映画の小部屋☆『リンカーン/秘密の書』☆☆☆☆☆

『リンカーン/秘密の書』

<ポイント>

●"奴隷解放の父"と呼ばれた第16代大統領リンカーンの別の顔は"ヴァンパイア・ハンター"だった!? 想像を超えた仰天の設定で話題沸騰となった『ヴァンパイアハンター・リンカーン』を待望の映画化。

『リンカーン/秘密の書』（リンカーン/ひみつのしょ、原題: Abraham Lincoln: Vampire Hunter ）は、2012年 6月22日にアメリカ合衆国で公開のファンタジー映画である。監督はティムール・ベクマンベトフ。原作はセス・グレアム＝スミスによる小説『ヴァンパイアハンター・リンカーン』である。

日本では2012年11月1日より劇場公開された。

キャスト

役名	俳優
エイブラハム・リンカーン	ベンジャミン・ウォーカー	斧を武器に戦うヴァンパイア・ハンター。
ヘンリー・スタージス	ドミニク・クーパー	リンカーンのヴァンパイア・ハンターの師匠。
ウィリアム・H・ジョンソン（英語版）	アンソニー・マッキー	リンカーンの馴染みで親友。
メアリー・トッド・リンカーン	メアリー・エリザベス・ウィンステッド	リンカーンの妻。
アダム	ルーファス・シーウェル	ヴァンパイアの始祖で、首領。
ジャック・バーツ	マートン・チョーカシュ	リンカーンの母を殺したヴァンパイア。
ジョシュア・スピード	ジミ・シンプソン	雑貨屋の主人。リンカーンの後の片腕。
トーマス・リンカーン	ジョゼフ・マウル	リンカーンの父。
ナンシー・リンカーン（英語版）	ロビン・マクリーヴィー	リンカーンの母。
ヴァドマ	エリン・ワッソン	美貌のヴァンパイア。アダムの腹心。
ジェファーソン・デイヴィス	ジョン・ロスマン	アメリカ連合国（南部連合）の大統領。
ウィリアム・リンカーン（英語版）	キャメロン・M・ブラウン	リンカーンの息子。
ジェブ・ノーラン上院議員	フランク・ブレナン	若きリンカーンを見出し、支援する政治家。
スティーブン・ダグラス	アラン・テュディック	メアリーの婚約者。
ハリエット・タブマン	ジャクリーン・フレミング	黒人女性活動家。
若い頃のエイブラハム・リンカーン	ラックス・ヘイリー＝ジャーディン
若い頃のウィリアム・H・ジョンソン	カーティス・ハリス

映画『リンカーン/秘密の書』新予告編ジョニー・デップとのタッグでおなじみのティム・バートンが製作を務め、『ウォンテッド』のティムール・ベクマンベトフがメガホンを取ったアクション。第16代アメリカ合衆国大統領のエイブラハム・リンカーンがヴァンパイアを退治するハンターだったという奇想天外な設定のもと、人類の存亡を懸けたバトルが壮大なスケールで展開する。...

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凄過ぎる迫力。

すっと入ってぐーっと沈殿させられる。

男はヴァンパイアに血を吸われるとヴァンパイアに。

女と（多分）こどもは死ぬ、というルール（リンカーンの息子の死が、ヴァンパイアによるものという設定）。

リンカーンがヴァンパイアハンターという設定。

これは日本に変換したら、神武天皇がウルトラマン、というような感じ。

禁忌破りというか。

しかし、それくらいしなければ同じ人間を奴隷にしていた罪にボリュームが見合わない。

ダークファンタジーにしなければ、あの時代のことは学習もの

になってしまう。

事実が凄すぎ、想像の入る余地が皆無だから。

そこを、斧と馬力で割り裂いてしまっているダークファンタジー力、ヴァンパイア力に感じ入った。

ヴァンパイアというのは、西洋の必要悪なのだろう。日本から鬼と言う言葉が決して消えないように。

ヴァンパイアを吸血鬼と、巨大蚊の鬼のように訳している、いやそれ以外充てられる言葉のないことからも明らかなように、ヴァンパイアと鬼は二つの文化圏において同義同重量の暗闇なのだろう。

