『ナポリのそよ風 IL SIGNOR MAX』1937年
イタリア語の「IL SIGNOR MAX」の直訳は、「紳士マックス」。「IL SIGNOR」で「The紳士」という意味らしい。マックスは人名。
非常に面白い映画だった。イタリアのラブコメディー。
私生活で1人2役を演じる男性が、その過程で、憧れていた金持ち女性に失望、その金持女性のメイドに恋する話。
新聞販売員のジャンニ↓は、その店を亡き父から継ぎ、気のいい仲間ペペと2人で経営している(1か月の休暇で旅行に出るため、正装しているジャンニ。
1か月の旅行に出ようとしていたジャンニは、その日街中で偶然見かけた上流階級の女性に一目惚れ。
(左が、ジャンニが一目惚れした女性パオラ。右がパオラ一行のメイドのローレッタ)
ジャンニは一か月の休暇と貯金を使い、その女性パオラ(↑写真左)に会いたいがために豪華客船に乗船。
ジャンニはパオラに気に入られようと、マックス・バラルド伯爵という貴族を騙り接近。
パオラはマックスを名乗るジャンニを気に入り、恋人扱いし始める(パオラの側には、二回離婚している元夫が常にいる)。
このパオラ一家のメイドをしている、ローレッタという女性がいる。
ローレッタは、新聞販売をしているジャンニを見かけ、「マックスさん?」と言うが、ローレッタに気づいたジャンニは「僕はジャンニ。人違いだよ」と白を切る。
しかしローレッタは、あまりにもそっくりなため、マックス=ジャンニを疑い続ける。
(ローレッタはジャンニとマックスが同じ煙草入れを持っていることにも気付き、不審に思う)
(同僚ペペは店の中で、ジャンニ→マックスへの早替わり変身を手伝う)
そんななか、ジャンニはパオラに会いたいがために、自転車でローレッタのあとを追いかける。
するとジャンニはローレッタが乗っていたタクシーにぶつかり事故を起こす。
警察が来て、ジャンニはそばの薬局に連れていかれ、治療される。
ジャンニは警察に、「●●保険の書類に記入するために、彼女の住所氏名が必要」と言う。すると警察はローレッタに住所氏名を訊き書き留める。それでジャンニは、ローレッタ(=ローレッタの雇用者パオラ)がグランド・ホテルに宿泊中ということを突き止める。
ジャンニはグランド・ホテルにマックスとして行き、パオラに会う。それを見たローレッタは、時間的にあり得ないため(ジャンニは高速で着替え、マックスとして、ローレッタより先にグランド・ホテルに到着ということをやってのけた)、2人は1人ではなく2人なのだと一旦納得する。
ローレッタはジャンニを愛してしまい、「今日あと一時間で旅立つ」とお別れを言いに来る(パオラ一行は世界中を旅している金持ち)。
するとジャンニはパオラに会いたいがためにマックスの身なりをして、ローレッタより先に列車に乗り込む。それを見たローレッタ、「(自転車事故の右)腕の具合はいかが?」と鎌を掛ける(その直前にジャンニが、痛めているはずの右腕で車のドアを開けたため、何かおかしいとローレッタは感じていた)。しかしジャンニはあくまでマックスのふり。
そこへ知り合いの新聞売りが来ると、ジャンニは自分の部屋に入れ、服を交換。マックスからジャンニに変わって、外のローレッタの前に現れる。ローレッタが汽車を見ると、後ろ姿のマックス(実はマックスの服を来た新聞売り)。
ローレッタはジャンニに、「実は今さっきまで、あなたはわたしを騙しているんじゃないかと思ったの」と言う。
ローレッタはジャンニに「手紙を書くわ」と言い別れると汽車に乗り込む。
ジャンニは大急ぎで着替え、またマックスになる。
汽車の中ではパオラの妹がローレッタにわがまま放題で辛く当たる。
するとローレッタは自分の部屋で泣く。
それを見ていたジャンニ、ローレッタをマックスとして慰める。実はジャンニは、パオラたちの噂話しかない俗物世界にうんざりしていて、ローレッタを人間扱いしないパオラたちに冷めていたのだった。
