『懐かしの日々 Altri tempi - Zibaldone n. 1/Times Gone By』1952年
街頭の古本屋が、客に合わせた本を見せ↓、客がその本を読んでいるその脳内イメージが1つの作品であるという体の、9つの物語オムニバス。
この古本屋の向かいにキオスクがあり、そこでは母と息子が、特報・ゴシップタブロイド紙などを煽情的な売り文句で売り、大儲けしている。
一方古本屋で古本を買う客はほとんどいない。
映画の作者は、センセーショナルで刺激的なものを批判する立ち位置にいるのだろうと思う。その証拠にというべきか、キオスクの店主の女性の息子である少年を、古本屋に親切な女の子のイジメ役に仕立てている。
分かり易すぎる、よくある昔話の典型の、がめつい意地悪婆さん(キオスクの店主)VS.心の優しいお爺さん(古本屋の店主)、というようなノリ。
これは不倫の話。夫のいぬ間の一日の、イタリア的逢瀬。
これはある通りがかりの男性が落とした祖父母の写真を元にした、祖父母の結婚の話。
これは↓自分が押し掛け駆け落ちまでして結婚した夫を裏切り、誘惑に負けて夫の仕事の相棒と不倫をし、夫はすっかりお見通しで、夫に「2人の子供は私が引き取る。離婚だ」と言われ絶望して夫の銃で自殺した妻の話。
これは↓、幼馴染で今は大人の2人の男が、馬車が落としていった馬糞を、1人は畑の肥料に、もう1人は庭の肥料にしたくて取り合い大喧嘩、ラストにその馬糞を叩き合って顔に浴び(笑)、警察が来て注意される(笑)話。
これが↓とても可哀そうだった。イタリアの鼓隊の少年が、敵であるオーストリア軍の向こうの司令官に文書を届けることに成功、お陰でその日はイタリア軍は勝ったが、翌日から負けて、少年は右足を失い、しかし少年に命令を発した大尉に「きみこそ英雄だ」と言われて名誉に感じる、という話。
オムニバスの9つの物語のうち、ラストの『フリュネの試練』↓が一番エネルギーが注がれていると感じた。
義母を毒殺した女性が、その美しさにより無罪にされるというコメディタッチの作品。
フリュネとは、紀元前4世紀の古代ギリシアのヘタイラ(売春婦)。映画でも下の絵のように↓(ここまで全裸ではなく、胸が半分見えているだけの状態↑)、弁護人が被告人の女性の胸を法衣で隠したりその法衣を外したりして、「このようなベスビオ山のような国宝を、終身刑にして塀の中に入れて我々の視界から消してしまうのか」、という論旨で男性裁判長も丸め込み、町の男性誰とでも寝ていた、義母と抜けたところのある夫を毒殺しようとして義母だけ死んだ被告人を無罪にする。
女性の本質的な美の礼賛を弁護士は訴え、傍聴人の婦人たちも味方に付ける。
被告人の女性に全く罪悪感がなく開き直っているようなところに毒婦という言葉を想起。
この人はもしかすると、何かであまりにもストレスを感じ、「壊れてしまった人」なのかも、と思った。
しかし演じたジーナ・ロロブリジーダ↓はただただ美しいだけで、つまりコメディになっていた。
★Wikipediaより★
フリュネ(プリュネ、フリネ[1]、古希: Φρύνη, Phryne)は、紀元前4世紀の古代ギリシアのヘタイラ。祭儀に対する不敬を理由に裁判にかけられたことで有名。
生涯
フリュネの本名はムネサレテ[1](ギリシャ語: Μνησαρέτη, ラテン文字転写: Mnesarete, 賛美された美徳という意味)であったが、顔色が黄色かったため、ヒキガエルを意味するフリュネと呼ばれていた[2]。これは他の高級遊女や売春婦にもしばしば付けられたあだ名であった[3]。彼女はボイオティアのテスピアイのエピクレスの娘であるが、アテーナイに住んでいた[4]。正確な生没年は不明であるが、紀元前371年頃生まれた。その年は、レウクトラの戦いから間を置かずに、テーバイがテスピアイを撃破し、住人を排除した年であった[5]。
名声
