『金持を追放せよ Abbasso la ricchezza!／Peddlin' in Society』1946年
果物屋で成功した女性が成り上って屋敷を借り、その持ち主の金のない伯爵を地下に住まわせ、上流階級の一員になれたと浮かれている間に騙されて安物の指輪や絵を高値で買わされ、投資した海難保険会社が倒産し、盗人との関係で刑務所入りになりそうなところ伯爵が取りなしてくれたために無罪となり、妹が金持の米兵と結婚しそう、と思ったらその米兵が金持というのも嘘で、屋敷の使用人女性がその米兵の子を妊娠していて2人は結婚するためカリフォルニアへ。
妹は、自分と結婚したいとずっと思ってくれていた誠実な男性（姉の果物店の従業員として働いていた）と一緒に働くことになり、姉は果物屋に戻り、トラックではなく台車からという身分に転落。
周囲は「３日シンデレラ」を嘲笑、しかしどこかほっとして受け容れる。
伯爵は、引越してその先で仕事を始めるために姉に挨拶にくる。
このときに2人は恋人同士のようないいムード。
しかし伯爵とお別れした姉。
失恋気分で涙ながらに歌を歌いながら、小さな家の台所で皿を洗うのだった。
でジエンド。
成り上って伯爵の屋敷を借り、伯爵を地下に住まわせ貴族気取りでうっとりの、姉ジョコンダ（右）と、ジョコンダの妹の婚約者の米兵の子を身籠り結婚のために米国へ行くことになる使用人。
着飾るジョコンダ（真ん中）と、伯爵（右）。
金持生活破綻（投資していた海難保険会社の倒産による破産）がわかった瞬間のジョコンダと使用人。このときのジョコンダが一番色気があり、魅力的だった。人は人生を懸けた全部を失うとき、カタルシスとして美を帯びるのかもしれない。
金持生活の魔法が解ける寸前のジョコンダと、伯爵。伯爵は指輪も絵も偽物と見抜き、のちにジョコンダの果物屋の家に最後の挨拶に来た際に「ここはいい、本物がある」と言いジョコンダの虚飾がはがれたことを喜ぶ。伯爵はジョコンダの型破りな野心や突破力を頼もしく楽しむように、父のようなまなざしで見ていて、その包容力にジョコンダは救われ、実は愛してしまっていたのだった。
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逆シンデレラ？という感じもした。
途中までところどころ、『プリティ・ウーマン』を想起。
女性が既成常識をぶっ飛ばす爽快感があった、今から34年前公開の映画。
ひょんなことから知り合った実業家と売春婦が、互いに惹かれ合い自尊心を高め合ってゆくシンデレラストーリー。
★Wikipediaより★
社会で行商するか、富でダウン! (イタリア語:アッバッソ・ラ・リッケッツァ!)は、
ジェンナーロ・リゲッリ監督による
同じ監督による1945年の映画『Down with Misery』の緩やかな続編であり、
マニャーニも主演した。
キャスト
- アンナ・マニャーニ - ジョコンダ・ペルフェッティ
- ヴィットリオ・デ・シーカ(イル・コンテ・ギラニ役)
- ヴィルジリオ・リエント(ドン・ニコラ役
- ローラ・ゴア(アンナ役
- ゾラ・ピアッツァ:ルチア・ペルフェッティ
- ジョン・ガーソン(ラッキー・ブランディ役
- ラウロ・ガッツォーロ(コメンダー・バルダコ役
- ジュゼッペ・ポレッリ(ボニファツィオ役
- ヴィットリオ・モッティーニ(ニーノ役
- ガレアッツォ・ベンティ(ロロ・ディ・トレティア役
- ヴィト・アニキアリコ(リトル・トランキージョ役
- ドメニコ・ガンビーノ(トランキージョの叔父役
- 八百屋役のチェッコ・デュランテ
- アニタ・デュランテ(カテリーナ役
- ディナ・ロマーノ(メンドーサ侯爵夫人役
- コミッショナーとしてのエンリコ・グロリ
- エッダ・ソリゴ(ゼフィラ役
- マリア・グラツィア・フランシア
脚注
- ^ ロベルト・キティ;ロベルト・ポッピ;エンリコ・ランチア。Dizionario del cinema italiano: 私は映画を撮る。Gremese 1991年。ISBN 8876055487。
- ^ パオロ・メレゲッティ。イル・メレゲッティ。BCダライEditore、2010年。ISBN 8860736269。
参考文献
- バーク、フランク。イタリア映画のコンパニオン。ジョン・ワイリー&サンズ、2017年。★