星お月様星空『人間の絆 Of Human Bondage』1934年星空お月様星

Of Human Bondage (1934)

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Of Human Bondage (1934)

Of Human Bondage (1934) | Full Movie | Bette Davis, Leslie Howard ...

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面倒な女性に出会ってエネルギーを吸い尽くされ、その疫病神が消えたとたん人生ステージが一気に数段上がった男の話。

 

片足をひきずっている、画家を諦めパリからロンドンに戻り医者を目指した男ケリー。

医学生になると、カフェでミルドレッドという名のウェイトレスに一目惚れ。

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Of Human Bondage (1934)

Of Human Bondage (1934)

ミルドレッドは奔放で高慢で、男を渡り歩いている。

Of Human Bondage (1934)

ケリーが求婚すると、金持の他の男と結婚すると言って断るミルドレッド。しかし結婚は嘘。

 

ミルドレッドに翻弄されたケリーは、医師の中間試験に落ちる。ミルドレッドは、自分を捨てた金持の子を出産。子供をダシに物乞い生活。その噂を聞いたケリーは、ミルドレッドと子供を自分の家の一部屋に住まわせる。

痴人の愛(1934) - 星屑シネマ

痴人の愛 - 解説・レビュー・評価 | 映画ポップコーン

 

研修で診た患者の娘と仲良くなるケリー。そのことに感づきプライドが傷付いたミルドレッドは、ケリーの叔父が送ってきた、卒業のための金を燃やしてしまう(ここが物凄く悔しかった(ケリーに同情))。

痴人の愛 - 解説・レビュー・評価 | 映画ポップコーン

ケリーは学校を辞めざるを得なくなり、家賃の払いが滞った借家も追い出され、ホームレスに。

患者だった9人の子持ち男性は、退院。彼は百貨店に勤務していた。その伝手で販売の仕事を得るケリー。

ケリーは、学校を辞めた時点で、仲間の好意により、足の手術をしている。

ケリーの叔父が死去し、遺産が入る。その金でケリーは医学学校を卒業。

医者としてのキャリアをスタートさせると、その病院に、行方不明となっていたミルドレッドが運ばれてくる。ミルドレッドの子は既に死去していて、ミルドレッドも肺病(肺炎なのだろうと思った)で死去。

The Many Rantings of John: OVP: Of Human Bondage (1934)

 

海外の医師として雇われることになっていたケリーは、ミルドレッドの死を機に自分の人生を総括。

海外行きを辞め、患者の娘と即結婚することに決め、ジエンド。

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ミルドレッドという疫病神とケリーの足の障害がリンクしていて、映画ラストで、二つの足枷はケリーから去っていく。

 

この二つは、お人好しで、可哀そうな人を放っておけない、優しいというより弱いケリーをタフにするための負荷だったのだろう。

 

1001: A FILM ODYSSEY: OF HUMAN BONDAGE (1934)

 

 

この映画は「『痴人の愛』のタイトルでも知られる作品」らしい(わたしが観たDVDの邦題は「人間の絆」)。

同タイトルの谷崎の「痴人の愛」の主人公男はナオミという新しい女にプレイとして翻弄されたい自虐マニアの文字通りの痴人だが、ケリーは痴人というより気の弱い優男だと思った。また、もしもミルドレッドを痴人と言うなら、彼女に愛はないと思った。

痴人という呼称で指しているのは、登場人物のうちの誰?と思うのだが、結局、人間というもの全体が痴人なのかもしれない。

 

★痴人

[ちじん]

定義

  1. おろかな人。ばかな人。たわけもの。★

 

谷崎の「痴人の愛」の刊行が1925年、この映画の日本公開が1935年。谷崎の小説のヒットを受けて、それにあやかって邦題としたのか、と思った。

 

「痴人の愛」と「人間の絆」。

全然違うと思いきや、一周回って同じか、と思い直した(笑)。

 

映画の原題は、原作と同じ「Of Human Bondage」。

訳は「人間の絆」となっているが、ただのHuman Bondageではない。

前置詞 of に「の……」「というもの」「において」のニュアンスがあるのでは、と思った。

 

「人間の絆」。縁は異なもの味なもの、とも言えるが、悪くとらえると腐れ縁。

人は実際に会った人の影響を、物凄く受けることは間違いなく、誰といつ会うか、が人生を形作ると言っても過言ではない。

こどもは、最初親・保護者の言葉遣いを真似る。その言葉遣いが脳内で思考回路として機能してゆく。

そして自分とは、すなわち自分という空っぽな入れ物に次々入ってゆく自分以外のことなのだから、実際に会った人は、自分の中の大きな一部になるのだ。

 

 

この時代、世界中にミルドレッドのような女性が出現していたのでは、と思った。

というか、従来の「男フィルター」を通すと、当時の自立した自由な女性(職業婦人)は皆ミルドレッドだったのかもしれない。従順で常に笑顔で家事をこなし続ける女性が女性というものだと思い込んできた男性たちにすれば、「新しい女性」は「無愛想」で「怖かった」だろう。

