『この空は君のもの Le Ciel est à vous』1944年
この新記録に挑戦する人は他にもいて、本命視されているその女性は既に人気者で、機体も最先端のもの。それを知り夫婦は駄目かも、と気落ちする。
その落ち込みをなしにしようと、夫ピエールは「最愛の妻を守りたい夫は、妻を飛行機に乗せて新記録に挑戦などさせないだろう?地中海に墜落して発見されないかもしれないし、砂漠に落ちて水がなく餓死するかもしれないんだ!挑戦する前に気づいて良かった。」と言い妻テレーズを抱き締める。するとテレーズも「そうよ。あなたや娘や息子や母を残して死ぬなんてありえない」と言う。この家の娘はピアニストを目指したいが、両親は夢などという不安定なことに時間やお金をかけずに薬剤師になるための学校へ行けと言う。しかしピアノの先生は娘の才能を大事にし、ピアノを続けさせてあげてほしいと言う。先生は夫婦の娘に、「この小さな町には夢が必要だ」と言う。娘はこの言葉を、夢を断念しようとしていた夫婦に言う。
新記録の夢を諦めようと言い合った夫婦だったが、そこへ、本命視されていた女性が新記録を打ち立てたというニュースが入る。
それまでの飛行記録は4023㎞、新記録は4124㎞。ここで妻テレーズが、「私達だったら4800㎞行けたわ」と悔しがる。ピエールも「うちの飛行機ならやったさ」と残念に思う。テレーズが「やっぱり諦められない。飛びたい」と言うと、夫は離陸の申請に行く。
しかし、離陸したテレーズから無線連絡が入らない。管制官の職員は「気の毒に」「あんな日曜大工みたいな飛行機じゃ」と、ピエールに聞こえないように言い合う。ピエールも妻の死を確信。義母は「私のテレーズはどこ?飛行場のためになんか立ち退かなきゃよかった。あれが全ての元凶だよ」と言い放つ。
朝から何度も嫌がらせの電話もかかってきていて、なんだか窓の外も騒然としてきて、すわ暴動か、とピエールも息子も怯える。
この伏線として、女性であるテレーズが飛行機に乗るということを、小さな町の「偉い」男性たちが「女性は家で家事と育児をしているべきで、テレーズがそんなことをすると悪しき先例になり秩序が乱れる」と非難していた。
(既に記録を打ち立てた女性も新記録樹立の本命視されている女性もこの町の人ではない「都会の人」なのだろう、と思った。)
しかしそれは、テレーズが新記録4828㎞を打ち立てたことを知り興奮して家にやって来た町の人たちの声だったのだ。
テレーズが飛行機で戻ってくると、彼女を囲む祝賀会が開かれた。ピエールは飛行クラブの会長の死去を受け、新会長に就任。あんなにピエールや飛行機を罵っていたテレーズの母も、「あの子はあたしに似て出来がいいから、絶対やると思ってたよ」と上機嫌。
というお話。実話に基づいているらしい。
映画冒頭の字幕によると、この映画はドイツ占領下のフランスで製作されたのらしい。
原題のフランス語『Le Ciel est à vous』を英訳すると、『The Sky is Yours』で、この和訳がそのまま邦題の『この空は君のもの』。
英題は『The Woman Who Dared』で、この直訳は、『勇気ある女性』。
夫ピエール役のシャルル・ヴァネルが、「機械が好きでたまらない町工場のお父さん」という感じをリアルに出していてとても良かった。
★Wikipediaより★
『空は君のもの』()は、ジャン・グレミヨン監督による1944年のフランスのドラマ映画です。
これは、アンドレ・デュペイロンの物語と、1938年にアンドレ・デュペイロンが樹立した航空記録に触発されています。
あらすじ
映画は、飛行場を建設するプロジェクトのために没収されたゴーティエ家の動きから始まります。ガレージのオーナーであるピエールと妻のテレーズは、2人の子供と気難しい義母を連れてこの街に引っ越しました。楽観的で寛大な性格のガレージオーナーは、サービスを拒否する方法を知りません。そこで彼は、飛行場の落成式でリュシエンヌ・イヴリーの飛行機を修理したり(ギヌメールの元整備士だと自己紹介したり)、真夜中に妻にリモージュに来て働いてくれと申し出た実業家の車を修理したりした。彼女はそれを受け入れ、数ヶ月間家を離れ、その間にピエールは航空への情熱を取り戻しました。帰国後、彼女はそのような活動のリスクに腹を立てながらも、挑戦として参加することを受け入れ、情熱に打ちのめされる1.数か月で熟練した飛行士になった彼女は、カップを積み上げ、すぐにピエールが用意した航空機で直線距離の記録を破りたいと考えました。彼が去った後、彼女は行方不明になったと報告され、誰もが彼女をこの危険な冒険に引きずり込んだと夫を非難します。しかし、彼女はついに記録を破り、歓喜に沸く村に意気揚々と戻ってきました。
テクニカルシート
