雨水February
寒い春先に聞きたくなる、谷山浩子の「キャロットスープの歌」
ぼくニンジン 赤いニンジン 子どもには嫌われるけど ぼくニンジン 赤いニンジン ぼくのせいじゃない みんな知らないだけさ ぼくの食べ方を谷山浩子の声は、カジュアルな讃美歌
桂文珍の、「猫の忠信」。
化け子猫の、「母(と父)をたずねて三千里」。
両親を三味線にされた(化け)猫が、その三味線を訪ねて京都から江戸まで来た話。
この猫の両親は、伏見院の愛猫だった。伏見天皇 - Wikipedia
当時ネズミが大発生し、百姓が困った。時の博士が言うには、「高貴な人に愛されている猫を三味線にして天に捧げれば収まる」(これは、それほどの犠牲を払った一体感&そうしたのだという自信が、当事者たちを勇気づけ、その当事者たちが事態を良くし、決して諦めなくなる、ということなのだろう。そういう犠牲の捧げ儀式を宗教と言うのだろう(聖書はフィクションとしてそれをなしているという意味で、代替行為なのだ。あらゆるフィクションは、この代替行為なのだろう(それで作者の心を救う場合もあるし、読者の心を救う場合もある(「束の間心に寄り添う」も、基本空虚で孤独な性質であるすべての脳内宇宙の救済))))。
かくして伏見院の愛猫2匹(夫婦猫)が三味線にされた(表が父猫の、裏が母猫の皮)。
幼かったその猫は、悲しくて悲しくて、その三味線を探す旅に出た。すると、江戸のお静さんという義太夫のお師匠さんの所に着いた。そこの弟子の常吉という男の姿に化けて師匠とゴロにゃんしていると、それを見た人たちが、「常吉、お師匠さんと浮気しとる」となった。常吉には、嫉妬で狂うタイプの おとわ という妻がいて、その妻に、次郎吉という弟子仲間が告げ口に行くと、「うちの人、奧で寝てるわよ」。「んな訳あるかい、さっき常吉とお師匠さん、ゴロにゃんしとったわ(猫だけに、刺身を口に入れ、それをお師匠さんに口移ししていた)」と言っていると、奧から常吉が出て来て、次郎吉は「早っ!もう帰っとるわ」。
次郎吉とおとわがお師匠さんの所へ行くと、「あ、うちに人だわ」。常吉が行って初めて、一人が瞬間移動したのではなくて瓜二つの二人と分かる。さてはお前、化けもんだな、と言うと、そこで急に常吉に化けていた猫が自分の過去を語りだす、というもの。ここの猫の、いきなり「申します、申します」の突然感が怖くていい。
訳を知ると、人間は猫に同情。
「でもこれで、今度の会で演じる『義経千本桜』のメンツが揃ったってもんだ。よしのやの常吉で義経、狐の忠信は猫の忠信…」と一人が言うと、「静御前は?」と一人。もう一人が「なに、お師匠さんの名はお静さんだ」と言うと、
「あたしみたいなおたふくに、静御前が似合いますかしら」と御師匠さん。すると猫が「ニャウ」(似合う)と言って下げ。
狐忠信の忠信とは、平安末期の武士の佐藤忠信のこと。忠信は、源頼朝の異母弟である義経が吉野山に隠れて山僧に攻められた時、自ら義経と称して奮戦。翌年囲まれて自刃。義経の妾である静御前を守った。
★佐藤 忠信(さとう ただのぶ)は、平安時代末期の武将で、源義経の重臣。『源平盛衰記』における義経四天王の1人。佐藤継信の弟。父は奥州藤原氏に仕えた佐藤基治もしくは藤原忠継。★
★静御前(しずかごぜん、生没年不詳)は、平安時代末期から鎌倉時代初期の女性白拍子。母は白拍子の磯禅師。源義経の妾。★
(肉筆画で描写された白拍子姿の静御前(葛飾北斎筆、北斎館蔵、文政3年(1820年)頃)
源義経。
★源 義経(みなもと の よしつね、旧字体:源 義經)は、平安時代末期から鎌倉時代初期にかけての日本の武将。鎌倉幕府初代将軍源頼朝の異母弟。仮名は九郎、実名は義經(義経)である。
河内源氏の源義朝の九男として生まれ、幼名を牛若丸()と言った。平治の乱で父が敗死したことにより鞍馬寺に預けられるが、後に平泉へ下り、奥州藤原氏の当主・藤原秀衡の庇護を受ける。
兄・頼朝が平氏打倒の兵を挙げる(治承・寿永の乱)とそれに馳せ参じ、一ノ谷・屋島・壇ノ浦の合戦を経て平氏を滅ぼし、最大の功労者となった。
その後、頼朝の許可を得ることなく官位を受けたことや、平氏との戦いにおける独断専行によって怒りを買い、このことに対し自立の動きを見せたため、頼朝と対立し朝敵とされた。全国に捕縛の命が伝わると難を逃れ、再び藤原秀衡を頼った。しかし、秀衡の死後、頼朝の追及を受けた当主・藤原泰衡に攻められ、現在の岩手県平泉町にある衣川館で自刃した。
その最期は世上多くの人の同情を引き、判官贔屓(ほうがんびいき[注釈 3])という言葉を始め、多くの伝説、物語を生んだ[6]。★
狐忠信とは、