 

ミルドレッドを演じた、ベティ・デイヴィス。「浅はかで計算高く嫌な女」を演じきっていた。女性の本気の役者は、この役をやりたかっただろう。物凄く才能が必要な役だから(美しく駄目な魅力のある女性像。媚びないようでいて本能的に媚びているツンデレ猫でもある。コケティッシュとはこのことか、と思った。)。

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「八月の鯨」で、目の不自由な老女リビーを演じた際のベティ・デイヴィス。

(手前がベティ・デイヴィス。)

八月の鯨 - 解説・レビュー・評価 | 映画ポップコーン

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「八月の鯨」 - TEA FOR ONE

 

原作本。

未定義

 

原作者サマセット・モーム。

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★Wikipediaより★『痴人の愛』(ちじんのあい、原題:英語Of Human Bondage)は、1934年に製作・公開されたアメリカ合衆国の映画である。

概要

サマセット・モームの小説『人間の絆』の映画化作品であり、ジョン・クロムウェルが監督、

John Cromwell - Biography - IMDb

レスリー・ハワード

Leslie Howard

ベティ・デイヴィス

Bette Davis

が主演した。

蓮っ葉でありながらプライドの高いコケティッシュな若々しい娘から人生に疲れきった瀕死の女までを、デイヴィスがみごとに演じ分けている。デイヴィスは1934年度のアカデミー主演女優賞にはノミネートされなかったが、アカデミー協会員のデイヴィスへの投票は認められた。

1946年1964年(邦題『人間の絆』)にも再映画化されている。

あらすじ

医学生のケリーは、友人からウェイトレスのミルドレッドとの仲立ちを頼まれる。友人はこの女の性格の悪いことを知り、すぐに手を引くが、ケリーは彼女に一目惚れしてしまう。じらされたあげく結婚を申し込むと、彼女は恋敵だった金持ちのミラーと婚約したといって去ってしまう。傷心のケリーを、それまで彼に片思いしていたノラが慰める。ある日、ミルドレッドが赤ん坊を連れて現れる。相手の男は妻子持ちで捨てられたのだった。ケリーはノラに別れを告げ、彼女に乳母を頼み部屋を借りてやるが、すぐに友人の一人と駆け落ちしてしまう。

ケリーがある患者の娘のサリーと家族ぐるみ親しくなったころ、男に捨てられたミルドレッド母子が舞い戻ってくる。懲りていたケリーはそれでも自分の部屋を貸すが、ある夜、誘惑に乗らないケリーをさんざんに毒づいたあげく、女は学費の小切手を焼き捨てて逐電する。路頭に放り出されたケリーは、サリーの父に職を世話される。時が経ち、子供を死なせ自ら肺病に冒されたミルドレッドが訪ねてくるが、処方に金を添えて追い返す。

伯父の死によって遺産を相続したケリーは学業に戻り、晴れて医者となる。ミルドレッドが窮死したことを知り、やっと女の呪縛から解放されたケリーは、サリーに結婚を申し込む。

キャスト

  • フィリップ・ケリー:レスリー・ハワード
  • ミルドレッド・ロジャース:ベティ・デイヴィス
  • サリー:フランシス・ディー
  • ノラ:ケイ・ジョンソン
  • ハリー・グリフィス:レジナルド・デニー

スタッフ

  • 監督:ジョン・クロムウェル
  • 製作:パンドロ・S・バーマン
  • 脚本:レスター・コーエン
  • 音楽:マックス・スタイナー
  • 撮影:ヘンリー・W・ジェラード
  • 編集:ウィリアム・モーガン
  • 美術:キャロル・クラーク、ヴァン・ネスト・ポルグレイズ
  • 衣裳:ウォルター・プランケット★

 

 

★Wikipediaより★

痴人の愛』(ちじんのあい)は、谷崎潤一郎

谷崎潤一郎 散策(年表)

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長編小説

Books Kinokuniya: 痴人の愛(改版)(新潮文庫) / 谷崎潤一郎 (9784101005010)

ごく一般的なサラリーマンで君子と呼ばれる真面目な男が、カフェー女給であった15歳のナオミと出会い、自分の妻にする。しかしナオミはやがて男が予想もしなかった女性へと変貌を遂げていく。小悪魔的な女の奔放な行動を描いた代表作で、「ナオミズム」という言葉を生み出した[1]。ナオミのモデルは、当時谷崎の妻であった千代の妹・小林せい子である[2]とされている。谷崎は連載再開の断り書きで、この小説を「一種の『私小説』であつて」としている[3]

1924年(大正13年)3月20日から6月14日まで『大阪朝日新聞』に連載し、いったん中断後に雑誌『女性』11月号から翌1925年(大正13)7月号まで掲載された[4]。単行本は同年7月に改造社より刊行された[5]。★