小満May
青のイメージが涼し気
水曜夜のNHKラジオ深夜便。矢部太郎さんのインタビューが面白かった。
「(『光る君へ』の従者乙丸について、)体形が平安時代っぽいと言われたことがあります」「脚本の大石静さんは、従者など身分の低い人たちのドラマも描いていらっしゃるように思う」「スタッフは毎日50人くらいで、一体感があり、家族のよう」「平安時代、門を通るときは右足から。拍手はしない」
「(新刊『プレゼントでできている』について、)プレゼントは怖くもある」「もらったプレゼントは捨てられない」「鹿の角をもらい、家で孫の手のようにして使った」
「つかこうへいさんの舞台に出て、お笑い以外の才能が引き出された」「つかさん以外は反対したが、つかさんは『彼には悲しさがある』と起用」「芸人は何でもやる人」。矢部さんはお笑い芸人というより、ほのぼの天才という感じ。
これ以外はない絶妙な、ほのぼの天才タイトルだなと思う。
プレゼントでできている | 矢部 太郎 |本 | 通販 | Amazon
三遊亭圓生の、「田能九」。
田能九(たのきゅう)という役者が、興行先で母大病の知らせを聞き、カツラを風呂敷に包んで家に帰ろうと山越えを始めた。途中で雨が降り出したため小屋に入って寝てふと目覚めると、老人がいた。杣人(きこり)かと思うと、それはこの山のうわばみ(大蛇)だった(老人に化けられるということなのだろう。神がかっている山の主という感じかと思った。声(言葉)だけなので、矛盾を感じない)。
うわばみは「村人が俺を怖がって山に登らないようにしている。だから最近人を食っていない。久しぶりに人が食える」と言い、名を訊く。震えながら「田能九(たのきゅう)です」と言うと、「狸(たぬき)か?」と聞き違えるうわばみ。「俺は美食家だから人間以外は食べない」と言ううわばみに、「はい狸です」と話を合わせる田能九。
「狸なら、今ここで化けてみろ」。田能九がカツラで女や坊さんの姿になると、うわばみは田能九が狸であると信じ、「狸なら食いもんとは思えねえ。友達だ。これから御馳走したい。」。
「いや、おっかさんが大病で」と言うと、「そうか、親狸が病気なのか。それなら見舞いの後で来い」と言い、田能九に「お前の好物は何だ」と訊く。答えられずにいると、「嫌いなもんのほうが浮かびやすいな、何が嫌いだ」。「金です、金は怖いもんです」。と言うと、「俺は煙草のヤニと柿渋が苦手で、あれに触れると骨の髄まで溶けちまう」。うわばみは自分の穴を田能九に教え、田能九を解放。
明け方で雨も止んでいる。山を下りたところで杣人たちに会った田能九、向こうも田能九を知っている。田能九が山でのことを話すと、杣人たちはまず囮で2人行き、穴からうわばみが出て来たところで、木の上から煙草のヤニと柿渋をかけた。正に這う這うの体で山を出たうわばみ。杣人たちは安心した。
田能九が家に着くと、幸いおっかさんの病は治っていた。
ほっとしていると扉をドンドン叩く音。田能九がおっかさんと妻を隠してから扉を開けると、そこにはあの老人。額には傷。「お前が人間にチクったな。そのせいでとんでもない目に遭った。こうしてやる!」とうわばみは箱を出し、中身を田能九にぶちまける。それは一万両の小判で、田能九はお金持ちになりました。親孝行の田能九、目出度し目出度し、という噺。
杣の人たちはなぜうわばみを山から追い出しただけで安心したのか、なぜうわばみは九兵衛の家が分かったのか、と途中で思ったが、噺の後で圓生が解説しているように、それを追求してしまうと噺が壊れてしまう、ほっかむりをして聞いていれば噺を楽しめるんじゃないかということだろう。同意納得。
その細部の疑問を軽く超えて、噺が面白い。だから、うわばみを山から追い出せばその山で働く杣人としてはとりあえず安心だろう、うわばみにも生活があるのだし、人のいない所で生きてくれればいい、とか、うわばみは嗅覚や神通力のようなもので田能九の家が分かったのだろうとか、噺に合わせてこっちが都合良く解釈しようとする力が働く。そういう、噺に入り込み、その中の住人となって噺の味方になってしまうような、魅力的な噺。
ブルボンの「ホワイトロリータ」の名の由来。
★ホワイトロリータのソフトクッキーは捻って成形されています。
これがこのお菓子の特徴なので、
しかし【ホワイトロータリー】より【ホワイトロリータ】
ホワイトロリータの名前の由来は?お菓子の特徴とともに解説! | counter-attaaack