- タイトル: The Sky Is Yours
- 監督:ジャングレミヨン
- 脚本:アルバートヴァレンティン
- 脚色:チャールズ・スパーク
- 対談:チャールズ・スパーク
- 撮影:ロジャー・アリニョン、ルイス・ペイジ
- 音楽:ローランド・マニュエル
- 編集:ルイエット・オートクール
- 制作会社: Les Films Raoul Ploquin
- プロダクション・マネージャー:ラウル・プロキン
- 撮影:パリ・ル・ブルジェ空港、リヨン・ブロン空港(旧リヨン飛行場)
- 国籍: フランス
- フォーマット:白黒 - 1.37:1 - 35 mm - モノラルサウンド
- ジャンル:ドラマ
- 所要時間:105分
- リリース日:
分布
- マドレーヌ・ルノー:テレーズ・ゴーティエ1
- シャルル・ヴァネル - ピエール・ゴーティエ1
- Jean Debucourt : Larcher, the piano teacher (ジャン・ドゥビュクール:ラルシェ、ピアノ教師)
- レイモンド・ヴェルネイ(気難しい義母のマダム・ブリサール役
- Anne-Marie Labaye : ジャクリーヌ・ゴーティエ、ピエールとテレーズの娘
- ミシェル・フランソワ:クロード・ゴーティエ、ピエールとテレーズの息子
- Albert Rémy : バーテンダーのマルセル
- レオンス・コルヌは、飛行クラブの会長であるモーレット博士を演じています
- アンヌ・ヴァンデーヌ:リュシエンヌ・イヴリー
- ロベール・ル・フォート:ロベール
- ポール・デマンジュ : スモール
- Jacques Beauvais : オテルの支配人
- フェルナン・ブロット(Fernand Blot)が副会長に就任
- マリウス・デイヴィッド:プレゼンテーションのゲスト
- ヘンリー・ホーリー(Henry Houry)が取締役に就任
- メカニックとしてのベルナール・ラジャリッジ
- レポーターとしてのマルセル・ラポルト
- ピエール・ルプルー:カミーユ
- ラウル・マルコ:ムッシュ・ノブレ
- ガストン・モーガー:モーレット博士の後継者
- ジョルジュ・セリエ 市議会議員として
- ルネ・ソレル(隣人役
- ロジャー・ヴィンセント:プレゼンテーションのゲスト
- ジョルジュ・アミネル : 電信技師2
引用
「物事が情熱に向かえば、それは良いことよりも悪いことの方が多い。
「ゴーティエ、本当にそう思っているのか?」»
ゴーティエと医師の対話。
映画について
- この映画はにかけて撮影されました。ル・ブルジェの飛行場は、
- 1943年8月16日の爆撃の前に、映画のいくつかのショットに使用されました。他の「航空」シーンは、ブロン飛行場(リヨン)で撮影されました。
- 映画の修復版の公開は、2021年9月末から10月初旬に行われます1,3
- 映画の冒頭でシャルル・ヴァネルが乗っている機体(女性パイロットの飛行機)は、第二次世界大戦のドイツの偵察機、フィーゼラーFi156シュトルヒです。フランス占領中、モラーヌ・ソルニエ社は1942年からライセンス供与を受けてシュトルヒを3つのバージョンで製造したが、その主なエンジンは異なっていた。
MS.500は「クリケット」の愛称で呼ばれ、フランスでArgus 410 Cという名前で生産されたArgus As 10 C-3エンジンを搭載しています。 ルノー6Qエンジンを搭載したMS.501。 MS.502、240馬力のサルムソン9ABbエンジンを搭載。
サウンドトラック
グレミヨン(彼自身も音楽家であり作曲家)は、映画のサウンドスケープに注意を払ったことで知られていました。女性の解放を讃えるこの映画では、映画の冒頭で披露される孤児たちの合唱で、昔から歌われている哀歌「Sur le pont du Nord」(両親に背いた少女アデルの悲しい運命を描いたもの)を歌っている4近くの遊び場で、ピエールは村全体から中傷され、気難しい義母を筆頭に、テレーズを無線機なしで危険な長距離記録に出発させたことで非難されます。
批判
この映画は、公開当時は協力的だったヴィシー政権のマスコミから、そしてフランス解放後の左翼映画クラブから、2度にわたって好評を博した1,5.★
★この空は君のもの (このそらはきみのもの、仏題: Le Ciel est à vous) (英語: The Sky is Yours 英題:The Woman Who Dared)は 1944年のフランス映画。監督はジャン・グレミヨン。主演マドレーヌ・ルノー、シャルル・ヴァネル。[1]
2019年のカンヌ国際映画祭のカンヌクラシックスでレストア版が公開された[2]。
キャスト
- テレーズ:マドレーヌ・ルノー
- ピエール:シャルル・ヴァネル★