『二日間の出会い The Clock』1945年
戦時中の都会の混乱の中での一触即発結婚話。
きっかけは、ニューヨークの大きな駅で迷い、観光情報を得ようと新聞を広げていた「おのぼりさん」兵士の足に、ニューヨークでの会社員生活が三年になる女性がひっかかって靴のヒールが取れたから。
（アリス（右）は、保護者タイプの会社員女性と同居している）
陸軍軍人のジョーは、二日間の休暇でニューヨークに観光に来ていた。ヒールが取れた女性アリスに激しく謝ったり一緒に観光したりしているうちに恋に落ち、結婚、という話。
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（一旦さよならするが、運命を感じたジョーは、アリスの乗ったバスを走って追いかけ、追いつく。ここで笑った。）
![The ** Clock ** (1945) ** [trailer] **** - YouTube](https://i.ytimg.com/vi/y8NePTau2bc/hqdefault.jpg)
三日目の朝にジョーは駐屯地へ、妻アリスはいつもの職場へ出勤するという、運命の48時間カウントダウン映画。
兵士ジョーは、戦争が終わったら故郷で仕事をしたい、という夢を語る。この時代、既に勝戦後を見据えていたのがアメリカだったのだろう。
よくある二人のよくあった話のため、この二人だけでは持たない。
夜公園でデートしていると、終電を逃す。
バスだと思って止めたのは、牛乳配達車。
この運転手がいい人で、二人を乗せてあげる。
そして二人を自分の職場に連れていき、女性の家まで送ろうとする。
すると途中でタイヤがパンク。
修理の人を呼ぶ電話をかけようとバーに入ると、やたら酔っぱらった男がいて、三人に絡む。
絡まれそうになったアリスを男から守るジョー。
酔っ払いに絡まれているうちに、牛乳配達の人が顔に怪我。
二人が代わりに牛乳配達をしてあげると、
配達員の家に招待される。
この夫婦がいい感じ。
夫婦は、アリスとジョーのことを夫婦と思い込む。いや違うんです、きのう会ったばかりで、とアリスが言うと、理解するのに時間は不要、俺は妻をケーキ屋で見初めた、と笑う。
いい夫婦ね、とアリスが言うと、ジョーも頷く。
この配達員は車の中でラジオを聞いているのだが、自分のリクエストが通らないと嘆く。しかし家に帰ってラジオから自分の名が聞こえてきて、「あ、俺のリクエスト曲だ」、と盛り上がる。
電車に乗ろうとすると朝の通勤ラッシュで満員、アリスは乗ったがジョーの目の前でドアが閉まり、各駅停車だったためアリスは次の駅で降りる。ジョーがアリスを追いかけようと急行電車で次の駅に行き、戻ってくると、その電車に、各駅停車で戻ってきたアリスが別のドアから乗り込む、というシーンで、『スライディング・ドア』を想起。
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（この時の）ニューヨークは結婚の申請に血液検査の証明書が必要。しかしその結果が出るのは検査後二日後や三日後。彼が駐屯地へ帰る前に結婚したい二人は、東奔西走、何とか判事を捕まえ、結婚式をしてもらうが、その状況が簡易過ぎ、酷かったと女性は泣く。するとしばらくして教会を見つけ二人で改めて結婚式。
この時代、こういう二人はたくさんいたのだろう。
戦争という死と隣り合わせの時代で細胞が興奮しているためか、特に陸軍軍人であるジョーは喜怒哀楽が激しい。突貫工事的に結婚までこぎつける勢いが若さ。
この映画の本当の主役はニューヨークのこの時代、とも思った。この二人はよくいた二人。そのことが、結婚申請所でアリスが座った隣りにアリスと同じ服の女性がいて隣りの海軍軍人とキスしているということで表現されていると思った。
この映画を観た若者は、共感しまくりだっただろう。
また、バンドワゴン効果で、この映画を観にいった人がこの映画の勢いに倣って結婚、その結婚を見た誰かも倣って結婚というような波及効果もあったのでは、とも思った。バンドワゴン効果 - Wikipedia
ニューヨークの二人ということで、『めぐり遭い』や、めぐり逢い (1957年の映画) - Wikipedia
手続きがバリアになるというシーンに、『グリーンカード』を想起。
ポール・ギャリコの未発表作品が原作らしいという記事があった。
互いに人生のパートナーと認識し合える誰かに出会えた二人というのは、細胞が的を射てキラキラしている。
国民の総意を背負っていたカップル百友コンビは、常にキラキラしていた。
アリス役のジュディガーランドは、『オズの魔法使い』でドロシーを演じた天才子役。
★ジュディ・ガーランド（英語: Judy Garland、1922年6月10日 - 1969年6月22日）は、アメリカ合衆国の女優、歌手。
子役として出演した『オズの魔法使』で人気を博し、以後も『若草の頃』、
『イースター・パレード』、
『スタア誕生』
などで抜群の歌唱力を披露してハリウッド黄金時代を代表する大スターの一人となった[1]。 アカデミー・ジュブナイル賞、ゴールデン・グローブ賞、トニー賞特別賞を受賞。1961年に『ジュディ・アット・カーネギー・ホール』と題したライブ録音でグラミー賞の年間最優秀アルバム賞を女性として初めて受賞した。娘は女優のライザ・ミネリ。
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★Wikipediaより★
The Clock (UK title Under the Clock) is a 1945 American romantic drama film starring Judy Garland
and Robert Walker
and directed by Garland's future husband, Vincente Minnelli.
This was Garland's first dramatic role, as well as her first starring vehicle in which she did not sing.★