穀雨April
いきものがかりの『SAKURA』
息を吸い、いきなりサビ
NHKラジオ文芸館、夢野久作の『瓶詰地獄』。切なくて胸が締め付けられ、涙が出た。（朗読者というより）演者も凄い。入れる言葉数（＝ピッチ）を変化させることにより、心の抑揚を生み出している。
兄妹ロビンソン・クルーソーでもあり、兄妹青い珊瑚礁でもあり兄妹ヰタ・セクスアリスでもある。
自然が豊か過ぎて食物に困らないため痩せることすらない無人島に流れ着いた兄と妹。その時兄11歳妹7歳。
その後二人は相手に性欲を感じ始め、しかし敬虔なクリスチャンの二人はそれゆえ激しく悩む。
兄が手紙を書いた時系列と逆に瓶が開封され読まれるという形が取られているため、助けに来た親たちの前で性交の懺悔として投身自殺をしてもうこの世にいないのであろう二人の、最初の手紙のラストの連名署名が痛々しい。
このときはまだ二人とも子供で、無邪気な希望があったのだろう。
探偵小説雑誌『猟奇』に掲載されたものらしい。
探偵ものとは、時系列をズラすことでますます謎が深まり事実の深みが出るのか、と思った。
というか、探偵は、残された手掛かりのかけらを時系列に並べることが主な仕事なのかもしれない。
★『猟奇』（りょうき[1]）は、1928年（昭和3年）、関西の作家仲間で創刊された探偵小説雑誌。『新青年』をライバル視する中央への反骨精神を原動力として、5年間発行されつづけた[2]。主な同人として、江戸川乱歩、大下宇陀児、甲賀三郎、小酒井不木、角田喜久雄、山本禾太郎、夢野久作らがいる[2][3]。★
★Wikipediaより★
あらすじ
ある島の岸に、樹脂で封をした3本のビール瓶が漂着しているのが発見され、村役場を通じて海洋研究所に送られた。ビール瓶の中には、いずれも手紙が入っていた。
第1の瓶の内容
1本目の瓶の手紙は、「哀しき二人」が両親たちに宛てた遺書の体裁となっている。
離れ島に、「私たちが一番はじめに出した、ビール瓶の手紙」をたよりに来たであろう船が迎えにやって来た。しかし、2人は両親や大勢の人の前で死をもって罪を償うと記されており、両親への謝罪の言葉が並び、手紙の最後は「神様からも人間からも救われ得ぬ」という言葉で締めくくられている。
第2の瓶の内容
2本目の瓶の手紙は、「太郎」の独白の体裁となっている。
11歳の太郎と7歳のアヤ子の兄妹を乗せたボートが無人島に漂着した。手元に残ったのは、鉛筆やノートブック、ナイフ、虫眼鏡、新約聖書、そして水が入った3本のビール瓶だけ。しかし島には果物や動物、泉があり、2人は虫眼鏡で火を使いながら、小屋を建てて生きながらえることができた。やがて、衣服は破れて2人は裸体になったが、彼らは「神様の足ダイ[2]」と呼ぶ島の高台で礼拝をすることを忘れず、ビール瓶に両親に宛てて書いた手紙を入れて流したり、「神様の足ダイ」に目印となる棒切れを立てたりして助けを待った。
年月が経ち2人は成長したが、美しく成長したアヤ子の姿に、太郎は思い悩むようになる。「神様の足ダイ」で祈りに耽る太郎だったが、何も起きないことに混乱した太郎は、棒切れを投げ捨て聖書や小屋を焼いてしまう。やがて2人は不安と恐怖に包まれるようになったと述べる太郎は、島を「地獄」と表現し、神に屠殺を求める言葉で手紙は終わる。
第3の瓶の内容
3本目の瓶の手紙は、以下の内容のみである。
オ父サマ。オ母サマ。ボクタチ兄ダイハ、ナカヨク、タッシャニ、コノシマニ、クラシテイマス。ハヤク、タスケニ、キテクダサイ。
市川 太郎
イチカワ アヤコ★
三遊亭圓生の、『梅若禮三郎（うめわか れいざぶろう）』。
梅若禮三郎という有名な義賊が、ある夜、泣きながら乞食をしていたおかのという女に金をめぐんでやった。