リンカーンのこの斧は、今続行している戦争の流れに振り下ろしてほしいと思った。

原作はこちらの小説。

★『ヴァンパイアハンター・リンカーン』（Abraham Lincoln, Vampire Hunter）は、セス・グレアム＝スミスによる2010年のマッシュアップ小説🔶🔶🔶🔶大衆小説🔶🔶🔶🔶（英語版）である^[1]。

2010年3月16日付の『ニューヨーク・タイムズ』のベストセラーリストでは、初登場4位と評価された^[2]。

あらすじ

後に第16代アメリカ合衆国大統領となるエイブラハム・リンカーンが少年のころ、母を殺した吸血鬼たちへ復讐する。★

映画にはハリエット・タブマンも出て来る。

★ハリエット・タブマン・デイヴィス（Harriet Tubman Davis、1822年 3月頃 - 1913年 3月10日）は、アメリカ合衆国の元黒人奴隷、奴隷解放運動家、女性解放運動家。

タブマンは特に、黒人の逃亡奴隷をひそかに領外に逃がすための秘密結社「地下鉄道」の指導者のひとりとして知られる^[1]。その功績になぞらえて「モーセ」と尊称された^[2]。

2016年、20ドル札のデザインに初めてアフリカ系アメリカ人として初めて採用されるも^[3]、トランプ政権下で棚上げされていたが、2021年1月25日、バイデン政権下で変更手続きが再開されることが発表された^[4]。★

映画『ハリエット』予告編奴隷解放運動家として知られ、アフリカ系アメリカ人で初めて20ドル紙幣の肖像に採用されることが決まったハリエット・タブマンの伝記ドラマ。過酷な奴隷生活をしていた彼女が、やがて奴隷解放運動に身を投じる。メガホンを取るのは『クリスマスの贈り物』などのケイシー・レモンズ。『ホテル・エルロワイヤル』などのシンシア・エリヴォ...

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予告編冒頭スピルバーグ監督がメッセージを付与している意味を感じる。これは娯楽物ではなく、人類のシェアすべき事実なのだ、という。

映画『リンカーン』新予告編巨匠スティーヴン・スピルバーグによる、第16代アメリカ合衆国大統領エイブラハム・リンカーンの伝記ドラマ。奴隷制の廃止と禁止を強固なものにし、泥沼化した南北戦争を終結させるため、憲法の修正に挑むリンカーンの戦いを重厚なタッチで映し出していく。『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』などのダニエル・デイ=ルイスがリンカーンに...

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「万人が解放されなければ、我々全員が奴隷のままなのだ」という、映画の中で何度も出て来る言葉に何度も首肯。

★ストーリー

舞台はアメリカ、インディアナ州。農家の息子であるエイブラハム・リンカーンは、友人で黒人のウィル―ウィリアム・H・ジョンソンが雇い主であるジャック・バーツから暴行されている場面に出くわし、止めようとする。しかし、それが原因でバーツの怒りを買ってしまう。バーツはエイブラハムの父・トーマスに解雇を告げ、借金を全額返済するように迫るが、トーマスは取り合わない。その深夜、階下で眠る母・ナンシーの元に、不気味に目を輝かせたバーツが忍び寄るのを目撃するリンカーン。翌朝、ナンシーは全身蒼白の姿姿で痙攣を繰り返していた。左手首を中心として全身に血管を浮き出させ、原因不明の病でそのまま急逝してしまう。

それから9年の月日が経過する。たくましく成長したリンカーンは、トーマスの死を期にナンシーの仇を取ろうする。そして夜分、バーツへ銃を突き付け、そのまま右目を撃ち抜く。しかしバーツは斃れるもたちまち蘇生し、人間離れした怪力でリンカーンに襲い掛かった。危うい所を助けに入ったのは、ヴァンパイア・ハンターを名乗るヘンリー・スタージスだった。ヘンリーはリンカーンに、バーツは凶悪なヴァンパイアであり、アメリカ南部では黒人奴隷を糧にしてヴァンパイア達が影でのさばっている事、北部にもその支配の手を伸ばしつつある事を教え、手を引くように促す。しかし引き下がらないリンカーンに、「復讐は忘れ、人類をヴァンパイアから守る為に戦う」「弱味となるので家族や恋人を持つなど親交を深めない・誰にも気を許さない」の条件を出し、リンカーンをハンターとして育て上げることにする。リンカーンが操る武器は、開拓農民として使い慣れた斧だった。

