『狙われた結婚 The Secret Fury』1950年
サイコスリラー。
一番の味方だと信用していた人が、実は一番の敵だった話。
主人公エレンは、有名ピアニスト。
彼女は父が他界していて、その父の友人であった弁護士を信用していた。
エレンの結婚式当日。
(婚約者とエレン)
(建築家の婚約者)
(父親代わりの弁護士とエレン)
司祭が「二人の結婚に異議を唱える者はいませんか。いなければ永遠に静寂を保て」という(形骸化しているべき、はずの)文句を言うと、
「意義あり、彼女は重婚だ」と訴える者が現れ、式は中断。
身に覚えのないエレンは、婚約者と共に真相を究明しようとする。
人にとって一番怖いのは、自分が、自分の記憶にないところで、何か信じられないことを犯してしまっていることなのかもしれない。
真相究明のために、婚姻届けが受理された町(エレンがピアノのツアーで一人で行った町)に婚約者と行くと、エレンを〇〇夫人とその婚姻届けの相手の姓で呼ぶ人が続出。
エレンは不安になる。
役所で調べると、婚姻届けの署名は、正にエレンのもの。
その婚姻届けの「夫」と会うと、向こうはエレンを知っているが、エレンは初対面。
さあ、どういうことだという話。エレンの記憶障害なのか。
エレンは二人きりのところ、銃で「自分の夫」を殺すことになる。
錯乱したエレンは精神病院に入れられる。
(病院でピアノを弾くエレン)
婚約者も、次第にエレンを信じられなくなりそうになる。
しかし、エレンのクローゼットから、エレンが言っていた巻貝が出てくると、
自信が出て、エレンが話していた海辺に行く。
すると、エレンが言っていた船「ムースノウ」号はない。「モンスーン」号ならある。
しかし、水には「ムースノウ」の文字。(これが面白かった。MONSOON(季節風)を逆さにするとNOOSNOWなのだ。エレンは浜辺に伏せて置いてあった船の名を読んだ(読めたところが面白い))
これで婚約者は、エレンが狂ってはいないと信じ、一人で真相究明へ向かう。
すると、ホテルの使用人が、金を貰って偽装に関わり、会ったことのないエレンを〇〇夫人と呼んだことを告白。
しかしその礼の金を渡そうとすると、その使用人は殺されていて、婚約者は身の危険を感じ、逃げる。
しかし運転し始めた自分の車の後部座席に犯人が潜伏。
後ろから、同じように金属線で首を絞められそうになるが、気付いて格闘すると、相手は車のドアから転げ出て事故死。
一方、この偽装の仕掛け人が誰か分かったエレン。病院を抜け出し、おばの銃を持ち、最も信頼していた弁護士のもとへ。
すると彼は、まるで待っていたかのように冷静に椅子に座り、エレンに背中を見せている。ここが恐かった。人間の脳内と脳外が一致してしまう瞬間というか。自分の脳内と誰かの脳内が一致してしまった静寂というか。
エレンがなぜ、と問うと、彼は、死んだエレンの父親によって、自分は四年間精神病院に入れられていた、その復讐だ、俺を殺せ、と言う。「あなたを殺したら、わたしは一生獄中よ。あ!それが狙いなのね!?」とエレンが逃げると、彼は屋根裏部屋まで追いかけてくる。ここも恐ろしい。死ぬことを恐れず、むしろ欲している人間の強迫。
そこへ婚約者が駆け付ける。
弁護士が婚約者を殺そうとすると、屋根裏部屋の大きな鏡が倒れ、その下敷きになって弁護士が死に、二人が抱き合って、ジエンド。
原題は「The Secret Fury」。直訳は「秘密の怒り」。
これは、エレンの脳波測定の際に出て来る専門用語。
この「秘密の怒り」とは、つまり弁護士の秘めた負のエネルギーのことを指しているのだろうと思った。
脳波。
監督のメル・フェラーは、俳優でもあり、オードリー・ヘプバーンの最初の夫。
★Wikipediaより★
シークレットフューリーは、クローデット・コルベールと
主演の1950年のアメリカのノイリッシュなサイコスリラーです。RKOラジオ・ピクチャーズのメル・フェラー
が監督し、ブロードウェイの伝説的存在であるジェーン・カウル
プロット
裕福なツアーピアニストのエレン・ユーイングが婚約者のデヴィッド・マクリーンと祭壇の前に立っていると、侵入者が結婚式を止め、数ヶ月前にすでに結婚していたと彼女を非難します。見知らぬ男は、海辺の小さな村フェアビュー(エレンの家族が家を構えており、彼女は実際に結婚式の日付と重なる時間を過ごしていた)の登記官によって確認できると主張しています。ユーイング家の長年の弁護士であるグレゴリー・ケントが電話をかけ、地方検事のエリック・ローウェルが同行し、最近になっても元求婚者で、いまだに彼の不調から鋭く頭を悩ませている。誓いの記録が見つかります。
結婚式のゲストと花婿だけでなく、エレンもショックを受けます。夫婦は結婚式を一時的に中止し、何が起こっているのかを調査しようとします。ケントとローウェルの助けを借りて、カップルは彼女の結婚届に署名した平和の正義を追跡し、質問します。彼はすぐに彼女が結婚した女性だと認識し、妻と家政婦も、親切に感謝して送ってくれた白いバラをエレンに感謝します。
その直後、彼らはホテルのメイドに遭遇し、結婚式の日に彼女と彼女の夫に付き添ったことからエレンに見覚えがあると主張する。彼女は、エレンが彼女に贈ったと主張するピンをスポーツし、それはかつてエレンの母親が所有していたものです。ケントとローウェルは、エレンが正気を失っていると確信して立ち去る。