アテナイオスは、フリュネについて多くの逸話を残している。彼はフリュネの美しさを賛美し、エレウシスの秘儀とポセイドーンの祭儀が行われた際、彼女が髪を下ろし、衣服を脱いで海に入ったと伝えている。このことは、画家のアペレスの、有名な『海から上がるヴィーナス(アプロディーテー)』の製作意欲を掻き立てた。同様に彼女を愛した彫刻家のプラクシテレスは、古代ギリシアにおける、初の女性の裸体像[6]である『クニドスのアプロディーテー』のモデルに彼女を使ったとされる[4]。
アテナイオスによれば、プラクシテレスは、彼女のためにさらに二つの彫刻を制作した。テスピアイの神殿に奉納されたエロースの彫像と、デルフォイの神殿に奉納された、フリュネ自身を象った黄金の像である。その像は、アルキダモス3世とピリッポス2世の像の間に安置されていた。テーバイのクラテスがこの像を見た時に「ギリシアの放蕩を願う奉納品だ」と称した[4]。パウサニアスは、青銅で箔押しされた二つのアポローン像が彼女の像の隣に置かれていたと伝えている[7]。
アテナイオスは、フリュネが非常に裕福であり、紀元前336年にアレクサンドロス大王によって破壊されたテーバイの城壁の修復費用の寄付を申し出たことを伝えている。ただし、この申し出は、「アレクサンドロスにより破壊され、娼婦フリュネによって再建された」と城壁に刻むことを条件としていたため、テーバイ人によって拒否された[4]。
文学では、シャルル・ボードレールの詩『レスボス』と『美の女神』、ライナー・マリア・リルケの詩『フラミンゴ』が、フリュネの美と名声に霊感を受けて書かれた。
裁判
フリュネの人生において最も有名な出来事は裁判である。アテナイオスは、彼女が訴えられ、恋人の一人である雄弁家のヒュペレイデス(Hypereides)により弁護されたと伝えている[4]。アテナイオスはその起訴の理由について詳細を述べていないが、偽プルタルコス(en)が、不敬によるものであると書き残している[8]。
判決が不利になるかと見えた時、ヒュペレイデスが裁判官達の同情を得ようとフリュネの衣服を脱がせ、胸元を顕わにした。彼女の美しさが、神秘的な恐れとともに裁判官達の胸を打ち、彼らは「アプロディーテーの女預言者であり神官」に有罪の判決を下すことができなかった。彼らは、フリュネを可哀想に思い、無罪を言い渡したのである[4]。アテナイオスはまた、カッサンドレイアの喜劇詩人・ポセイディッポス(en)の『エペシア(エペソスの少女)』における、この裁判についての別の内容を語っている。彼は、フリュネが裁判官一人ひとりの手を取り、涙ながらに自身の生涯について弁護したとだけ語り、衣服については触れていない[4]。
Craig Cooperは、このポセイディッポスによる逸話こそが本物であり、フリュネは裁判の間、胸元を露にすることは無かったと主張している[9]。
その他の逸話
ある時、リディア王がフリュネを求めたが、フリュネは法外な金額を要求した。気に入らない相手だと思ったためである。しかし王はその金額を呑み、フリュネは王の希望に応えた。
反対に、哲学者のディオゲネスには無償でその身を与えた。ディオゲネスの精神を立派だと思ったからである。ディオゲネス・ラエルティオスは、フリュネが哲学者・クセノクラテスの美徳を確認しようとして失敗したと言っている[10]。
ギリシアの詩人・著作家のディミトリス・バロス(Dimitris Varos)は、『フリュネ』という本を書いた。★
★Wikipediaより★
In Olden Days(イタいぬ語:Altri tempi)は、アレッサンドロ・ブラセッティ監督
による1952年のイタリアのコメディドラマアンソロジー映画で、ジーナ・ロロブリジーダ、アメデオ・ナッツァーリ、ヴィットリオ・デ・シーカ、エリサ・チェガーニ、バーバラ・フロリアン、アルド・ファブリーツィ、アンドレア・チェッキ、アルバ・アルノーヴァなどのアンサンブルキャストが出演しています。[1] [2] ローマのチネチッタ・スタジオで撮影された。映画のセットは、アートディレクターのダリオ・チェッキとヴェニエロ・コラサンティによってデザインされました。「過ぎ去った時代」や「不貞」とも呼ばれています。
