ボルゲーゼ (Domenico Viglione Borghese [11]) - Luca Verginesi, fratello di Berta
関連事項