『百万長者と結婚する方法 How to Marry a Millionaire』1953年
実用書のようなタイトルの、ロマンチックラブコメディー。
貪欲さを実行に移す「恩田三姉妹」の話。やっぱり猫が好き - Wikipedia
三人の人気女優の魅力を見る映画。
25セントを百万ドルに化かすゲームを始めたモデル仲間の親友三人。
方法は、超金持ちとの結婚。
しかし三人は、最後には金より愛を選んだ、という話。
しかししかし、給油係の貧乏だと思っていた一人は、実はビル持ちの大富豪だった。それを知った女性三人、昭和のドリフのようにこの椅子から↓ずり落ちたところで、ジエンド。三人は、コメディエンヌ。
ゲームスタート時の三人。
「よく肥えた熊(大富豪)」(笑)を釣る作戦中。
ローレンバコール演じる「長女」が、百万長者との出会いがありそうな高級ハウスを借りる。実は彼女に金はない。このハウスのオーナーは、税理士に騙され、自分が国税局から疑われ、逃走中。そこへタイミングよく入った「長女」。オーナーの許可なく、高級家具を質に入れ、それを生活費にする。逃亡中に一旦戻ったオーナーは、家具がないことに気付く。するとまた買い戻したり、ととにかくドタバタ。
このオーナーと、マリリンモンロー演ずる「末っ子」が、近視という共通項で近づき、恋愛の仲になる。
(メガネをしていなかったため、本を逆さに読んでいる「末っ子」。それを指摘し指摘され、二人の心が開通。)
「末っ子」は当初、この訳の分からない(なぜか何も悪くないのにアイパッチをしている)「中東の石油王」を「狙った」。
しかし「メガネをかけたきみは魅力的」と言ってくれた、偶然飛行機で隣りに座った(末っ子は間違って搭乗(狙った彼に会いにいくつもりだった))(実は住居のオーナーの)(同じくらい近視の)男性と、恋に落ちる。
「次女」が狙ったのは、田舎の金持ち。
しかし彼のロッジが粗末だったため、失望。
しかししかし、そこで彼の運転手をしていた男性に惚れ、彼と恋仲に。
その彼は「これ全部、俺の山」と監視している山々を言う。すると「次女」は彼が土地持ちと勘違い。しかし彼は森林監視員なのだった。それを聞いた「長女」。「監視?それって消防隊員みたいなもの?」と金持ちでないことを、非難。
「長女」は、昔給油係と付き合ったことがあり、現在はバツイチ(その給油係=結婚相手だったのか否かは、つかめなかった)。貧乏そうな男性のことを、「彼は給油係の匂いがするから駄目」という独特のジャッジをするのだ。
実は、三人が作戦を開始した直後、三人の食料を買っていた、25セントしか持っていなかった「次女」にお金を貸して家まで荷物を持ってきてくれたのが、本物の百万長者。しかし「長女」は、ネクタイもしていない彼を見て、「あの人は給油係」と相手にしない。しかし彼は「長女」にここで一目惚れ、その後何度も「長女」を誘う。実はこの作戦(釣り)は、「入れ食い」だったのだ。
この男性は、このまま身分を明かす機会がないため、最後の最後まで「長女」は彼を「給油係」と思ったまま、でもどうしようもなく恋してしまい、狙っていたかなり年上の富豪との結婚を、結婚式の宣誓直前でドタキャン、彼を選ぶ。
ここで身を引く富豪がかっこいい。彼は妻を亡くし傷心だったが、「長女」に一目惚れ、人生が再び輝き出したのだった。彼は「長女」が質屋に売った家具も買い戻してくれるなど、父親のような愛を発揮し、最後には彼女の気持ちと将来を尊重し、その(実は知り合い)の彼に、「彼女にはきみがふさわしい」と言うのだ。
(結婚式で身を引くことになる、「長女」が狙った富豪と「長女」)
(左から、「末っ子」、「長女」が狙った富豪、「長女」)
(左から、結婚式をドタキャンする「長女」、「次女」が結婚することになる森林監視員、「次女」、「末っ子」)
(「長女」と「次女」の本音トーク。もたいまさこさんと室井滋さんという感じのノリ)
(化粧室(パウダールーム)での「長女」と「次女」。)
(「長女」の結婚式での、「次女」と「末っ子」。)
