『ビキニの裸女Manina la Fille Sans Voile』1952年
原題(フランス語)は『Manina la Fille Sans Voile』(マニーナ、ベールのない少女)、アメリカでは『Manina, the Girl in the Bikini』(マニーナ、ビキニの少女)、イギリスでは『Manina, the Lighthouse Keeper's Daughter』(マニーナ、灯台守の娘)、日本では『ビキニの裸女』。
タイトルにお国柄が出ていると思った。日本人としては恥ずかしい。少女を演じる「ブリジット・バルドーが裸」で客寄せをしていたのかと思った。映画の中でブリジット・バルドーは裸にはならない。ほとんど裸であるビキニではあるが。このほとんど裸であるビキニというのが、当時の日本にとってはセンセーショナルだったのだろうことは想像に難くないが。しかも「ビキニの裸女」とは、「下着の裸女」とか「ワンピースの裸女」とか「着物の裸女」同様、矛盾していて変だと感じる。しかしキャッチ―といえば言える。もしかして、ビキニが地名として捉えられていたのかも、と思ったが、いややっぱり違うだろう、と思い直した。
パリ出身の25歳の法学部の学生ジェラールは、大学の考古学の講義で、コルシカ島沖で沈没したフェニキア船の残骸に、ペロポネソス戦争後にトロリウスが失った財宝が含まれていることを知る。ジェラールははっとなり、自分が五年前の休暇でそこでダイビングをした際に見つけた壺を、教授に見せる。すると教授は、この壺は正にその時代のものだ、と言う。この辺りはインディ・ジョーンズっぽいと思った。
ジェラールはその時点でもう自分がその財宝を手にした気分になり、家賃滞納ゆえ催促に来た大家さんに、「家賃を払うくらいなら、この家全部を買うよ」などと大口を叩く。
ジェラールは、酒場で喧嘩をして同じ房に拘留された煙草の密輸業の男に、財宝探しの資金を出してくれないかと言う。すると男は自分もその財宝を欲しいと思い、一緒に行こうとなった。
船でコルシカ島に行くと、前回の休暇の際に知り合ったマニーナが18歳になって美しくなっている。
マニーナ
マニーナは灯台守の娘で、両親と共に灯台に住み、島にある海軍兵のお墓の墓守をしている。
左がマニーナ。右がマニーナの母親
ジェラールとマニーナはすぐに恋人同士になるが、ジェラールはそれを船長である男に内緒にしている。
しかしマニーナに惚れた船長は、ジェラールが夜に船を抜け出しマニーナと密会していることを突き止めて咎める。
船長がマニーナにそっと接近して、岩で寝ていたマニーナにキスすると、マニーナはそれがジェラールでないと分かって逃げる。そのことで船長は怒り、自分たちは金のないジェラールがマニーナに再会するためにホラ話を聞かされ、ジェラールの送迎をさせられたのか、と疑い憤慨する。
しかしある日潜水したジェラールは、フェニキアの貨幣の詰まった壺をたくさん見つける。大学の教授はこの貨幣が今の価値に換算して物凄い額になると言っていたのだ。
左が船長、右がジェラール
船に上がって壺の発見を報告すると、船長は「壺に網だけかけて、明日引き上げよう、その方がワクワクする」と言う。
明日まで待てないと言うジェラールに、お楽しみは先延ばしにして熟成させるに限るさ、と船長。
財宝のことが気になりまんじりともできないジェラールは、ベッドを出てマニーナに会いに行き、実は息苦しい生活を送っているマニーナに「財宝が引き上げられたら僕は大金持ちだ。その金で一緒にこの島を出よう」とキスしていると、エンジン音がして、見ると壺にかけた網を引いた船が進み始めている。
船長は、毎晩同じ時間にジェラールがこっそり船を抜け出してマニーナと逢引していることを利用し、その時間まで起きていて、ジェラールが出ていってすぐに出航の命令を出したのだ。
ジェラールが慌てて岩から飛び込み泳いで追うも、追いつかず、戻ろうとしたジェラールは、溺れて気を失う。マニーナが灯台に走ってそのことを両親に告げると、お父さんは「今灯台に港湾警察から連絡があって、その船は沈没して、船員だけ助かり船長は船と共に沈み死亡した」とのこと。