プロット
古書の荷車
古書の気さくな行商人が、客に過去の作品を見せたり、新聞販売店の乱暴な息子にイタズラされたりする。
エクセルシオールダンス
1881年1月11日、ミラノのスカラ座で初演された作曲家ロムアルド・マレンコによる世紀末の寓話的な舞踊「エクセルシオール舞踏会」の再現映像。
1日未満
二人の恋人は、偶発的な理由で、年に一度、ホテルの部屋で数時間会うことができますが、いくつかの喧嘩と嫉妬のために、彼らは彼らの関係を消費することができません。
サルデーニャのドラマー
オーストリアと戦った最初の独立戦争中、イタリアの司令部に重要なメッセージを伝えていた非常に若いドラマーが殴られ、足を失います(本「クオーレ」のエピソード)。
関心のある事柄
2人の農民が糞尿の奪い合いを繰り広げる。
牧歌
上流階級の家庭の2人の子供の間の優しい夏の牧歌。グイドは、甘いギリシャの少女フィリに与えられたキスのために、キスが子供を産んだ可能性があるかどうか疑問に思い、また、結婚せずに赤ちゃんを産んだ彼のメイドを心配します。夏が終わると、つらい別れがやってきます。
悪徳
トレーダーは、妻のビジネスパートナーとの浮気を発見します。家に帰ると、最初は何事もなかったふりをし、言い訳をしてメイドを追い出し、妻の許しを拒んだ後、子供たちを奪うと脅し、命を絶つように仕向けます。
歌のポプリ
幸せな求愛と結婚の物語は、子供の誕生によって活気づけられ、彼女が戻らないかもしれない戦争のために彼女の夫が出発することで終わりました。
タイトルが指す曲は、Lo specio me ga finger、Oh Trieste、oh blessed Trieste、Forbidden Music、Un peu d'amour、Le valse bleu、Baciami baciami、Santa Lucia、Tripoli bel suol d'amoreです。
フリュネの試練
ナポリ。平民が夫と義母を一緒に毒殺しようとした罪で裁判にかけられる。彼女の抑えきれない美しさのおかげで、職権で任命された弁護人は、状況を覆すために鼓舞された激しいハランゲで成功し、一般の人々と陪審員を被告人の側に引きずり込みます。
エドアルド・スカルフォリオの短編小説から入手し、エーテルのフリュネの古代の物語を参照し、ヴィットリオ・デ・シーカが庶民の繁栄の恵みの擁護者(ジーナ・ロロブリジーダが演じる)の役割で、実際に時代をマークし、1950年代から1960年代のほとんどを通じて広く使用される「増加した物理学」という用語を作り出したため、彼は何よりも有名であり続けました。映画の中でデ・シーカが演説中に発音した文章の中で、正確な言及は、「精神的な障害」というフレーズとは対照的に、「物理学の増加」です。
このエピソードのヴィットリオ・デ・シーカは、ジーナ・ロロブリジーダと一緒に初登場します。両方の俳優は、翌年、元帥と映画パン、愛とファンタジーでベルサリエラとして大きな人気をつかむ ルイジコメンチーニ監督。
イタリア映画の「法廷での裁判」のシーンは、先駆者から始まる必見のイベントであることに注意する必要があります。被告、起きろ!マリオ・マットーリ(1939年)とエルミニオ・マカリオ、サン・ジョヴァンニ、アムレート・パレルミ(1940年)とトトと共演し、この映画ではファンにとって基本的なシーンを見出す。裁判の後のシーンは、1984年に映画Mi fa causa(1984)のプラエトルとして、彼の父親が演じたこのシーンに明示的な敬意を払うクリスチャン・デ・シーカまで、ステファノVanzina Un giorno in magistrale(1953)とUn americano a Roma(1954)のデュオロジーでナンド・メリコーニ「ローマのアメリカ人」(アルベルト・ソルディ)の財産を作ります。