お知らせ
わたしが文を書きました、福音館書店こどものとも 5月号の
「ステッドのホテル STED , A KANGAROO HOTELIER」、発売中です
絵本をお手にされた方は、見るとハッピーになる嶽(だけ)ま、こさんの絵を、どうぞ隅々までお楽しみになってくださいませを
カンガルーのステッドは、丘の上の小さなホテルで働いています。ホテルの仕事は、毎日がハプニングの連続。今日も、屋上で干していたシーツが風に飛ばされそうになったり、夕食の時間に停電になってしまったり……。次々と起こるトラブルをステッドが華麗に解決していきます。なんでもこなせるステッドの仕事ぶりを軽快に描きます。
ステッドのホテル (こどものとも2024年5月号) | くら ささら, 嶽 まいこ |本 | 通販 | Amazon
絵本を手に取られた方は、嶽(だけ)まいこさんのレンブラントのような光と影の表現を、どうぞご堪能なさってくださいませ
嶽 まいこ / Maiko Dake (dakemaiko.com)
嶽 まいこ/ Maiko Dake (@mk_dake) / X (twitter.com)
「クックククックレストラン」こどものとも年中向きも引き続き発売中です
家族みんなでレストランに来ました。注文したのは、ハンバーグ、ナポリタン、ミックスピザに、特製デザート! クックククック、さあ作ろう! シェフたちが自慢の腕をふるって、ごちそうを作ります。つぎつぎと料理ができあがっていく過程を、弾むような言葉と踊るような絵で、美味しく楽しく描いた作品です。
【4~5才向け】こどものとも年中向き|月刊誌のご案内|福音館書店 (fukuinkan.co.jp)
福音館書店(ふくいんかんしょてん) (fukuinkan.co.jp)
心のこもった温かく素晴らしい絵を描いてくださったのは、優しい天才イラストレーター、嶽(だけ)まいこ さんです
お手にされた方は、嶽さんが描くおいしそう過ぎる絵を、どうぞ隅々までお楽しみになってくださいませ
嶽 まいこ / Maiko Dake (dakemaiko.com)
嶽 まいこ / Maiko Dake (@mk_dake) / X (twitter.com)
閉じ込み付録「絵本のたのしみ作者のことば」には、
「ワクワク クックク レストラン」と題して、
この絵本が生まれるもととなった、こどもの頃の思い出を書いております
プロフィール絵は、わたし作・ぶたさんシェフです
どうぞよろしくお願いいたします(=^・・^=)
閉じ込み付録の「おたよりのへや」では、読者の方から『ひゃくえんだま どこへゆく?』の感想をいただいております。
どうもありがとうございます
ひゃくえんだま どこへゆく?|福音館書店 (fukuinkan.co.jp)
福音館書店こどものとも7月号「ジッタとゼンスケ ふたりたび」発売中です
ジッタとゼンスケ ふたりたび (こどものとも2023年7月号) |くら ささら, くりはら たかし |本 |通販 |アマゾン
オオカミの兄弟、ジッタとゼンスケは、大仏さまをおがむために、はるばる都にやってきました。その道中で、ふたりは氷をキツネのお殿様に届ける仕事を任されることに。しかし、行く先々には数々の困難がふたりを待ち構えていました。果たしてふたりは、氷が溶けないうちにお城にたどりつけるのでしょうか? 新感覚時代劇絵本。
【5~6才向け】こどものとも|月刊誌のご案内|福音館書店 (fukuinkan.co.jp)
「ひゃくえんだまどこへゆく?」コインの世界一周の旅発売中です
男の子がジュースを買おうと、100円玉を自動販売機に入れようとしたその瞬間......。100円玉がおっこちた! 100円玉は、ころころころころ、坂を転がって、トラックに運ばれたり、空を飛んだり、海に落ちたり。しまいには南極にたどり着いたり......! いったいどこまで行ってしまうのでしょうか? 小さな100円玉の壮大な冒険を描いた絵本です。
くらささら名義の他作品🐪「ひみつのえんそくきんいろのさばく」🐪
ひみつのえんそく きんいろのさばく (こどものとも2022年8月号) |くら ささら, 木内 達朗 |本 |通販 |アマゾン
以下、九螺ささら名義の著書です
ゆめのほとり鳥 (新鋭短歌シリーズ40) |九螺 ささら |本 |通販 |アマゾン