意識を取り戻してベッドでその話を聞いたジェラールは、「良かった。財宝を横取りされたのなら忍び難かったけれど」と言う。
回復したジェラールとマニーナが岩の上に立ち、マニーナがジェラールからもらっていたフェニキアの壺に挟まっていた貨幣一枚を海に投げると、「マニーナ、きみは正しい。これで財宝は僕が見た夢になったんだ」でジエンド。
この設定やラストはジブリっぽいとも思った。
マニーナを演じたブリジット・バルドーの清純な色気が美しかった。
海と主人公女性の名の音の近さから『マレーナ』を想起。
★英語版Wikipediaの翻訳より★
Manina, la fille sans voiles (アメリカでは『Manina, the Girl in the Bikini』、イギリスでは『Manina, the Lighthouse Keeper's Daughter』として公開)は、ウィリー・ロジエ監督、ブリジット・バルドー、ジャン・フランソワ・カルヴェ、ハワード・ヴァーノン主演の1952年のフランス映画です.この映画は、17歳でバルドーの最初の映画の役割の1つであり、ビキニが映画に登場した最初の機会の1つであり、ビキニがまだ広く控えめであると考えられていたときに、若いバルドーが映画で着用した貧弱なビキニのために物議を醸しました。
フランスでは1952年に『Manina, la fille sans voiles』として公開されたが、アメリカでは1958年に『Manina, the Girl in the Bikini』として、イギリスでは1959年に『The Lighthouse-Keeper's Daughter』として公開された。他の国では、他の名前でリリースされました。この映画は、ヘイズ・コードがミッドリフを外国映画として公開することを禁じていたにもかかわらず、アメリカで上映することができた。
この映画は1952年の夏にカンヌ、ニース、パリで撮影されました。ブリジット・バルドーの父親は、未成年の娘のために、わいせつな映像を上映しないことを明記した契約書に署名していた。撮影の過程で、娘の「非常に示唆に富む」一連の写真が公開されたとき、彼は製作会社が契約を尊重していないと非難し、裁判所の許可なしに映画を映し出さないよう要求した。彼は訴訟に敗れた。(注2)
プロット
25歳のパリの学生、ジェラール・モレ(カルヴェ)は、ペロポネソス戦争後にトロイラスが海で失った財宝についての講義を聞いています。ジェラールは、5年前にコルシカ島のレヴェッツィ島の近くでダイビングをした際に発見したおかげで、その場所を知っていると考えています。彼は友人と宿屋の主人に夢に投資してもらい、タンジールに連れて行き、そこでタバコの密輸業者であるエリック(ヴァーノン)を説得して、エリックのボートで島に連れて行きます。
そこには、美しく清らかな灯台守の娘、18歳のマニナ(バルドー)がいた。マニナとジェラールは恋に落ちる。エリックはジェラールが自分を騙したのではないかと考えるが、ジェラールは財宝を信じているため、忍耐を強いられる。ジェラールは昼間はダイビングをし、夜はマニーナとロマンスを交わす。ジェラールは財宝を見つけるが、エリックはジェラールを裏切り、財宝を持ち逃げする。しかし、エリックのボートは嵐で難破し、沈没してしまいます。映画はマニナとジェラールが抱き合うところで終わる。
キャスト
- ジャンフランソワカルヴェ...ジェラール・モレール
- ブリジットバルドー...マニナ
- ハワードバーノン...エリック
- ヘンリーDjanik ...マルセル(H.ジャニク役)
- エスパニータコルテス...ラ・フランチュチャ
- レイモンドコーディ...バーテンダーのフランシス
- ポーレットAndrieux ...(ポーレット・アンドリュー役)
- ジャン・ドローズ...ジェラールの相棒(ドロゼ役)
- ナディーン・タリエ...マチルダ(N.タリエ役)