厳しい修行を終えて立派なヴァンパイア・ハンターとなったリンカーンは、単身スプリングフィールドへと移住。昼は雑貨店に勤めながら弁護士を目指し、夜は街に紛れるヴァンパイアをヘンリーの指示のままに狩るハンターという二重生活を送るようになる。着実に腕を上げていくリンカーンは、ヴァンパイア達から脅威として恐れられるようになった一方、後に妻となる女性、メアリー・トッドと恋に落ち、苦悩していた。結局、ヘンリーの過去も踏まえたリンカーンが取ったのは、闇に隠れてあくまで密かに孤独を生きるのではなくメアリーと結婚して、政治的に黒人奴隷解放に尽力するという道だった。そんなリンカーンの戦闘力に目を付けたヴァンパイアの始祖・アダムは、リンカーンの旧友・ウィルをニューオーリンズへ連れ去ると、リンカーンにヘンリーを討つよう持ち掛けるのだった。

後の片腕、ジョシュア・スピードの協力によって辛くもウィルを救い出して北部へと逃げ帰ったものの、ニューオーリンズの一件で南部の惨状を目の当たりにしたリンカーンは、国を守るにはヴァンパイア達を倒すのが急務と痛感。ハンターではなく、政治家としてアメリカの人々を導いて行くのを決意する。だが大統領となり南北戦争へと国民を率いるリンカーンに対し、ヴァンパイアの王国創設を目指すアダムは戦線にヴァンパイアを投入、南軍に紛れたヴァンパイアの驚異的な身体能力に為す術のない北軍は連敗、大量の犠牲者を出して、南北戦争は泥沼化してしまう。度重なる敗北に、ヘンリーはアダムとの休戦、スピード達も撤退を提案するが、リンカーンは頑として受け入れない。そんな中、アダムの腹心・ヴァドマによって、リンカーンはとうとう幼い息子、ウィリーを

かつての母と同じように殺されてしまう。嘆くメアリーを前に、北軍の装備に、ヴァンパアイアが苦手とする銀製品を秘密裏で補給するのを思い付いたリンカーンは、ウィルとスピードのたった3人で、かのゲティスバーグへと向かう補給列車を護送。深夜の激闘の末にアダム一味を下し、メアリー達と連携して北軍の劣勢を覆すと、南北戦争を勝利で締め括るのであった。★

途中、「ヴァンパイアは銀が苦手」という師匠の言葉を思い出すエイブラハム。

それは食事中。もうどうにもならない、こっちはまるでフォークのようなものだ、と自陣の非力さを形容して振り上げたその銀のフォークを見て「そうだ！」となる。

そういう瞬間が人生というものの面白いところ。

きっと、全ての袋小路の先に楽園は用意されているのだ。

袋小路か……と袋小路をちょっと見ただけで去ってゆくと、それが紙に描いた袋小路であることに気付かぬままチャンスを失うのだろう。

リンカーンは人々から銀を集め、熔かす。

★銀貨30枚（ぎんか30まい、英語:Thirty pieces of silver）とは、新約聖書に登場する象徴的な器物の1つ。マタイによる福音書26:15によれば、イスカリオテのユダはイエス・キリストを裏切った代価として銀貨30枚を得たという^[1]。最後の晩餐の前に、ユダは祭司長のところに行って銀貨30枚と引き換えにイエスを引き渡すことに同意したが、後に後悔の念に苛まれてそれを返そうとしたとされる。

マタイによる福音書は、ユダが返した銀貨30枚でエルサレムの祭司達がポッターズ・フィールドを購入したことは、イエスがゼカリヤの予言を成就させたものだ、としている^[2]^[3]。

イエス・キリストの受難を描く絵画には銀貨30枚がよく取り上げられる。また、キリスト教圏の文学作品や演説などでは、私利私欲のために他人を「売り渡し」、信頼、友情または忠誠を損なう人物を指す語として銀貨30枚（Thirty pieces of silver）という言い回しが使われる。★

（裏切りの対価として銀貨30枚を受け取ったユダ、János PenteleiMolnár、1909年。）

（アンティオキアのスタテル銀貨は、実際に支払われたであろう銀貨の候補の一つである。）

南北戦争の南部にヴァンパイアが加担する。

★南北戦争（なんぼくせんそう、英語: American Civil War）は、1861年から1865年にかけて^[12]、北部のアメリカ合衆国と合衆国から分離した南部のアメリカ連合国の間で行われた内戦である。奴隷制存続を主張するミシシッピ州やフロリダ州など南部11州が合衆国を脱退してアメリカ連合国を結成し、合衆国にとどまったその他の北部23州との間で戦争となった。この戦争では史上初めて近代的な機械技術が主戦力として投入された。