キャスト
Il carrettino dei libri vecchi
- アルド・ファブリツィ:古代の本の露天商。
- ピナ・レンツィ:新聞販売店
- エンツォ・スタイオラ:彼の息子
- ルイジチマラ:コンバーチブルの紳士
- マリサ・メルリーニ:コンバーチブルに乗った女性
- ガレアッツォ・ベンティ:彼女の恋人
- マリオ・リーヴァ:うるさい客
バッロ・エクセルシオール
- アルバ・アルノヴァ:その歩み
- カルロ・マッツォーネ・クレメンティ
- アンナ・マリア・ブリアリ:イタリア
- ミルザ・カパンナ:光
- アントニオ・アクア:科学
- ディノ・ラファエリ:アート
- フィリッポ・モルッチ:アレッサンドロ・ヴォルタ
Meno di un giorno
- アルバ・アルノヴァ:マティルデ
- アンドレア・チェッキ:カミッロ
- ゴンドラーノ・トゥルッキ:駅長
- ブルーノ・コレッリ:ウェイター
- ガブリエレ・ティンティ:列車の中の青年
- シルビオ・バゴリーニ:ガイド
イル・タンブリーノ・サルド
- エンツォ・セルシコ:イル・タンブリーノ
- ヴィットリオ・ヴェーザー:il capitano
- アッティリオ・トサト:il sergente
- グイド・チェラーノ:イル・テネンテ
- ウーゴ・サッソ:兵士
- イヴォンヌ・コッコ:修道女
- ピエトロ・トルディ:un infermiere
Questioni d'interesse
- Arnoldo Foà: il contadino
- Folco Lulli: l'altro contadino
- マリオマッツァ:イルcarabiniere
L'idillio
- マウリツィオ・ディ・ナルド:グイド
- ジェラルディーナParriniello:フィリ
- パオロ・ストッパ:グイドの父
- リナ・モレッリ:グイドの母親
- セルジオ・トファーノ:グイドの祖父
- ジョーン・モリノ:マッダレーナ
ラ・モルサ
- アメデオ・ナッツァーリ:アンドレア・ファッブリ
- エリサCegani:ジュリア、彼の妻
- ロルダーノ・ルピ:アントニオ・セラ、彼女の恋人
- ゴリアルダ・サピエンツァ:アンナ、ラ・ドメスティカ
カンツォーニのポプリ
- バーバラ・フロリアン:花嫁
- エリオパンドルフィ:LO sposo
- アマリア・ペッレグリーニ:祖母
- オスカー・アンドリアーニ:父
- エレナ・アルティエリ:マッジョーレのモリエ
- ジャン・アルド・ベットーニ:イル・マッジョーレ
Il processo di Frine
- ジーナLollobrigida:マリアアントニアデジデリオ
- ヴィットリオ・デ・シーカ:l'avvocato difensore
- Arturo Bragaglia: il pubblico ministero
- ジョヴァンニ・グラッソ・ジュニア:法廷の大統領
- トゥーリ・パンドルフィーニ:プリモ・カンペリエーレ
- アルマンドAnnuale:secondo cancelliere
- ヴィットリオ・カプリオーリ:イル・ファルマシスタ
- ダンテ・マッジョ:un testimone
- ウンベルト・サクリパンテ
- リアナ・デル・バルツォ
- アルベルト・タレアリ
- アルフレド・リッツォ
- アルベルト・ソレンティーノ
脚注
- ^ Carlo Celli, Marga Cottino-Jones (2007年1月9日).イタリア映画の新しいガイド。パルグレイブ・マクミラン、2007年。ISBNコード978-1403975652。
- ^ ディブリエントp.7
参考文献
- ディフリエント、デビッドスコット。オムニバス映画:トランスオーシャリアルシネマの理論化。エジンバラ大学出版局、2014年。★