『カールじいさんの空飛ぶ家』
人生って、最高の冒険だ。
感動が空にひろがる。
2009年度世界中で大ヒットのディズニー/ピクサー最新作!
『カールじいさんの空飛ぶ家』
監督は『モンスターズ・インク』のアンドリュー・スタントン。一人になったことを契機に、一世一代の冒険へと旅立つ78歳のカールじいさん、という全く新しい主人公が繰り広げる冒険を通じ、果てなき可能性のある人生のすばらしさを教えてくれる、ピクサー10作目を飾るにふさわしい作品です。
<ストーリー>
カール・フレドリクセンは78歳のおじいさん。風船売りの仕事も引退し、亡き妻エリーとの思い出が詰まった家で、一人きりで暮らしていた。
ある日、カールはトラブルを起こし、老人ホームに強制収容されることに。その時、彼はエリーとの「いつか南米を冒険しよう」という約束を果たすため、人生最初で最後の冒険の旅に出ることを決意する。そして、大切な我が家に無数の風船をつけて、家ごと旅立った。目指すは南米の秘境、伝説の場所、パラダイスの滝!
苦々しいこれまでの生活からようやく離れられ、久しぶりに穏やかな表情を取り戻したカールだったが、空を飛んでいる家の外からドアをノックする音が。開けてみるとそこには「お年寄りお手伝いバッジ」を手に入れて自然探検隊員のランクアップを目指す少年ラッセルがいた。やっかいなことになった、と思いながらも、カールはパラダイスの滝を目指す。思いもよらぬ運命が待ち続けているとも知らずに・・・。
『カールじいさんの空飛ぶ家』(カールじいさんのそらとぶいえ、原題: Up)は、ピクサー・アニメーション・スタジオが製作した2009年公開のアニメーション映画である。ピクサー初のディズニーデジタル3-D版も同時公開された。同時上映は短編アニメーション『晴れ ときどき くもり』(原題: Partly Cloudy)。
アニメーション映画としては初めて第62回カンヌ国際映画祭のオープニング作品となった。 第67回ゴールデングローブ賞アニメ映画賞・作曲賞受賞。また第82回アカデミー賞にて、アニメーション映画としては1991年の『美女と野獣』以来史上2度目となる、作品賞候補入りを果たした。
本作のスピンオフのTVシリーズ『ダグの日常』がDisney+にて配信された。なお、TVシリーズでもカール役を担当するエドワード・アズナーは2021年8月29日に亡くなったためこれが遺作となった。
2023年5月、本作のスピンオフ短編作品となる『カールじいさんのデート』を同年8月に公開予定の『マイ・エレメント』にて同時上映することを発表した[3]。
あらすじ
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勇敢な冒険家チャールズ・マンツに憧れる少年カールは1軒の空き家で、同じく冒険好きでマンツに憧れる少女エリーと出会い、意気投合する。成人した二人はやがて結婚し、初めて出会った空き家を新居とした。マンツが消息を絶ったという“伝説の滝”パラダイス・フォールについて語り合い、いつか二人で見に行こうと約束する。二人は夫婦の時間を楽しみ、長い間共に幸せに生きてきたが、度々の出費で中々滝への旅行費用が貯まらない事に加え、子供は授からなかったところを、カールがついに渡航チケットを手に入れた矢先、エリーは病に倒れ、亡くなってしまう。
最愛の妻を失ったカールは、街の開発計画によって周囲に高層ビルが建設されていく中、妻との思い出が詰まった家を守るため、立ち退きの要求を頑固に拒み続けていた。ところがある日、工事関係者が誤ってカールの家のポストを壊してしまい、怒ったカールは工事関係者を殴って怪我させてしまい、裁判の判決で立ち退かざるをえなくなってしまう。そしてこれをきっかけに、妻との約束を果たす事を決心し、10297個もの風船を結びつけた家ごとパラダイスフォールに向けて旅に出る。しかし、飛び立った後で“お年寄りのお手伝いバッジ”を手に入れて自然探検隊員としてのランクアップを目指している少年・ラッセルが家に入り込んでいた事に気付く。
“お年寄りのお手伝いバッジ”入手に必要な書類へのカールの署名をしつこく求めるラッセルの助けもあってパラダイス・フォールのある土地にたどり着いた二人だったが、着地したのは滝から離れた場所だった。ラッセルの提案で家が浮くことが出来る限界の3日後までに滝まで移動しようと家をロープで引っ張って移動している最中、ラッセルが巨大な怪鳥・ケヴィン、そしてケヴィンを追っていた犬・ダグと遭遇し「ペットにしたい」とカールに懇願。成り行きで二匹も同行する事になった。