そのおかのは、腰が抜けて三年寝込んでいる小間物屋の夫の看病をしていたのだが、内職だけではとても生活できないため、夫に観音様におまいりに行くと嘘をつき、乞食をしていたのである。
おかのが禮三郎からもらった包みを開くと九両以上の金（禮三郎は名乗っていないので、おかのは相手が何者かは知らない）。十両盗めば首討ちという時代、おかのは、夫がこの金を見たら自分が売春したのではと心配をかけるのではと思い、一両だけ使うことにして、それ以外の金は夫が回復した際の商売の元手にしようと仏壇の引き出しにしまったのであった。
その様子を隙間から見ていた隣りの博打打ちの男、おかの夫婦が寝込んだところを盗み、質屋から質ものを出し、吉原の馴染の女郎屋で派手に使ったのであった。普段ケチな、魚屋と名乗っているが誰もに博打打ちとバレているその男の振る舞いを不審に思った店の者が調べると、金に刻印がある。この刻印の金は、先日大金持ちから盗まれた670両の一部であった（その犯人はあがっていない）。
店の者が警察を呼ぶと、博打打ちの男はお縄となり、顛末を話す。
そして、では隣りの寝込んでいる男が、仮病を使って実は夜中に泥棒稼業をしているのか、となり、警察が乗り込んだ。
するとその家の主人「りへい」は、皮と骨だけの本物の病人。
湯から戻った妻おかのに警察が訊くと、おかのは、自分は乞食をして立派なお武家さまという身なりの方から恵んでもらったのだと言う。
警察がその男の人相を尋ねると、おかのは、恩を仇で返してはならないと、「暗闇ゆえ見えなかった」と嘘をつく。
警察は、「さっきお前は立派なお武家の身なりと言っただろう？嘘をつくな」とおかのを拷問にかけるためにお縄とした。
長屋は騒然、なんとかおかのが無事に帰りますようにと水垢離に行き、冬ゆえ寒いのでその後両国という有名な料理屋に行き、猪鍋に酒をとった。
そこで、隣りのエリアの屑屋たちが自分たちの仕事の話をし出す。
屑屋が「…という訳で、天道は人を見放さないって訳だよ」と言うと、「そんな訳ない、見放されている女性がいる」と長屋の一人がおかのの話を始める。
すると衝立の向こうから、「その話は本当か？」と様子のいい粋な男。
「本当だ」と長屋の一人が言うと、
「その女は、これこれこういう容姿じゃないか？」と男が言うと、その通りだ、となる。
「じゃあ俺がそのおかのを助けてやる。俺は梅若禮三郎という盗人で、先日その金持から金を盗み、その女へ恵んだ。俺が自首すれば、おかのは助かるだろう」となった。
「貞女おかのを助けます、という『梅若禮三郎』でございました」と圓生が言って下げ。
長いのに、圓生の語りが飽きさせず、二時間があっという間に感じる演目。
枕は、石川五右衛門。親子で釜茹でにされたのだが、盗人でも親、五右衛門は子どもの辛さを軽減しようと、最後の最後まで子を掲げていたという。
豊臣秀吉の寝所に入った五右衛門の話もされる。石川五右衛門 - Wikipedia
ライバルとは、力の拮抗。二人の直球のやり取りが弾けまくって、快活で楽しい
柔かだった少し前の残像との比較により、固まった飴が鉄レベルの硬さに見える
うん、雪のかかった松ぼっくり
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閉じ込み付録「絵本のたのしみ作者のことば」には、
「ワクワク クックク レストラン」と題して、
この絵本が生まれるもととなった、こどもの頃の思い出を書いております
プロフィール絵は、わたし作・ぶたさんシェフです
どうぞよろしくお願いいたします(=^・・^=)
閉じ込み付録の「おたよりのへや」
では、読者の方から『ひゃくえんだま どこへゆく？』の感想をいただいております。
どうもありがとうございます
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