『アンナ Anna』1951年
修道女のアンナは、優秀な外科助手。
外科の教授からも、信頼され一目置かれている。
そんなある日。妹が結婚の報告に来る。
どうやら、アンナは妹と同居していたらしい。
妹はアンナに、「自分は結婚してあの家を出るから、これ」と手紙の束をアンナに渡す。
それはどうやら、アンナの恋人からの手紙なのらしい。
妹は、「アンナが修道女としてここに閉じ込められていて可哀そう。早く(俗世に)出てほしい」と思っているらしい。
妹の婚約者も、「結婚式にはぜひいらしてください」と言う。
しかしアンナは首を縦に振らない。
「わたしにはここが合っているの」とアンナ。
ここから、アンナの回想が始まる。
アンナは、ナイトクラブで歌手をしていたらしい。
その店のバーテンダーとアンナは、恋人同士。
しかしある日この店にやってきた「金持ちの田舎の農夫」ヴァローネがアンナを好きになり、プロポーズ。
アンナとヴェローネ
左から、ヴァローネ、アンナ、バーテンダー(兼ウェイター)@ナイトクラブ
アンナと、同居の妹
誠実な雰囲気の男性ヴァローネは、アンナを同居の妹と共に自宅へ招く。
広い敷地。お城のような家。優しい母親。可愛い妹と弟。
左から、ヴァローネの母、ヴァローネ、アンナの妹、アンナ
理想的な結婚に見えるのだが、アンナはどうしてもバーテンダーと別れられない。
夜になると夢遊病のように、バーテンダーの家に行き、セックスしてしまう。
バーテンダーは、「お前は俺から離れられない」と呪文のように言う。アンナもそれがわかり、それが嫌。
嫌と思うのはアンナの理性で、本能はバーテンダーの体を求めて夜に家を出てしまう。
アンナは自分でも「自分が二人いるみたいで」と悩む。
けれどアンナは決心し、ヴァローネと結婚することに決め、彼の家に行った。
しかし、結婚式を明日に控えた日、バーテンダーが家にやって来た。
バーテンダーを窓から見つけたアンナ。
二階から走っておりていき、木陰で「帰って」と言う。しかしバーテンダーは不敵な笑みを浮かべ、「俺は帰らないよ」と言う。
アンナはバーテンダーを納屋に入れ、説得しようとするが、地面に押し倒され、服を脱がされる。
ちょうどそこへ、ヴァローネが「アンナ、どこだ?」と言いながらやって来て、納屋を開けて現場を見てしまう。
ヴァローネはバーテンダーに馬乗りになり、2人の殴り合いが始まる。
バーテンダーはポケットから銃を出し、ヴァローネを撃とうとし、それを制しようとするヴァローネの勢いでバーテンダーは射殺される。
ヴァローネは、「きみと知り合ったせいで、僕は人殺しになってしまった……。出て行ってくれ」と泣く。
ショックを受けたアンナは、ふらふらと道へ出ていき、倒れたところを車に乗せられ、この病院へ連れてこられ、修道女兼外科医助手となったのだった。
そのヴァローネが、アンナがいる病院に、交通事故で運ばれてくる。
ヴァローネは凄いスピードを出し、対向車とぶつかったということらしい。
その手術を、夜勤が初めての自信なさげな外科医が担当する流れになっていた。
しかしこの外科医の腕の悪さを知っているアンナは、劇場にいる教授を呼びにいき、教授が代わって手術をすることに。
ヴァローネの手術の成功を祈る、アンナ
手術は成功。
回復したヴァローネは、「やはりぼくは、きみなしではいられない、一緒になってくれ。きみは女だ。女性は男性と結婚して子供の成長を楽しみに穏やかに生きていくものだ」と再プロポーズ(ヴァローネは正当防衛が認められ、無罪確定となっているらしい)。
アンナは提示された駆け落ちの待ち合わせ場所にいこうかどうか、悩む(その待ち合わせ時刻が迫っている)。
アンナとヴァローネ@病院
しかし救急車のサイレンを聞くと、車から担架で降ろされた何人もの患者のもとへ、アンナは急いで近づいていくのだった。
でジエンド。
アンナ、正しいと思った。
他の男性ならまだしも、「きみと知り合ったせいで、僕は人殺しになってしまった……。出て行ってくれ」と泣いた人とは、一緒に生きていくべきではないと思った。ことあるごとに、その件が再浮上してしまうことだろう。
教授は1人の人間としてアンナを評価している。
アンナは修道女として外科助手として、ここで浄化され必要とされて生まれ変わる。
そしてここが、アンナの魂の実家となるのだろう。
シルヴィーナ・マンガーノの修道女姿が非常に美しかった。
★Wikipediaより★
アンナは、アルベルト・ラトゥアーダ監督
による1951年のイタリアのメロドラマ映画で、修道女になる罪人アンナ役のシルヴァーナ・マンガーノ、
彼女を愛する金持ちアンドレア役のラフ・ヴァローネ、
アンナを危険な道に導く邪悪なウェイターのヴィットリオ役のヴィットリオ・ガスマンの3人が主演しています。
シルヴァーナ・マンガーノの実の妹であるパトリツィア・マンガーノは、映画の中でアンナの妹を演じています。ソフィア・ローレンは、ナイトクラブのアシスタントとしてクレジットされていない小さな役割を担っています。未来の映画監督フランコ・ブルサティとディノ・リージが共同で脚本を執筆しました。
この映画には「Non Dimenticar」と「El Negro Zumbón」という曲が収録されているが、これはアメリカで「Anna」として人気を博し、ずっと後にピンク・マルティーニによって録音されたバイアンである。
プロット
男(ヴァローネ)が交通事故に遭う。彼は病院に運ばれ、シスター・アンナ(マンガーノ)が世話をする。アンナが修道女になったのは、その男のせいだ。彼女はナイトクラブの歌手として罪の生活を送っていた日々を思い出します。
レセプション
