映画映画『アモーレ L'AMORE』1948年映画映画映画映画映画

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第一話と第二話に分かれているのだが、どちらも、ほとんどアンナ・マニャーニの一人芝居。

それなのに、深淵に触れていて、重層的。アンナ・マニャーニの演技が凄い。本人の人間力が余すところなく滲み出ているという感じ。

アンナ・マニャーニ - Wikipedia

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第一話は、恋人と別れた女性がその相手からの電話を待っているというもの。タイトルは、「人間の声」。

L'amore (1948) - Backdrops — The Movie Database (TMDB)

舞台はアパートの一室。カメラも女性もそこから一歩も出ない。これはもともと劇場でアンナ・マニャーニが上演していたものを、映画に出来ないかと提案、叶ったということらしい。批評家の中には「映画の怠惰」と言う者もいたらしいが、舞台固定で1人芝居でもこんなにドラマになるという、そういう提示にも見え、良かった。

この女性は、男性との別れを決め男性は出て行ったのだが、心がそれを受け入れられない。

落ち着きなく部屋を徘徊、電話のベルが鳴ると「もしもし!?」と受話器をひっつかみ、別の人からだと分かるとがっかり。

意中の別れた彼からだと分かると、もう彼を離さない。切られないようまくしたて、黙らない。

L'amore (1948)

L'amore (1948)

L'amore - Film (1948)

「今、あなたは左手で受話器を持っていて、〇〇色のスカーフを首に巻いているでしょう?私の耳は見えるの」と、日常の感受性から逸脱したヤバい感じ。恋の集中力。または、恋愛中に仕入れた(敵(元彼)の)情報をもとにした飛躍(第六感)。

「泣いてなんかいないわ」と言いつつ、実は涙が流れ続け、「あなたとあの人がいい関係になればいいと思う。でも、私との思い出の▲▲ホテルには絶対泊まらないでね!」とキレ、そうかと思うと急に優しい声になって「私の手紙は全部燃やしてね。でもその灰は、◆◆に入れて保存してほしいの。私が生きていた証として」と甘えた縋るような声。

彼にはもう新しい恋人がいて、関係修復は不可能と頭では分かっているが、心身がついていかれず取り残されている感じ。

部屋には中型犬がいて、その犬は、飼い主である女性の感情の乱れに怯えて距離をとっている様子。

よくある話ではあるのだが、アンナ・マンニャーニがカメラの存在を全く感じさせずに感情移入をどっぷりしているのが見所。

人間関係とは、関係すると多かれ少なかれ、自分が相手に、相手が自分になる。

その大部分を掛けた相手には、それは執着するだろう。

この主人公は「ザ・女」とも言えて、古き良き時代の、人間という生き物には決して脱皮・進化しない「私は女だから」がアイデンティティーである生き物の愚かさ≒可愛さ(庇護の対象)の凝固的作品とも言えるとも思った。

 

 

Ljubav (L'amore, 1948) - Film

Love (1948)

L'amore (1948) | FilmTV.it

第二話「奇跡」は、貧しい村の女性が、ただの浮浪者を聖ヨゼフだと思い込み、彼に自分の現在の自己肯定感の低さを吐露。死にたい、天国に行きたい、このまま生きていても何もいいことなんてない。でも、今日聖ヨゼフに会えた、あなたは美しい。どうか天国に連れていって、と恍惚としていると、その、実は通りがかりの浮浪者(演・フェデリコ・フェリーニ)が女性に葡萄酒を飲ませ、酔ったところを性交。

L'amore (1948)

Roberto Rossellini - L'Amore (1948) | Cinema of the World

目覚めた女性は性交されたとは思っておらず、「聖ヨゼフ」を夢かと思うが、その後果樹園で子守をしているあいだに倒れて妊娠発覚↓(女性があの「聖ヨゼフ」との子を妊娠したと分かっているのかは不明。聖母マリアのように、性交なしの処女懐胎と思ったのかもしれない)。

L'amore (1948)

これは神様からの恩恵だ、と女性は嬉しくなるが、村人から忌避されるだろうと村に戻らず教会の前でホームレスとして過ごしていた。

しかしそこで、自分に言い寄ってきていた同じホームレスの男から追い出され↓、

L'Amore (1948) Rarity / AvaxHome

女性は村へ帰る。すると浮浪者と性交したのにその浮浪者を聖ヨゼフだと思い込んでいる「頭のおかしい」人として集団リンチされる。

女性は村を逃げるように出て、放浪、すると山羊の導きで見知らぬ教会へ。

誰もいない教会の外で、女性は一人で出産。女性が「私の赤ちゃん」と喜びに満ちた表情になって赤ちゃんを抱き締めたらしいところで、ジエンド。

この第二部が、ニューヨークのカトリック当局により冒涜だとされ上映拒否されたというのも分かる。

「聖ヨゼフ」が女性を酔わせて性交したというのと、下品な雰囲気の神父が酔っぱらったような調子で「聖マリアにも会える。俺は会った」などと言っているところと、この女性は聖母マリア的に処女懐胎したようにも見える(女性がそう思い込んでいるだけでもマズイ)のがマズかったのではと思った。

