星お月様星空『家出した少女 La fuggitiva』1941年星空お月様星

La fuggitiva (1941) - Posters — The Movie Database (TMDB)

 

La fuggitiva (1941) Italian movie poster

生みの母と育ての母の話、とも言える。

 

ある大建築家の娘マリーナ↓が、二人の女メイドと遊ぶのが嫌だと家出し、隠れていた中庭で、

La fuggitiva (1941)

その帽子屋の友人のところに来ていたデルフィーナ↓という女性に出会う。

RAREFILMSANDMORE.COM. LA FUGGITIVA (1941) * with switchable English ...

デルフィーナは、前日の結婚式当日、相手の画家男に式をドタキャンされた。

La fuggitiva (1941) - Trakt

理由は「きのう男と会ってたんじゃないか」という、画家男のいつもの嫉妬から。デルフィーナ側の知り合いは、またか、という感じ。(偽物)芸術家ってエキセントリックなんだから、という感じ。

デルフィーナの母は芸術家と出奔、その後デルフィーナは成長する過程で、山の上の富豪の祖父とは絶交していた。なぜなら、デルフィーナの両親のことを悪し様に罵ったから。デルフィーナの生きている肉親は今この祖父だけ。しかしデルフィーナは、この祖父に頼りたくない。

 

マリーナを通じて、

La fuggitiva (1941) - Delfina riaccompagna la piccola Marina a casa ...

IMCDb.org: unknown in "La fuggitiva, 1941"

デルフィーナはマリーナの父の建築家アントニオに出会い、

La fuggitiva (1941)

相思相愛に。

La fuggitiva (1941)

しかし敵多し。

マリーナの実母は有名な踊り子で、

(マリーナの実母のポスターの前を通るデルフィーナ)

IMCDb.org: "La fuggitiva, 1941": cars, bikes, trucks and other vehicles

La fuggitiva (1941)

La fuggitiva (1941) - AZ Movies

マリーナが生まれたとたんにアントニオが引き取った(踊り子曰く、アントニオが自分から奪った(踊り子はキャリアの為には子どもは要らなかった。アントニオは踊り子を愛人としか考えられず、妻には出来なかった、というような『舞姫』的話か)。しかし生まれた子を見れば、双方手放したくない、となる)。舞姫 (森鷗外) - Wikipedia

舞姫読んだ - はきだめ

(井上靖訳、舞姫)井上靖 - Wikipedia

この踊り子を納得させるために、アントニオはその姉を屋敷でメイドとして働かせることにいなったらしい。この姉が、自分の保身と妹のサバイバルのためにスパイのようなことをする。

(奧左から、マリーナの実母の姉であるメイドとアントニオ、手前がマリーナとデルフィーナ)

La fuggitiva (1941) Piero Ballerini, Jole Voleri, Anna Magnani, Clelia ...

デルフィーナの祖父の金銭的援助を受けたいマリオがデルフィーナの婚約者と名乗って屋敷に来たことを、このメイドはアントニオに言ってしまい、「デルフィーナ、きみは結婚が破談になったと話していたが、婚約者がいたのか」となる(マリオは、デルフィーナとの共通の友人である帽子屋の女性に、デルフィーナの話を聞き、調べてこの屋敷にたどり着いたのだった(帽子屋の女性はデルフィーナから「マリオに居場所を言わないで」と口止めされていたため言わなかったのだが、マリオは女性の話の端々から推測、ここを探し当てた(この嫉妬深く執拗な(画家としては、恋人関係にした「顧客」の女の肖像画を描いて売るという商売)マリオの出世欲が怖い)))。

La fuggitiva (1941) Piero Ballerini, Jole Voleri, Anna Magnani, Clelia ...

このメイドに「旦那様には何も言わず、この屋敷から出ていって。マリーナの実の母はわたしの妹。この家に妹の居場所を作りたい」と言われ、デルフィーナはアントニオにもマリーナにも言わず、夜屋敷を出る(デルフィーナは、アントニオの意向でマリーナの家庭教師をしていた。女のメイド二人(一人はマリーナの実母の姉)は、これを良く思っていない。男の侍従はこの女同士の静かなバトルに気づかない(=どのバトルにも加担していない、公平な立ち位置))。

 

ある雨の夜。マリーナは大好きなデルフィーナの夢を見て、ベッドから起き上がるとついてきた犬と共に家を出て雨の中を駆け出し、

La fuggitiva (1941)

デルフィーナに出会った中庭に行く。

そこは仕事場のため、デルフィーナの友人の女性はいない(夜だから)。お向かいの住人の女性が、「〇〇は▲▲というレストランに行ったわよ」。

そのレストランに着いたとたんに倒れるマリーナ。〇〇はデルフィーナに連絡。デルフィーナが屋敷に連れていき、医者が来ると、「肺炎です」。

La fuggitiva (1941)

実母の踊り子に、マリーナが肺炎であることを言いに行くデルフィーナ。すると踊り子は急いで着替え、屋敷へ。

La fuggitiva (1941)

生死をさ迷うマリーナの手を握る踊り子。アントニオはその光景を見つめる。

 

デルフィーナと二人になった瞬間、アントニオは「きみはこの家を出て婚約者のところに行ったんじゃなかったのか?

なぜマリーナに何も言わず出て行ったんだ。マリーナは、雨の中きみを捜して肺炎になった」。デルフィーナは本当のこと(マリーナの実母である踊り子の姉であるメイドから退去を迫られ、家出した)を言えない。ここが見ていて苦しい。

この影で高圧的なメイドと愛のために黙るデルフィーナは、まるでロッテンマイヤーさんとハイジのよう。

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屋敷を出たデルフィーナ。

結婚のために出版社を退職していて下宿も出ていたため、結婚式をドタキャンした画家マリオの屋根裏部屋に行くと、マリオは新たな女を隠し、デルフィーナに「帰ってきてくれたのか」。「ここに置いてほしいの」と言うと、マリオは「自分はこれから出世したい。個展も開いて名を売りたい。だからきみの金持ちの祖父に頼んでくれないか」

それを聞いたデルフィーナ、「あなたは結局お金よね」と家を出る。

 

残った頼みの綱は、山の上の祖父。

デルフィーナが思い切って行くと、祖父は歓待してくれる。

La fuggitiva (1941)

祖父の話を聞くと、デルフィーナは自分がマリーナと同じ境遇(幼い頃に、実母がいなくなった)であると気付く。

祖父は、デルフィーナの母のネックレスを、「結婚式のときにこれをしなさい」とつけてくれる。

La fuggitiva (1941)

この山の上の家に、アントニオがやって来た。アントニオはデルフィーナに「どうしてきみが黙って家を出ていったのか、全部分かった。誤解して申し訳ない。きみを愛している」と言う。

 

ちょうどクリスマスの日。

二人は雪道を歩いて教会へ行き、

La fuggitiva - 1941 - YouTube

座って儀式を見る。アヴェ・マリアの曲が流れる浄化の雰囲気の中、デルフィーナの目に涙、でジエンド。

 

 

 

母不在の家に家庭教師、子どもは彼女になつき、という流れに『サウンドオブミュージック』と『王様と私』を想起。

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マリーナがデルフィーナを捜すシーンで、「友だちのうちはどこ?」を想起。友だちのうちはどこ? - Wikipedia

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マリーナを演じたマリウ・パスコリは愛らしく、天才子役だったのだろう。

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