- モーリス・ベナール...(ベナール役)★
★フランス語版Wikipediaの翻訳より★
マニナ...ベールのない少女は、ウィリー・ロジエ監督、ブリジット・バルドーとジャン・フランソワ・カルヴェ主演の1953年のフランスのドラマ映画です。
あらすじ
パリ出身の25歳の学生ジェラール・モレールは、考古学の会議で、コルシカ島沖で沈没したフェニキア船の残骸に、ペロポネソス戦争後にトロリウスが失った財宝が含まれていることを知ります。彼はアンフォラの破片を発見したおかげで、アパートの場所を知っていると思っていました15年前、ラベッツィ諸島の1つの近くでスキューバダイビングをしていたとき。彼は友人と宿屋の主人を説得し、宝物を取り戻すという彼の夢を叶えるために投資する。彼はタンジールに行き、そこでタバコを密輸する冒険家エリックと力を合わせ、彼を群島に連れて行くように説得します。そこで彼は、ラヴェッツィ諸島の灯台守の娘で、現在18歳になった美しく清らかなマニナが岩の上でくつろいでいるのを見かけます。エリックはジェラールが自分を船に乗せたと考えるが、ジェラールは財宝の存在を信じており、我慢を強いられる。
この映画は、昼間のダイビングと夜のロマンチックなシーンを交互に映し出します。
テクニカルシート
- タイトル: Manina...ベールのない少女
- 監督:ウィリー・ロジエ
- 助監督:ルイ・パスカル
- 脚本:グザヴィエヴァリエ
- 脚色・台詞:ウィリー・ロジエ
- 撮影:ミシェル・ロッカ
- カメラマン:チャールズ・ヘンリー・モンテル
- 編集:スザンヌ・バロン(アシスタント:カステル、ド・サン・ジロン)
- 音楽:ジャン・ヤトーヴ、マルセル・ビアンキ
- コルシカ島の歌:クロード・ロビンとマリア・ヴィンセント
- フランス語の歌:イレーヌ・ヒルダ
- 録音:ル・バウト、ジョルジュ・ヴァリオ
- メイクアップ:ポール・クラベル
- 撮影:ロバート・トマティス、レオ・ミルキン
- 組織: コンスタンティン・エヴァンジェロウ
- 監督:イヴォンヌ・トゥマイエフ
- 舞台監督:チャールズ・カーダックス
- 脚本:シモーヌ・ペッシュ
- プロダクション・マネージャー:ルネ・ジャスパール
- 製作会社:Sport-Films
- 配給会社:コシナー
- 原産国:
フランス
- 言語:フランス語
- 撮影:カンヌ、ニース(ヴィクトリーヌスタジオ)2)、Golfe Juan, Bonifacio, Tangier, Paris, 1952日から日まで
- 水中での撮影は、監督と撮影監督(ミシェル・ロッカ)によって地中海で撮影されました
- フォーマット: 白黒 — 1.33:1 — モノフォニックサウンド — 35 mm
- 印刷:G.T.C Nice laboratory(ニースラボラトリー)
- Western Electric Recording - Westrex 535 magnetic - レコード会社
- ジャンル:アドベンチャー映画、メロドラマ
- 上映時間:87分
- 上映時間:87分(1時間27分)(ドイツ:85分、アメリカ:76分)
- リリース日:
フランス:
- 営業ビザ: 12989
分布
- ブリジット・バルドー:野生の少女マニーナ3
- ジャン・フランソワ・カルヴェ:ジェラール・モレール、沈没した財宝を探す学生
- ハワード・ヴァーノンは、タバコの密輸業者であるスラヤ号の船長であるエリックを演じています
- エスパニータ・コルテス(フランチュチャ、キャバレー歌手)
- レイモンド・コーディ(フランシス役、ブリロのバーテンダー)
- ポーレット・アンドリュー
- アンリ・ジャニク : マルセル、船長の副司令官
- ジェラールの友人役のジャン・ドローズ
- ナディーン・タリエ(ナディーン・ロピタリエとして生まれ、結婚後約10年後にナディーン・ド・ロスチャイルドとなった):マチルダ
- モーリス・ベナール:M.ベルト、理学部教授(当時はソルボンヌ大学))
- ロベール・アルヌー:ムートン氏/プルゼル★