『シャレードCharade』1963年
この曲は(ヘンリーマンシーニ作曲)、昭和の土曜ワイド劇場の江戸川乱歩シリーズのオープニングを想起させる。使用楽器の響きの長さ、残響ゆえかと思った。
美女「あたくし、姉に似てますかしら」明智小五郎「そっくりです」(それもそのはず、一人二役(笑))
意外な展開にまんまと騙され、嬉しかった。
泥棒だと名乗る男を最後まで信じ、生き残るのだが、それで終わりではなかった。その男は、金を奪われたアメリカ財務省の担当官。身バレすると犯人たちのアジトに潜入調査できないため、身分を偽り続けていた。
アメリカCIAの担当者だと名乗っていた男は偽物で、犯人のラスボス、他の仲間四人を殺し、後は、主人公の男を殺そうかというのがラストの展開。
主人公の女性は、そこで二択を迫られ、勘で主人公男の方に行き、助かる。
主人公女性レジーナの金持ちの夫が殺された。
理由は仲間割れ。
仲間はアメリカのCIAの前身の組織の命令で、ドイツで金塊を運ぶことになっていた。しかしその仕事に携わった者たちが、運ばずに土に埋め、盗まれたことにして、戦争が終わったら掘り返して自分たちの物にしようと考えた。
しかし仲間の一人のチャールズが独り占めし、その金塊を金に換え、金持ちになり、主人公のレジーナと結婚。レジーナは結婚前はフランス語の同時通訳者だったが、結婚と同時に辞めた。レジーナは、夫のフルネームも知らない、どこか抜けたところのある女性。
映画は、そのチャールズの死体が列車から転がり出るシーンから始まる(又は転落死)。
チャールズは、国外逃亡するため、家財を競売にかけ、25万ドルを手にした(物化していた財産を、換金)。その金を、金塊を一緒に隠した仲間が狙い、チャールズは殺され、レジーナが持っているだろうと狙われることに。
かつての仲間の一人はCIAを名乗り、自分の取り分を多くするため、一人ずつ仲間を殺してゆく。
レジーナは、金の在り処を知らない。夫の遺品である、最後に持っていた鞄の中にも金はない。
しかし、そこに入っていたレジーナ宛ての手紙に貼られていた切手三枚が、合計25万ドルするものだったのだ。(チャールズはこの手紙を偽装として作った(消印スタンプが切手に押されると価値が下がる)。しかし仲間に偽装と見破られないよう、「歯医者の予約を変更した」と妻向けの言葉を書き、その裏付けのためにしなくてもいいのに妻の歯医者の予約を変更したのだろう(調べると妻が行くはずだった歯医者の予約は変更されていたのだ)))
そんなことを知らないレジーナ、同時通訳仲間の女性の息子に、その切手を(封筒ごとか、その部分だけ切ってか、)あげてしまう。するとその子は、古切手売りの露店に売り、代わりに安物の切手シートを何枚かもらう。
最後にそれに気付いたレジーナ。子どもに訊いて露店のあった所に行くと、既に店主は去っていた。
その露店の覆いに書かれていた住所に行くと、その切手収集家の男性は、「このスイスの切手は、三枚で25万ドルの価値のある希少品。一瞬でもこの切手が自分の手元にあったことが光栄です」と返してくれる。もらった切手シートを渡すと、その代金(安価)を渡してくれる。
泥棒と名乗っている、しかし愛してしまっている男とレジーナが国のお金を返す為に(つまり三枚の切手を持って)アメリカ財務省に行くと、
部屋の前で男は、「切手を手渡す所を目撃したら卒倒するからここで待っている」と言う(観客には、泥棒マインドゆえと映る)。レジーナが秘書に案内されて担当者の部屋を開けると、なんと正面の椅子にその男が座っているのだった。
色んな偽名を使ってきたその男に、「あなたは本当に大嘘つきね!」とレジーナは憤慨。
「奥さんはいるの(ミセス〇〇はいるの)?」に「いるよ」。「でも別れた?」と訊くと首を横に振る男。がっかりしてうなだれるレジーナ。そこへ男が「母(ミセス〇〇)もきみを気に入るよ」と母親の写真を見せると、「その名前が偽名じゃないと証明してほしい」とレジーナ。「じゃあ結婚証明書にサインしよう」と言うと、「今なんて言ったの?」と目を輝かせるレジーナ。でハッピーエンド。