★浄瑠璃「義経千本桜」四段目の通称。また、その登場人物。静御前の持つ初音(香木)の鼓の皮となった親狐を慕って、その子狐が佐藤忠信に化け、最後に正体をあらわして義経の危難を救う。★
★狐忠信
室町時代初期に書かれた『義経記』での忠信は、義経の囮となって吉野から一人都に戻って奮戦し、壮絶な自害をする主要人物の一人となっている。義経記の名場面から、歌舞伎もしくは人形浄瑠璃の演目として名高い『義経千本桜』の「狐忠信」こと「源九郎狐」のモデルになった。
継信・忠信兄弟の妻たちは、息子2人を失い嘆き悲しむ老母(乙和御前)を慰めんとそれぞれの夫の甲冑を身にまとい、その雄姿を装って見せたという逸話があり、婦女子教育の教材として昭和初期までの国定教科書に掲載された。
また、古典落語に「狐忠信」をふまえた「猫の忠信」「初音の鼓」などの演目がある。★
(「河連法眼館」 左から二代目澤村國太郞の狐忠信(源九郎狐)、初代淺尾額十郞のしづかノ前。文政8年(1825年)8月、大坂中の芝居。寿好堂よし国画。)
(『義経千本桜』 四段目の切「河連法眼館」の場。左から三代目嵐三五郎の忠信(源九郎狐)、三代目市川團之助のしづか。文化12年(1815年)3月、江戸市村座。初代歌川豊国画。)
★初音
③ 香木の名。分類は新伽羅(きゃら)。香味は辛。一木三銘の伝説で著名。
※俳諧・犬子集(1633)三「何れきかん伽羅の初音と時鳥〈堅結〉」★
地唄三味線 高級花梨材 | 和楽器の京屋 (wagakki-kyoya.com)
-18℃。静か。確かに降雪は、スローモーションみがある。
お知らせ
わたしが文を書きました、福音館書店こどものとも 年中向き 2月号の
「クックククックレストラン WELCOME TO THE RESTAURANT!」、発売中です、
家族みんなでレストランに来ました。注文したのは、ハンバーグ、ナポリタン、ミックスピザに、特製デザート! クックククック、さあ作ろう! シェフたちが自慢の腕をふるって、ごちそうを作ります。つぎつぎと料理ができあがっていく過程を、弾むような言葉と踊るような絵で、美味しく楽しく描いた作品です。
【4~5才向け】こどものとも年中向き|月刊誌のご案内|福音館書店 (fukuinkan.co.jp)
福音館書店(ふくいんかんしょてん) (fukuinkan.co.jp)
心のこもった温かく素晴らしい絵を描いてくださったのは、優しい天才イラストレーター、嶽(だけ)まいこ さんです
お手にされた方は、嶽さんが描くおいしそう過ぎる絵を、どうぞ隅々までお楽しみになってくださいませ
嶽 まいこ / Maiko Dake (dakemaiko.com)
嶽 まいこ / Maiko Dake (@mk_dake) / X (twitter.com)
閉じ込み付録「絵本のたのしみ作者のことば」には、
「ワクワク クックク レストラン」と題して、
この絵本が生まれるもととなった、こどもの頃の思い出を書いております
プロフィール絵は、わたし作・ぶたさんシェフです
どうぞよろしくお願いいたします(=^・・^=)
閉じ込み付録の「おたよりのへや」では、読者の方から『ひゃくえんだま どこへゆく?』の感想をいただいております。
どうもありがとうございます
ひゃくえんだま どこへゆく?|福音館書店 (fukuinkan.co.jp)
福音館書店こどものとも7月号「ジッタとゼンスケ ふたりたび」発売中です
ジッタとゼンスケ ふたりたび (こどものとも2023年7月号) |くら ささら, くりはら たかし |本 |通販 |アマゾン
オオカミの兄弟、ジッタとゼンスケは、大仏さまをおがむために、はるばる都にやってきました。その道中で、ふたりは氷をキツネのお殿様に届ける仕事を任されることに。しかし、行く先々には数々の困難がふたりを待ち構えていました。果たしてふたりは、氷が溶けないうちにお城にたどりつけるのでしょうか? 新感覚時代劇絵本。
【5~6才向け】こどものとも|月刊誌のご案内|福音館書店 (fukuinkan.co.jp)
「ひゃくえんだまどこへゆく?」コインの世界一周の旅発売中です
男の子がジュースを買おうと、100円玉を自動販売機に入れようとしたその瞬間......。100円玉がおっこちた! 100円玉は、ころころころころ、坂を転がって、トラックに運ばれたり、空を飛んだり、海に落ちたり。しまいには南極にたどり着いたり......! いったいどこまで行ってしまうのでしょうか? 小さな100円玉の壮大な冒険を描いた絵本です。
くらささら名義の他作品🐪「ひみつのえんそくきんいろのさばく」🐪
ひみつのえんそく きんいろのさばく (こどものとも2022年8月号) |くら ささら, 木内 達朗 |本 |通販 |アマゾン
以下、九螺ささら名義の著書です