その後言論の自由の権利により、最高裁で上映オッケーということになったのらしい。

 

タイトル通り、正にアモーレ、愛の執着、受容、赦し、希望を感じた。

 

 

 

★Wikipediaより★

L'Amore(「愛」)は、ロベルト・ロッセリーニ監督、

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アンナ・マニャーニ

フェデリコ・フェリーニ主演

Federico Fellini - IMDb

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の1948年のイタリアのドラマアンソロジー映画です。[1][4] ジャン・コクトー

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の1929年の同名の戯曲に基づく「人間の声(Una voce umana)」と、ラモン・デル・バジェ・インクランの1904年の小説「Flor de santidad」に基づく「奇跡(Il miracolo)」の2部構成である。[1][5] 第2部は、1952年に言論の自由の権利を支持する最高裁判所の判決によってクリアされるまで、米国で禁止されていました。

プロット

 

第1話「人間の声」

 

アパートで絶望し、一人ぼっちの名もなき女性が、かつての恋人と電話で最後の会話をしている。彼は彼女に手紙を返すように頼みます。二人の会話が何度も中断されるうちに、男が彼女を捨てて別の女性のもとに行ったこと、そして彼女が悲しみのあまり自殺を試みたことが明らかになる。最後のお願いとして、彼女はかつて彼と彼が滞在したマルセイユの同じホテルに彼女の後継者を連れて行かないでくれと彼に懇願します。

第2話「奇跡」

 

素朴で信心深い女性ナンニーナは、アマルフィ海岸でヤギの世話をしています。ハンサムな髭を生やした放浪者が通りかかると、彼女は彼を聖ヨセフに連れて行きます。ワインの入ったフラスコを差し出すと、彼は彼女を酔わせ、彼女は眠りに落ちる。彼女が目を覚ますと、彼はいなくなっており、彼女は彼の出現が奇跡だったと確信しています。数ヶ月後、彼女が果樹園で気を失ったとき、彼女を手伝った女性たちは彼女が妊娠していることを発見します。ナンニーナはこれも奇跡だと信じるが、町の人々にとっては嘲笑の対象となり、山に逃げ込む。一匹のヤギが彼女を誰もいない教会に連れて行き、そこで子供を産む。

キャスト

 

  • アンナ・マニャーニ – The woman/Nannina
  • フェデリコ・フェリーニ – 放浪者

製作と公開

 

ロッセリーニが次回作『ドイツ、零年』を準備していたとき、アンナ・マニャーニは、1942年にすでに舞台で上演していたコクトーの戯曲『人間の声』を映画化することを監督に提案した。[2]ロッセリーニは同意し、彼とマニャーニは当時パリに滞在していたため、フランス人クルーと一緒にパリのスタジオで最初のエピソードを撮影しました。[2] 短編映画の定期的なリリースを可能にするために、ロッセリーニはフェデリコ・フェリーニにヴァッレ・インクランの小説『Flor de santidad』に基づいてマニャーニのために2番目の作品の脚本を書かせ[2]、ロッセリーニはトゥリオ・ピネッリと脚本にした。(注1)

ラモーレ』は1948年8月21日にヴェネツィア国際映画祭でプレミア上映され、同年11月2日にローマの映画館で公開された。[1]映画への反応はほとんど否定的でした。フランスの批評家アンドレ・バザンでさえ、普段はロッセリーニの作品を支持していたが、第1話を「映画の怠惰」と非難した。(注2)

米国の検閲訴訟

 

1950年のニューヨーク初演では、『奇跡』『ラモーレ』から取り除かれ、『愛の道』という3部構成のアンソロジー映画と、ジャン・ルノワールの『田舎の一日』(1936年)とマルセル・パニョルの『ジョフロワ』(1933年)の2本の短編映画に収められた。[4] ロッセリーニの映画はイタリアの検閲を何の苦情もなく通過したが、ニューヨークでの上映は、国民高潔軍団とカトリック当局によって冒涜として非難された。[2]その結果、市当局は映画の上映許可を取り消した。[2] ディストリビューターのジョセフ・バースティンは、"Joseph Burstyn, Inc. v. Wilson"という訴訟で取り消しを上訴し、最終的に合衆国最高裁判所で審理された。1952年5月の判決で、最高裁はバースティンの控訴を支持し、この映画はアメリカ合衆国憲法修正第1条の言論の自由の保障によって保護されている芸術的表現の一形態であると宣言した。[6][7]

受賞歴