セリフが凄いと思った。
一体誰を信じればいいのか分からなくなるレジーナ。しかし結局、自分の直感に従う。そしてそれは、「当たり」だった。
ヘップバーンの役は、ヘップバーン本人の反映なのだろう。世間体や肩書や誰かの言うことではなく、自分の直感を信じ、愛動機で動く主人公。
危機に直面すると、素直に恐怖。しかし正気に戻ると、サバイバルの道を考え、実行。わずかな隙間から逃げ、生き延びる。
最初父と娘という感じの二人が、次第に恋人っぽくなってゆく。
レジーナが、一緒にいたい隣り部屋の彼を自分の部屋に強引に入れると、彼は服のままシャワーを浴び、「着たまま洗うと型崩れしない」とおどける。
映画冒頭はスキー場のシーン。富豪の奥さんとしてバカンスを楽しむ優雅なレジーナ。
この場でレジーナと男は初対面となる。男は自分の身分を偽り、財務省の捜査のため、近づく。
(左から、実は財務省担当官の男、親友の息子、親友、レジーナ)
後に25万ドルの切手を売ってしまうことになる、レジーナの親友の息子。
セーヌ川岸でアイスクリームを食べるシーンで、レジーナは「『パリのアメリカ人』はここで撮影したのよね」と言う。
★ジェスチャー(動作)によって言葉を表現する
シャレード(charade)とは、ジェスチャー(動作)によって言葉を表現するという意味を持ち、主に映画脚本の分野において重要とされる専門用語のことです。元々は「ジェスチャー・ゲーム」のことでしたが、脚本の手法としては、「言葉に頼らず、何かに託して表現すること」というような意味です。説明ではなく、映像で表現すること全般を意味していると考えていいでしょう。ただし、言葉自体はあまり普及はしていないのだそうです。12★
衣装はジバンシィ
『wの悲劇』での、薬師丸ひろ子
01:17~サングラスをかけるパターン。
三角巾の顎結び、こんなに似合うのは、ヘップバーンかグレーテルくらいだろう。
★Wikipediaより★
『シャレード』(Charade)は、1963年のアメリカ映画。ユニバーサル・ピクチャーズ制作のロマンティック・サスペンス映画である。主演はケーリー・グラント
監督はスタンリー・ドーネン 。
日本でも大ヒットし、1963年度1964年度の2年連続で洋画の配給収入のそれぞれ第7位と第5位に入っている[4]。ジバンシィが提供したヘプバーンの衣装が話題となった。2022年にアメリカ国立フィルム登記簿に登録された[5][6]。シャレードとは「謎解きゲーム」の意[7]。
ストーリー
![](https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/1/10/Walter_Matthau_and_Audrey_Hepburn_in_Charade.jpg/240px-Walter_Matthau_and_Audrey_Hepburn_in_Charade.jpg)
スキー旅行先で、富豪の夫チャールズとの離婚を決意したレジーナ・ランパート。旅行からパリの自宅に戻ると、家財道具一切が部屋から持ち出されており、夫の姿も見えない。そこへ、司法警察のグランピエール警部が現れ、チャールズの死を告げる。警部によれば、チャールズは家財道具のすべてを競売にかけ、その落札代金25万ドルを持ってパリ脱出のために列車に乗ったが、何者かに突き落とされたという。警察署で夫の遺品(小さなバッグに手帳、櫛、万年筆、レジーナに宛てた未投函の手紙、偽名のパスポート4通)を受け取り、レジーナは警察署を後にする。レジーナは自宅に戻り途方に暮れていたが、そこにスキー旅行先で知り合ったピーター・ジョシュアが現れ、「夫の事件は新聞で知った。何か協力できることはないか」と申し出る。