英語における「civil war」は単に「内戦」を意味する語だが、アメリカ合衆国では独立後に内戦があったのはこの時だけなので（ユタ戦争などの内乱と呼ぶべき物はいくつかある）、国内では通常これに定冠詞をつけ大文字にして「the Civil War」と表記する。アメリカ以外の国では自国の内戦と区別するため、国名を冠して「American Civil War」と表記する（南北戦争のネーミングを参照）。★

映画では、リンカーンの妻メアリー・トッドが、ハリエットに助言を求めてワシントンを出る。（リンカーンもそれを望んでいた。）

実際のメアリー・トッド▼。

★メアリー・トッド・リンカーン （Mary Todd Lincoln　1818年 12月13日 - 1882年 7月16日）は、エイブラハム・リンカーン第16代アメリカ合衆国大統領の妻（アメリカ合衆国のファーストレディ）。

★

ヴァンパイアの始祖で首領であるこの▼男の名前が、アダム。

昼は大統領、夜はハンター、と言うと、とたんにカートゥーンめく。というかバットマンめく。

エイブラハム・リンカーンを演じた

ベンジャミン・ウォーカー

。はまり役だったと思

う。

重量があり、嵐でも飛ばされない体躯が、アメリカの父という感じ。そのリンカーンに夜の別の顔があるという設定にワクワクする。実直な印象のリンカーンの夜の別の顔は、チャラくてはならない。結果ヴァンパイアハンターという、日本でいうと鬼退治桃太郎ということに。斧というのが開拓精神という感じ。ギロチンも思わせ、歴史の重みも感じさせる。正義の悪魔退治にふさわしい武器。銃では西部劇めく。スタイル、ファッションめく隙がある。しかし実用にしかなれない斧という朴訥さが真剣さ、本気さ、一刀両断さ、一人決断感、極道感を出す。

妻メアリーがワシントンを出ると、エイブラハムは鍵をかけて封印していた斧を取り出す。メアリーはエイブラハムの日記を密かに読み、彼がヴァンパイアハンターだということを知っている。妻に知られたことをエイブラハムも承知。

北軍の装備に、ヴァンパアが苦手とする銀製品を秘密裏で補給するのを思い付いたリンカーンは、

ウィル

とスピードの

たった3人で、かのゲティスバーグへと向かう補給列車を護送。

列車に乗る前、スピード▲は敵のヴァンパイア女に、エイブラハムがヴァンパイア退治のために銀を集めていることを漏らしていた。

「なぜ友人を裏切って私に？」と言う女に「彼より国の方が大事だ。国を引き裂く戦争は彼に責任がある」と言っていた。

エイブラハムのヴァンパイア・ハンターの師匠ヘンリー・スタージス（実はヴァンパイアだった）が▼、スピードの裏切りを列車のリンカーンに知らせにくる。「列車から降りろ」とヘンリー。「降りない、これは君の戦争ではない」とリンカーン。

巨大な蛭のように、走る列車に次々飛び乗ってくるヴァンパイアたち。

「行けば死ぬ。降りろ、命がない」とヘンリー。

幼馴染であるエイブラハムとウィルの絆は強い。

エイブラハムは子供の頃、黒人のウィルを庇って酷い目にあっていて、成人したウィルは、弁護士を目指してスピードの店で働くエイブラハムを訪ねてきたのだ。

この二人はこの戦争を下りる訳にはいかない。

エイブラハムは大統領として、ウィルは黒人として、この戦争を見過ごす訳にはいかないのだ。

斧の柄は銃にもなる。

エイブラハムとウィルは、走る列車の上でヴァンパイアたちをめっさめっさと退治する。

ラスボス・アダムが登場。「歴史はお前を人ではなく、魔物として記憶する！」とエイブラハムを噛もうとするアダム。

噛んだ！と観客が思うと、それは師匠

の腕。観客、泣く。（これはハプニング的早業故カウントされないということなのだろう。ヴァンパイアはヴァンパイアを攻撃できないことになっていたから）

ヴァンパイア女が、列車の木の橋に火を放つ。

ラスボス・アダムが列車の中の木箱を開けると、そこには石。

この列車は、戦地に銀を運ぶとみせかけたカモフラージュ列車。スピードはミスリード（誤導）をしたのだ。ほっとする観客。

運転席のスピードが前方に燃える橋を確認。

「エイブ！」と足をひきずり歩くスピード。

アダムにつかまるスピード。「なぜ俺たちを騙した？」と言うアダムに、「お前たちを一網打尽にするためさ」とスピード。スピードの首を噛むアダム。「ノー！」とエイブラハム。

