『絆 Catene/Chains』1949年
結婚する前婚約していた男エミリオと偶然再会したローザ。エミリオは盗人をしていたが、ローザと再会して足を洗う。
エミリオはローザとよりを戻そうとするが、ローザは夫、息子、娘、義母との生活を守りたく、拒否。
夫、ローザ、娘
しかしエミリオはしつこい。
偶然会ったのは、エミリオが盗んだ車をローザの夫グリエルモの修理工場に出したからだが、足を洗ったエミリオはローザに近づくべく、グリエルモの土地の再開発の共同事業者として大胆にも家庭に入ってくる。
エミリオが「奥さん、初めまして」と挨拶すると、ローザは困惑顔で合わせる。
パーティーでローザの隣に座ったエミリオがテーブルの下で強く手を握ると、ちょうど2人の思い出の曲が流れてきて、ローザは拒否できずに握られたままにしている。それを運悪く後ろから息子が見ていて、ママを取られてしまうという直感が働き、以後ママを監視することになる。その監視を突破し、ママローザはエミリオに会いに行く。
ここまではまだ序章。ローザは母・妻・女の間で揺れ、混乱してパニックになる。
エミリオとローザ
回想シーンでのエミリオとローザ
義母に指さされるローザ
その後エミリオが海外に行くとなり(車の盗難は部下の仕業にして自分はスルー)、一緒に行こう、行かないと旦那に言うぞと脅されたローザは、2度とうちに関わらないでと言うために指定されたホテルへ行く。
そこでローザが「うちの家庭を壊すと言うならあなたを殺す」とエミリオの銃をエミリオに向け、はっと我に返って銃を置いたところで息子と娘の証言により引き出しの中の手紙を読み2人の関係に気づいてホテルに来たグリエルモがドアを開けると、2人が寄り添っているように見え、グリエルモは妻ローザに「汚らわしい、触るな!」と言いドアの外にローザを出し、ドアを閉めたあとでエミリオを射殺してしまう。
左から、エミリオ、グリエルモ、ローザ
ホテルの窓から逃げたグリエルモは、ローザ以外の家族に別れを告げ、偽造パスポートで船でアメリカへ逃げる。
しかし警察がグリエルモをパスポートなしでアメリカに入国したとして逮捕。
グリエルモはイタリアに戻らされ、裁判にかけられることに。
裁判の前にグリエルモの弁護士から「彼は懲役30年だ」と言われたローザ、これまでの真実を告げると、「奥さんが潔白だからこそ懲役30年と罪が重いのだ。もし奧さんが被害者の愛人だったら、グリエルモは正当防衛で無罪になれた」と弁護士。
はっと思い付いたローザは、裁判で「自分は結婚した直後からエミリオと愛人関係にあった」と嘘の証言をする。グリエルモはショックを受ける。
その証言を使って弁護士がグリエルモを弁護し、彼に無罪判決が出た。
その直後ローザは気を失って倒れる。
その後弁護士が本当のことをグリエルモに言うと、グリエルモははっとしてローザを迎えに行き、ベッドのローザに「話は全部聞いたよ」とキス、一緒に帰宅し、五人家族は抱き合った、でジエンド。
承認欲求(私は潔白です)を自己犠牲(嘘をついて四面楚歌になっても夫を無罪にしたい)で超えるのが、愛なのだろうと思った。
この作品はネオレアリズモ(ニューリアリズム)ではなく、ロマン主義のメロドラマなのだろう。
『クレイマー、クレイマー』や『マディソン郡の橋』や『恋におちて』を彷彿させるシーンもあり、非常に面白かった。
★Wikipediaより★
『カテネ』(国際的には『チェインズ』として公開)は、ラファエロ・マタラッツォ監督
による1949年のイタリアのメロドラマ映画である。この映画は、当時のイタリア人の8人に1人、600万人が視聴し[1]、マタラッツォが監督し、アメデオ・ナッツァーリとイヴォンヌ・サンソンのカップルをフィーチャーした6本の映画が成功した。[2][3]この映画は1974年にリメイクされた。
映画のセットは、アートディレクターのオッタビオ・スコッティによってデザインされました。この映画はシネマパラディーゾで特集されています。2008年、この映画はイタリア文化遺産省の「1942年から1978年の間に国の集合的記憶を変えた」100本の映画のリストである「保存すべきイタリア映画100本」に選ばれた。(注4)
プロットとアウトライン
夫は、彼女を恐喝していた妻の元カレを殺害します。彼はアメリカに逃亡するが、裁判を受けるためにイタリアに送り返される。彼が解放される唯一の方法は、妻が姦淫を告白することであり、殺人は情熱の犯罪と見なすことができますが、これは彼女を家族から遠ざけます。主演はアメデオ・ナッツァーリ、ギリシャ出身の女優イヴォンヌ・サンソン。ネオレアリズモの教訓に従わなかったため、批評家から中傷されたが[3]、これは予想外の興行的成功を妨げることはなかった。
キャスト
- アメデオ・ナッツァーリ:グリエルモ
- イヴォンヌ・サンソン:ローザ
- アルド・ニコデミ:エミリオ
- テレサ・フランキーニ:アンナ・アニエロ、グリエルモの母
- アルド・シルバニ:検察官
- ロベルト・ムローロ:移民
- ジャンフランコ・マガロッティ(トニーノ・アニエロ役
- ロザリア・ランダッツォ - アンジェラ・アニエロ
- ニーノ・マルケジーニ(L'avvocato difensore)
- リリー・マルキ
- アマリア・ペッレグリーニ
- ジュリオ・トマシーニ
脚注
- ^ ロッセラ・リッコボノ(2011)。余白の詩学:隙間からヨーロッパをマッピングする。ピーター・ラング、2010年。ISBNコード978-3034301589。
- ^ ジーノ・モリテルノ(2009)。イタリア映画のAからZまで。かかしプレス、2009年。ISBNコード978-0810868960。
- ^ b Dave Kehr "The Italian Potboiler's Master Chef", New York Times, 2011年6月24日
- ^ 「Ecco i cento film italiani da salvare Corriere della Sera」。www.corriere.it。2021年3月11日閲覧。★