三者三様の三人。落ち着いたクールな計算尽くな、しかし実は愛満タンの長女、計算したつもりが常に計算違い、思わぬ方に行くがそこでサバイバルする「次女」、メガネをかけていると男受けが悪いと常に外しているため壁やドアにぶつかりまくる、実は淋しがりの「末っ子」。
現代先進国の若い女性が抱きがちなシンデレラストーリーという瞬間幸福湯沸かし器の幻想をクールダウンさせ着地させてくれる作品なのかなと思った。
日本のバブル時代のトレンディードラマを想起。男女が対立し、そして同時に仲の良かった時代。「悔しいけどアイツに夢中」という、決着のつかない永遠の綱引きごっこ(≒うる星やつら)。
この三人の組み合わせが楽しかった。全員が、自力で前進するタイプ。媚びずになりふり構わず成功しようとして、結果幸福が得られたという意味では、道徳的な昔話(ex.わらしべ長者)のようでもある。
この合コンぽいノリは、『男女七人夏物語』(笑)。
これはオフショットだろうか。
冒頭Locoという言葉が出て来て(「次女」の名前でもあるのだが)、それは「突飛」と訳されている。「あの子はロコよ」というような使い方。日本のバブル時代の「ぶっ飛び」「ぶっ飛んでる」に近いのかと思った。景気がいい時代の、回っている経済のスピン祭りワード。
★loco
音節lo・co 発音記号・読み方/lóʊkoʊ|lˈəʊkəʊ/
名詞
(《複数形》 locos,locoes)可算名詞 【植物, 植物学】 ロコ草 《米国西部・中部産のマメ科ゲンゲ属およびオヤマノエンドウ属の有毒植物数種の総称; 家畜の中毒を引き起こす》.
形容詞
【語源】
英語「loco」の意味・使い方・読み方 | Weblio英和辞書
ロコモーションとは、ぶっ飛び音頭なのだ。ロコ・モーション - Wikipedia
全員ハーフの、ゴールデン・ハーフ。
★Wikipediaより★
『百万長者と結婚する方法』(ひゃくまんちょうじゃとけっこんするほうほう、原題:How to Marry a Millionaire)は、1953年のアメリカ合衆国のロマンティック・コメディ映画。ゾーイ・エイキンスの舞台『The Greeks Had a Word for It』(1930年初演)と、デイル・ユーンソンとキャサリン・アルバートの舞台『Loco』(1946年初演)の2作品を原作としている[1]。
ストーリー
シャッツィ(ローレン・バコール)は、月1000ドルで元の持ち主が逃げたニューヨークの家具付き高級アパートをレンタルし、モデル仲間のポーラ(マリリン・モンロー)を呼び寄せる。ポーラは同じ境遇のロコ(ベティ・グレイブル)も誘い、3人のルームシェア生活が始まる。彼女たちの目的は百万長者との結婚。その為にはボロアパートではなく高級アパートに住む方が大物を捕まえられるとシャッツィは力説する。雑貨屋で出会うような男ではなく、毛皮屋で出会うような男を捕まえるのよ―。アパートの家具を売りつつ生活していたある日、ロコが毛皮屋で出会った初老の男をアパートへ連れてきた。なんと彼は百万長者、そして彼女たちをパーティに招待してくれるという。はたしてお望みの結婚相手を捕まえることができるのだろうか?
キャスト
- ロコ・デンプシー - ベティ・グレイブル: モデル。金持ちとの結婚を漠然と夢見ている。
- ポーラ・デベヴォア - マリリン・モンロー: モデル。極度の近眼だが、眼鏡女はモテないと思っているので男性の前ではかけない。
- シャッツィ・ペイジ - ローレン・バコール: モデル。バツイチで金持ちとの再婚に執念を燃やす。
- フレディ・デンマーク - デヴィッド・ウェイン: シャッツィらが借りている高級アパートの部屋の本来の持ち主。
- エベン - ロリー・カルホーン: ロコが出会ったハンサムな森林警備隊員。
- トム・ブルックマン - キャメロン・ミッチェル: シャッツィに一目惚れした男。実は金持ち。
- J・ステュワート・メリル - アレックス・ダーシー: ポーラが目を付けた金持ち。胡散臭い。
- ウォルド・ブルースター - フレッド・クラーク: ロコが付き合うことになった妻子持ちの金持ち。
- J・D・ハンレー - ウィリアム・パウエル: シャッツィが目を付けた初老の金持ち。男やもめ。★
★