チャールズの葬儀は寂しいもので、出席者はレジーナと、レジーナの親友でスキー旅行に同行したシルヴィ、そしてグランピエール警部だけであった。途中、ハゲた小柄な男ギデオン、やせた背の高い男テックス、大柄で右手が義手の男スコビーが現れ、チャールズの柩を確認する。レジーナはアメリカ大使館のバーソロミューからの手紙で呼び出され、チャールズの正体が「チャールズ・ヴォス」という男だと知らされる。チャールズは第二次世界大戦中、OSS(CIAの前身)に所属して対ドイツ戦に従事していた。25万ドル相当の金塊の輸送任務にあったが、葬儀に現れた3人を含めたメンバーたちは金塊を盗まれたことにして密かに地中に埋め、終戦後に山分けすることにし、その後、ドイツ軍の攻撃を受けスコビーが右手に大怪我を負い、散り散りになってしまう中、チャールズが独り金塊を掘り返し、持ち去ったのだという。
チャールズが持ち去った25万ドルの在り処は妻のレジーナが知っているに違いないと信じた3人がレジーナの前に現れ、「金をよこせ」と脅迫する。ピーターは3人の脅迫からレジーナを守ろうとするが、彼も3人と旧知だった。レジーナの信頼を得たピーターが金を独り占めすることを危惧したスコビーは、彼女に電話を掛けて彼の正体を知らせる。レジーナはピーターをホテルの電話で呼び出し、彼は4人と共に金を盗み出したカーソン・ダイルの弟だと告げる。同じ頃、レジーナの親友シルヴィの息子ジャン=ルイを人質にした3人は、彼女とピーターを呼び出して金の在り処を聞き出そうとする。ピーターは「3人の誰かがチャールズを殺して金を独り占めしようとしている」と語り、3人は疑心暗鬼に陥る。5人はそれぞれの部屋を探索するが、途中でスコビーが殺される。
金の在り処を探す中でレジーナとピーターは親しくなるが、バーソロミューから「ダイルに兄弟はいない」と知らされたレジーナは再びピーターに詰め寄る。ピーターは彼女に、自分の正体が泥棒のアダム・キャンフィールドだと告げる。その夜、電話で呼び出されたギデオンが殺され、テックスが行方不明となる。レジーナはテックスが犯人だと疑うが、テックスは「金の在り処を教えろ」とアダムに電話をかけてきたため、アダムは彼女が金の在り処を知っていると考え、2人はチャールズの遺品を確認する。翌日、アダムはテックスの部屋からチャールズのメモ帳を見付け、レジーナを連れて公園に向かう。そこにはテックスも来ており、金の手掛かりを探していた。アダムと別れたレジーナはシルヴィと出くわし、その日が切手市の日だと聞かされ、遺品の手紙の切手が金の正体だと確信する。
![](https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/8/89/Charade_1963_Audrey_Hepburn.jpg/240px-Charade_1963_Audrey_Hepburn.jpg)
遺品である25万ドル相当の切手を手に入れたレジーナは部屋に戻るが、そこではテックスが殺されており、「ダイル」というメッセージを残していた。レジーナはバーソロミューに電話を掛け、パレ・ロワイヤルで落ち合おうとするが、アダムに見付かり逃げ回る。レジーナはバーソロミューに合流するが、追い付いたアダムから、彼の正体こそが戦争で死んだはずのダイルだと聞かされる。バーソロミューは正体を認め、金を手に入れようとレジーナに銃口を向けるが、彼女を劇場で追い詰めるもののアダムに救われる。レジーナは25万ドルの返却にアメリカ大使館へ。しかし、執務室のイスに座っていたのはアダムだった。彼は大使館員のブライアン・クルークシャンクだと名乗り、その証明にレジーナに結婚を申し込む。
スタッフ
- 監督・製作:スタンリー・ドーネン
- 製作補:ジェームズ・ウェア
- 脚本:ピーター・ストーン
- 原作:ピーター・ストーン、マーク・ベーム
- 撮影:チャールズ・ラング・ジュニア
- 編集:ジム・クラーク(ジェームズ・クラーク名義)
- 美術監督:ジャン・ドゥボーン
- 音楽:ヘンリー・マンシーニ
- 主題歌:ヘンリー・マンシーニ、
- ジョニー・マーサー
- タイトル・デザイン:モーリス・ビンダー
- オードリー・ヘプバーンの衣裳:ユベール・ド・ジバンシィ★