入梅June
NHKラジオ深夜便のインタビューコーナーで村上里和さんが朗読されていた、『だいじょうぶだよ、ゾウさん』。一部なのだが、非常に沁みた。
この絵本が、愛する人のあの世への旅立ちを見届けねばならぬ立場の人に同期し、慰めとなった。
ノンフィクション作家柳田邦男さんは、絵本についての活動もなさっている。この賞を通し、柳田さんは今回の対談相手と知り合うことになった。柳田さんは『だいじょうぶだよ、ゾウさん』の訳者でもある。
柳田邦男絵本大賞 - 荒川区立図書館 (city.arakawa.tokyo.jp)
「心が成長するとはどういうことか」「悲しみと向き合ったネズミくんに拍手!」。命・死について考える絵本。
吊り橋=三途の川なのだろうと思った。
『だいじょうぶだよ、ゾウさん』の作者ローレンス・ブルギニョンさんの他作品。
国本はる乃さんの、「水戸黄門漫遊記・孝子の訴人」。
シリアスな一休さんという感じ。
立札に「代官の種馬が盗まれた。犯人を特定して訴え出た者には望みの褒美を与える」との告知が出た。
それを読んだよもきち、貧乏百姓である父のよもさくが種馬を盗んだところを目撃して「誰にも言うな」と言われていたことを思い出し、訴え出た。
代官に呼び出されたよもさく、訴え出たのが自分の息子と知るとびっくり。
よもさくは、代官に「私の種馬をいくらで売った」と訊かれ、「十両二分です。それで亡き父の葬式がしとうございました」。「私の聞き間違いではないのか?九両二分ではないのか?」に「間違いございません。十両二分です」。「十両以上の盗みは打首じゃぞ」にはっとなるよもさく。しかし時すでに遅し。
するとよもきちが、「御代官さま!お約束の訴人への御褒美をください!」。「いくら金が欲しい」「いえ、金ではございません。よもさくを頂きとうございます」「何?死ぬと決まった父親が欲しいと?金を所望せよ」「立札には、『訴え出た者には望みの褒美を与える』とありました。『訴え出た者には種馬泥棒以外の褒美を与える』とは書いてありませんでした」。
孝行息子に感じ入った代官、自分の不手際を武士の恥と思い、切腹をしようと刀を出した。
するとそこへ天下の副将軍水戸黄門こと水戸光圀公が現れ、よもさくに「盗んだ金で弔いとは故人も浮かばれないだろう」と諭し、代官へは「切腹ではなく一服せよ」と言い刀を収めさせ、一件落着、というお話。
国本はる乃さんのお声が伸びやかで切れが良く、三味線も合いの手も話に合っていて素晴らしかった。
一休さんこと一休禅師が88歳で亡くなるまでの晩年を過ごしたお寺、京都府京田辺市にある臨済宗大徳寺派の一休寺。
「この屏風の中の虎が夜中に出て来て悪さをする。捕まえてくれぬか」と頓智で有名な一休を呼び出した殿様に言われ、「はい捕まえます。では殿様、まずその虎を屏風から追い出してください」と障壁をブレイクスルーした一休さん。ここは殿様という人にだから通用したのだろう。子供に「ではまず」と見本を提示してくれと言われ、大人で殿様の立場の人は、しない訳にはいかないとなる。
アニメという言葉が人口に膾炙するまでは「テレビまんが」だったのかなと思った。
金持ちの桔梗屋さんに呼ばれお膳を出され、「蓋を取らずに召し上がってください」と言われた一休さん。さては頓智試しか、と御飯の椀の蓋を取らず、逆さにして、蓋を椀代わりにして食べ始めた。そう来たか、確かに蓋は取っていない、こりゃ一本取られた、と桔梗屋さん。しかし汁物はそうはいくまい、逆さにしたらこぼれるからな、と今度は汁物について見ていると、一休さんは汁物の椀を持ち上げ、桔梗屋さんに「御飯を食べている間に冷めてしまったので、蓋を取らずに温め直してもらえますか?」。そう来たか、こりゃ一本取られた、と桔梗屋さんは温め直し、「どうぞ蓋を取ってお召し上がりください」。
桔梗屋さんはこうして一休さんとコミュニケーションを取りたかったのだろう。
桔梗屋さんと殿様
八百長でミスる(笑)「100+100+100+100=140」「
リタくん凄く喋れてる
お知らせ
わたしが文を書きました、福音館書店こどものとも 5月号の
「ステッドのホテル STED , A KANGAROO HOTELIER」、発売中です
絵本をお手にされた方は、見るとハッピーになる嶽(だけ)まいこさんの絵を、どうぞ隅々までお楽しみになってくださいませ
カンガルーのステッドは、丘の上の小さなホテルで働いています。ホテルの仕事は、毎日がハプニングの連続。今日も、屋上で干していたシーツが風に飛ばされそうになったり、夕食の時間に停電になってしまったり……。次々と起こるトラブルをステッドが華麗に解決していきます。なんでもこなせるステッドの仕事ぶりを軽快に描きます。
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ステッドのホテル (こどものとも2024年5月号) | くら ささら, 嶽 まいこ |本 | 通販 | Amazon
絵本を手に取られた方は、嶽(だけ)まいこさんのレンブラントのような光と影の表現を、どうぞご堪能なさってくださいませ
嶽 まいこ / Maiko Dake (dakemaiko.com)
嶽 まいこ/ Maiko Dake (@mk_dake) / X (twitter.com)
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家族みんなでレストランに来ました。注文したのは、ハンバーグ、ナポリタン、ミックスピザに、特製デザート! クックククック、さあ作ろう! シェフたちが自慢の腕をふるって、ごちそうを作ります。つぎつぎと料理ができあがっていく過程を、弾むような言葉と踊るような絵で、美味しく楽しく描いた作品です。
【4~5才向け】こどものとも年中向き|月刊誌のご案内|福音館書店 (fukuinkan.co.jp)
福音館書店(ふくいんかんしょてん) (fukuinkan.co.jp)
心のこもった温かく素晴らしい絵を描いてくださったのは、優しい天才イラストレーター、嶽(だけ)まいこ さんです
お手にされた方は、嶽さんが描くおいしそう過ぎる絵を、どうぞ隅々までお楽しみになってくださいませ
嶽 まいこ / Maiko Dake (dakemaiko.com)
嶽 まいこ / Maiko Dake (@mk_dake) / X (twitter.com)
閉じ込み付録「絵本のたのしみ作者のことば」には、
「ワクワク クックク レストラン」と題して、
この絵本が生まれるもととなった、こどもの頃の思い出を書いております
プロフィール絵は、わたし作・ぶたさんシェフです
どうぞよろしくお願いいたします(=^・・^=)
閉じ込み付録の「おたよりのへや」では、読者の方から『ひゃくえんだま どこへゆく?』の感想をいただいております。
どうもありがとうございます
ひゃくえんだま どこへゆく?|福音館書店 (fukuinkan.co.jp)
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7月号
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くらささら名義の他作品🐪「ひみつのえんそくきんいろのさばく」🐪
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以下、九螺ささら名義の著書です