苛立ったデビッドとエレンは、次にエレンが結婚したと非難されている男、ルシアン・ランドールを訪ねる。彼は彼女を奥の部屋に連れて行き、彼女を罵倒し、そして脅迫的になります。銃声が聞こえ、小さな「手帳」が自動的に床に落ちます。ランドールもそうだ。エレンはその場で殺人の罪に問われる。彼女は裁判にかけられ、かつての求婚者によって苦しめられていますが、彼は部下にそれを許した場合に不正の罪を免れるために自分で事件を起訴しているだけでなく、明らかに彼女の拒絶に対してエレンに復讐しています。
やがて、エレンは、自分が知っていること、信じていないこと、誰も信じていないこと、そして絶え間なく苛まれていることの両方に困惑し、証言台で泣き崩れてしまう。ケントは無罪から狂気の嘆願に変更し、彼女は精神病院に収容される。そこに着くと、彼女はコミュニケーションが取れなくなり、歩行昏睡状態に陥ります。
その間、デビッドはエレンの無実を支持し、確信し続けます。デビッドはフェアフィールドのユーイングの隠れ家に用事で乗り出すが、関係者全員が彼女を引きこもり状態から抜け出すのに役立つことを願っている。そこで偶然、彼はエレンの持ち物の中に貝殻を見つけ、彼女がデビッドに説明した証拠として、結婚式の日の彼女の居場所と行動に関する彼女の話を立証するのに役立つ可能性があります。これに触発された彼は、別の手がかりを探そうとし、エレンがあの日ビーチコーミングを見たと言っていたユニークな名前のドーリーを見つけることに成功する。
ダビデは次に平和の正義の家に行きますが、そこは空っぽでした。通りすがりの郵便配達員は、その名前の人は誰もそこに住んでいないと彼に言います。この3つの大ブレイクを武器に、デビッドはケントに電話して朗報を伝え、フェアフィールドに滞在してさらに掘り下げると言います。彼はメイドを見つけるが、彼女は彼を石垣で囲む。誰が彼女をでっち上げたのかを暴露してくれた彼女に「大金」を差し出したデイヴィッドは、その夜遅くに彼女のアパートで会う約束をする。
彼が真実を知る前に、彼女は目に見えない襲撃者によってワイヤーで縛られてしまいます。デビッドはしばらくして到着するが、殺人犯を助けたり捕まえたりするには遅すぎた。警察を呼ばず、彼は車で立ち去る...。そして間もなく、結婚の誓いを邪魔した見知らぬ男に襲われる。彼らは残忍な殴り合いをし、デビッドが勝ちます。デイヴィッドは見知らぬ男から、自分は全てを任され、メイドは殺したが、夫は殺さなかったと告白する。彼は誰が彼にお金を払っているのかを明かすことを拒否し、デビッドの車から飛び降りて死にます。
ダビデが街に戻ると、すぐに物事が落ち着き始めます。彼とケントはエレンを訪ね、彼女がクリアされて解放されると告げるが、それを掴んで現実に戻ったように見えた直後、彼女は恐怖で悲鳴を上げて逃げ出した。しばらくして、デビッド、クララおばさん、ケント、ローウェルが会い、エレンをクララおばさんと一緒に家に帰すことにしました。その後まもなく、クララおばさんはベッドに横たわり、寝室に隠れている完全に頭脳明晰で冷酷な武装したエレンを見つけます。彼女はクララおばさんに部屋にいるように言い、緊張するとマッチを折る独特の方法で彼女に身を委ねたケントをストーカーします。気にも留めず、彼はすべての背後にいたことを告白し、裁判官であるエレンの父親に復讐し、その男が彼に与えた不当なこと、つまり彼がふさわしくないと言う精神病院での4年の刑を宣告した。エレンが出所した今、ケントはエレンに彼を殺すように主張します(彼女はそれを非常に望んでいます)それは彼女が残りの人生を精神病棟の刑務所の後ろに戻ることを確実にするからです。彼は何度も彼女に撃たせようとしますが、彼女はそれに抵抗するのが非常に難しいと感じています。
クララおばさんからの電話で警告を受けたデビッドが現れ、すぐにケントと格闘します。彼らの格闘の中で、ケントは小道具で固定された巨大な木製のフレームの鏡の前に行き着きます。慌てて起き上がろうとするが、彼はそれをノックアウトし、押しつぶされて死ぬ。
抱き合うエレンとデビッド。悪夢は終わった。彼らは自由に結婚するでしょう。
キャスト
- クローデット・コルベール:エレン・R・ユーイング
- ロバート・ライアン - デヴィッド・マクリーン
- ジェーン・カウル:クララ・ユーイングおばさん
- ポール・ケリー:地方検事エリック・ローウェル
- フィリップ・オバー - グレゴリー・ケント
- エリザベス・リスドン(トワイニング博士役
- ドリス・ダドリー - パール・コリンズ
- デイヴ・バーバー - ルシアン・ランドール
- ヴィヴィアン・ヴァンス(ホテルのメイド、リア役
レセプション
は、この映画、特に脚本を激しく非難し、「『シークレット・フューリー』のような立派なキャストが、このR.K.O.のメロドラマのように安っぽく滑稽な人物に降りるとき、映画業界では厳しいものになるだろう。クローデット・コルベール、ロバート・ライアン、ポール・ケリー、フィリップ・オバー、ジェーン・カウル、そして「端役」のホセ・フェレールでさえ、知性よりも肉体的なエネルギーを費やす主要なパフォーマーであるこの意味不明な物語...。スクリーン上で起きているナンセンスな行為をパフォーマーのせいにするのは、明らかな不公平だ」と述べた。(注3)
★