同情から恋心になりジャンニとしてキスをしたが、ローレッタは「あなたはジャンニじゃない。人の弱みにつけこんで!」と怒る。
ローレッタはパオラに職を辞すことを宣言、するとパオラは「あの子にお給料を渡して。もう二度と顔を見たくない」と言う。
ローレッタは次の駅で降りる。
するとマックスを演じていたジャンニも降りる。
先回りして新聞販売店に着いたジャンニ。
そこへローレッタがやって来て、「わたし、メイドの仕事を辞めたの」。
すっかりローレッタを好きになっていたジャンニは、同僚ペペに店を任せ、ローレッタを連れて馬車に乗り、おじおば甥のいる自宅へ帰宅。
そしておじにローレッタと結婚することを言うと、おじは歓迎。
「僕が旅行へ行ったことはローレッタには内緒だよ(それを言うとローレッタにジャンニ=マックスがバレる)、結婚するまで」とジャンニが言うと、
「結婚の先輩として忠告する。それは一生秘密にしたほうがいい」とおじが言って、ジエンド。
(バスの運転手をしているおじ(右)は、ローレッタ(左)を気に入り、ジャンニと結婚したらうまくいく、と思っていた)
ジャンニ=マックス役のヴィットリオ・デ・シーカが素晴らしかった。同僚のペペ役の俳優もいい味を醸し出していた。
(白鳥の帽子をかぶったマックス(=ジャンニ))
★Wikipediaより★
『Il Signor Max』は、マリオ・カメリーニ監督、
ヴィットリオ・デ・シーカ、アッシア・ノリス主演の1937年のイタリアの「白電話」コメディ映画です。[1]
★テレフォニ・ビアンキ(発音は[teˈlɛːfoniˈbjaŋki];白い電話)デコ・フィルムとも呼ばれる映画は、1930年代と1940年代にイタリアの映画業界によって、当時のアメリカのコメディを模倣して作られ、その時代の他の重要なスタイルであるカリグラフィスモとは対照的で、非常に芸術的でした。[1] テレフォニ・ビアンキの映画館は、1930年代初頭のイタリア映画コメディの成功から生まれました。それは、知性主義やベールに包まれた社会批判から一掃された、より軽いバージョンだった。[2]★
プロット
ジャンニは、ローマの貧しい若い新聞販売員です。しかし、休暇中、彼は貴族のマックス・バラルド伯爵を装います。あるとき、ナポリのクルーズで、彼は裕福な俗物であるドナ・パオラと彼女のメイドのローレッタ(普通の恥ずかしがり屋の女の子)に会います。ドンナ・パオラとの関係を築こうとした後、失望したジャンニは、彼の分身であるマックスを捨ててローレッタにプロポーズすることにしました。しかし、彼女は今、彼が伯爵であると信じています。物事がクリアされる前に、一連のユーモラスな誤解が起こります。
キャスト
- ヴィットリオ・デ・シーカ(ジャンニ/マックス・ヴァラルド役
- アシア・ノリス(ローレッタ役
- ルビ・ダルマ - ドンナ・パオラ
- ウンベルト・メルナーティ(リッカルド役
- リリア・デイル / プッチ (請求先は Adonella)
- ヴィルジリオ・リエント(ペペ役
- マリオ・カサレッジョ(ピエトロおじさん役
- カテリーナ・コロ - ルチアおばさん
- エルネスト・ギジ(ピエリーノ役
- ロモロ・コスタ - コマンダンテ・バルディ
- リリア・シルヴィ(果樹園の売り手役)
- ジュゼッペ・ピエロッツィ(タクシー運転手)
- アルビノ・プリンシペ(ブビ・ボンチ役
- クララ・パドア - ジャンヌ、電車の中のアスリート
- ルチアーノ・ドルコラットがガイドとして
- デジデリオ・ノビレを少佐に
- 薬剤師役のアルマンド・ペトローニ
- 舞踏会の女の子としてのエッダ・ソリゴ
- ジャンフランコ・ザンキが本物のマックス・ヴァラルドを演じる★