列車は転落。スピードも死んだらしい。

橋の上を逃げるエイブとウィル。

「銀はどこだ！」とアダム。

「ここだ！」と銀の鎖を巻いた拳でアダムの腹を一撃するエイブ。その拳は、アダムの内臓深くにまで入った。

蒸気機関車と共に火の中に落ちてゆくアダム。

ヴァンパイアである師匠ヘンリーは生きている。

「ありがとう、ヘンリー。ヴァンパイアにも信用できる奴はいるようだな」とエイブ。

「人間もな、エイブラハム」とヘンリー。

黒人と白人、南部と北部、ヴァンパイアと人間、潮目のような時空間。

「列車が囮なら、銀はどこにある？」と訊く師匠。「運ぶ方法は他にも」とウィル。

「かつて、賢い男が言った。『不測の事態に備えろ』と。」とエイブ。

銀は、エイブの妻のメアリーとハリエットたちが歩いて運んでいたのだった。

ここで、関所破りをする江戸の人を思った。

★国定忠治が大戸（現・群馬県吾妻郡東吾妻町）の関所を破って磔刑（たっけい）になったように、関所破りは重罪であった。しかし、関所を通行するためには関所手形などが必要だったので、これを持たない者が関所を越えようとすると、関所破りをするしかない。ただ、江戸時代を通じて関所破りで処刑された者はほとんどない。それは、関所の周辺の村人らが、抜け道を知っており、若干の礼金で案内してくれたからである。たとえば箱根関所は、小田原城主が預かっていた。江戸に向かう者は、すでに新居（現・静岡県湖西市）の関所で改められているということで簡単に通行できたが、江戸から出る者は厳重に取り調べられた。★

実際のメアリーは浪費家で、エイブラハムが暗殺された後は世捨て人になったらしいが、この映画では、ハリエットと盟友のような感じに描かれていて、理想、と思った。

しかし、ヴァンパイア女は生きている。この女は、すれ違うときに警戒したものの同僚に急かされ、身バレせぬようにしていたメアリーたち銀運びの集団を見逃していたのだ。

女ヴァンパイアに銃口を向けるメアリー。ここが現代だと思う。

メアリーは、ヴァンパイアに殺された息子が遊んでいたおもちゃの銀の剣を、ペンダントトップにして首にかけている。

そのペンダントを銃口に入れ女ヴァンパイアに向けて撃つと、女ヴァンパイアは吹っ飛び、倒れる。額に刺さったペンダントから、小さなおもちゃの銀の剣が出ている……。

大砲に、銀の球が詰められヴァンパイアに向けて放たれた。

人々は銀の武器で戦った。

銀のフォークをヴァンパイアの頭に刺して殺す戦士もいる。

ヴァンパイアは、自分たちの国を作り、闇から脱出するつもりだった。

シーン変わって、「今から87年前……」とリンカーンがスピーチを始める。

「人民の人民による人民のための政治を、地上から絶滅させぬために」……

★アメリカ合衆国の第16代大統領エブラハム・リンカーンが，1863年11月に行なったゲティズバーグ演説のなかで述べたことば。民主主義の精神を最もよく表現したことばであるとされている。★

★1863年11月19日，アメリカ合衆国の南北戦争の激戦地，ペンシルバニア州ゲティズバーグを国立墓地とする式典で，エブラハム・リンカーン大統領が行なった演説。1863年7月，同地で起こったゲティズバーグの戦いを記念し，戦死者を葬るこの式典でリンカーンは，南北戦争は民主主義擁護の戦いであるとし，「人民の，人民による，人民のための政治が永久に地上から消え去ることがないように」と述べ，民主政治の理念を明らかにした。★

アメリカ合衆国の歴史 - Wikipedia