『アンナ』は、イタリア映画界で最も興行的に成功した作品の1つです。「エル・ネグロ・ズンボン」はイタリアとスペインで古典的になりました。ナンニ・モレッティは『ディア・ダイアリー』でトリビュートを捧げ、この曲はテレビで放映され、この曲のオープニングはシネマ・パラダイスで紹介されている。
吹き替え音声
オリジナルのイタリア語版では、映画に登場する多くの俳優の声が吹き替えられています。
- シルヴァーナ・マンガーノ:リディア・シモネスキ
- ヴィットリオ・ガスマン:グアルティエロ・デ・アンジェリス
- ラフVallone:マリオPisu
- ギャビー・モーレイ:ティナ・ラッタンジ
- ティナ・ラッタンツィはアンドレアの母親として映画に登場し、彼女はジョヴァンナ・スコットによって吹き替えられています。
- この映画で聞こえる他の声は、エミリオ・チゴリ、ジュゼッペ・リナルディ、ロゼッタ・カラヴェッタ、ミランダ・ボナンセアです。★
★Wikipediaより★
『アンナ』(イタリア語: Anna, 「アンナ」主人公の名)は、1951年(昭和26年)製作・公開、アルベルト・ラットゥアーダ監督によるイタリア・フランス合作である[1][2][3]。
背景
本作は、1951年、イタリアのメジャー映画会社ルックス・フィルム、カルロ・ポンティのカルロ・ポンティ・チネマトグラフィカ、ディノ・デ・ラウレンティスのディノ・デ・ラウレンティス・チネマトグラフィカ、フランスの映画会社コンパニ・シネマトグラフィーク・ド・フランス(CCF)の共同製作、イタリアのローマにあったポンティ=デ・ラウレンティス撮影所でセット撮影を行って完成、同年12月20日、ルックス・フィルムの配給によりイタリア国内で、翌1952年(昭和27年)9月26日にフランス国内で、それぞれ公開された[1]。
主演のシルヴァーナ・マンガーノの妹、パトリツィア・マンガーノ、ナターシャ・マンガーノも出演している[1][2]ほか、当時満17歳のソフィア・ローレンがノンクレジットの端役で出演している[1]。のちにナンニ・モレッティ監督が『親愛なる日記』(Caro diario, 1993年)に、シルヴァーナ・マンガーノが歌い踊るシーンを引用している[3]。
日本では、フランス公開の翌年の1953年(昭和28年)にイタリフィルムが輸入し、松竹洋画部との共同配給により[3]、同年11月29日に公開された[4]。日本でのビデオグラムは、1998年(平成10年)8月28日、東北新社がVHSでのレンタルビデオを発売している[3]。
キャスト
- クレジット順
- シルヴァーナ・マンガーノ - Anna
- ギャビー・モルレー (Gaby Morlay) - La madre superiora
- ラフ・ヴァローネ - Andrea
- ジャック・デュメニル (Jacques Dumesnil) - Il professor Ferri
- ヴィットリオ・ガスマン - Vittorio
- パトリツィア・マンガーノ (Patrizia Mangano [5]) - Luisa
- ナターシャ・マンガーノ (Natascia Mangano [6]) - Lucia Manzi
- ピエロ・ルッリ (Piero Lulli) - Il dottor Manzi
- ディナ・ロマーノ (Dina Romano) - Suor Paolina
- ロジータ・ピザーノ (Rosita Pisano) - Suor Carmela
- ビアンカ・ドリア (Bianca Doria) - Una partoriente
- ロッコ・ダスンタ (Rocco D'Assunta) - Un padre
- リッラ・ロッコ (リラ・ロッコ、Lyla Rocco) - Un' infermiera
- ディーナ・ペルベッリーニ (Dina Perbellini) - Una malata
- エミリオ・ペタッチ (Emilio Petacci [7]) - Il colonnello Zenner
- ティナ・ラッタンツィ (Tina Lattanzi) - La madre di Andrea
- マリエンマ・バルディ (Mariemma Bardi [8]) - Un' infermiera
- ランベルト・マッジォラーニ (Lamberto Maggiorani) - Il malato ferito allo stomaco
- アルマンド・リビアンキ (Armando Libianchi [9]) - Il proprietario del nightclub
- クレジット外
- ソフィア・ローレン - L'assistente de Vittorio al nightclub
スタッフ・作品データ
- プロデューサー : ディノ・デ・ラウレンティス、カルロ・ポンティ、ピエール・ギュルゴ=サリース(Pierre Gurgo-Salice [10], ノンクレジット)
- 監督 : アルベルト・ラットゥアーダ
- 脚本 : ジュゼッペ・ベルト (Giuseppe Berto)、フランコ・ブルサーティ (Franco Brusati)、イーヴォ・ペリッリ (Ivo Perilli)、ディーノ・リージ、ロドルフォ・ソネゴ
- 撮影 : オテッロ・マルテッリ (Otello Martelli)
- 美術 : ピエロ・フィリッポーネ (Piero Filippone)
- 編集 : ガブリエーレ・ヴァッリアーレ (Gabriele Varriale [11])
- 音楽 : ニーノ・ロータ