キャッチコピー
全て日本版。
- 愛する妻が死にました― だから私は旅に出ます。(チラシ・テレビスポット)
- いくつになっても、旅に出る理由がある。(予告編・前売チケット)
- じいさんだって、飛べるんです。 (特報・パネル)
- 人生、このままじゃ、終われない。 (新聞広告)
- 人生って、最高の冒険だ。(DVD・ブルーレイ・microSD)
- 僕のともだち、78歳。(DVD・ブルーレイ・microSD)
登場人物
主要人物
- カール・フレドリクセン
- 主人公。無口で頑固な78歳の老人。冒険好きだった少年時代に同じ冒険好きの少女エリーと出会い、結ばれる。本来は口数が少ないが子供好きの優しい性格でエリーと初めて出会った家を新居にして幸せに暮らしていたが、エリーを病気で亡くすと、エリーとの思い出が詰まった家を守ろうとするあまり頑固な性格になる。最近は足腰が弱くなって来た為、階段は普段電動椅子で昇降し、テニスボールがクッション代わりの4つ足の杖を使っている。偶然工事関係者がポストを壊した事で、これに怒ってその工事関係者を杖で殴り怪我をさせてしまい、裁判で立ち退きの判決を受けるが、これを機にエリーとの約束を果たすため、風船をつけた家と共に旅に出る。当初は妻との約束である目的を果たす事のみに執着し周囲に冷たく当たっていたが、ラッセルと旅をする内に本来の自分を取り戻していく。
- ラッセル・キム
- 好奇心旺盛なボーイスカウトの少年。肥満体型の8歳。仕事にかまけて一度も会話をしたことがない父親と話すべく「お年寄りの手伝いをする」という任務を遂行し、“お年寄りのお手伝いバッジ”の授与式に父を出席させるため[4]、何かできないことはないかとカールに付きまとっていた。父親の再婚相手である義母に心を開けないでいる。カールの旅立ちの際に家に紛れ込み、旅に同行することになる。父親に会う為だけにボーイスカウトのバッジが欲しいだけなのでマナーや実地訓練はほとんど受けていないに等しく、テントの張り方は知らず、位置確認はGPSで済ますだけだったり、野生動物であるケヴィンに平気でチョコレートを与えてしまったり、ペットとして飼いたいと思う等普通の少年とそれほど大差ない。更にロープ昇りが出来ないなど体力や運動能力も良くはない。マンツに捕獲されたケヴィンを救出すべく、自身も数個の風船を付けて手持ち送風機を動力に飛行し、マンツの飛行船に立ち向かう。
- ダグ
- 首輪に犬語翻訳機をつけた犬。マンツの犬軍団の一匹で命じられた任務を遂行しようとしていたが、仲間達からは落ちこぼれ扱いされており、常に一匹で行動している。カール達と行動を共にするうちにカールを主人として慕うようになる。大勢いる犬の中で彼だけがデフォルメされて描かれている。
- 短編アニメでカールたちとの出会いまでの物語が描かれており、二人と出会った日が彼の誕生日であることが判明した。
- ケヴィン
- マンツが生涯を賭けて捜し求めている伝説の怪鳥。体長12フィート(3m65cm)で、カラフルな羽毛をもつ。足跡の形状と外見からラッセルからはシギだと思われている。ラッセルと出会い、彼が偶然与えたチョコレートが好物となり、人にもなつくようになる。ラッセルを放り投げて遊ぶほど首と脚が強靭で、カールとラッセルを乗せて走れる。ラッセルがオスだと思って名付けたが実は雌で、巣には子供もいる。彼女の巣は入り込むと脱出不可能な石の迷宮の中にある。
マンツとその関係者
- チャールズ・F・マンツ
- 30年代に活躍した冒険家で子供時代のカールやエリーが憧れていた存在。現在は94歳。実は本作のディズニー・ヴィランズである。「パラダイスの滝の怪物」とされる怪鳥の骨が偽物と断定されたことで、冒険家協会の協会員資格を剥奪され、名誉挽回のために「怪物を生け捕りにするまで戻らない」と宣言し、南米へ再び旅立ってからは、洞窟に飛行船を置きアジトとし、犬軍団を従えて怪物(ケヴィン)を探し続けていた。
- 長らく捕らえられずにいた怪物に執着しており、さらに過去の出来事から疑心暗鬼になっている。旅の途中のカールと対面し、最初は意気投合するが、誤解により彼らが怪物を手に入れるために南米に来たのだと勘違いした挙句、ケヴィンを手に入れるのに邪魔な彼らを始末しようとまで企む。最終的にはカール達との熾烈な対決の末に飛行船から雲の下に落下する最期を迎える羽目になった。その後、伝説の鳥(ケヴィン)を捕える必要がなくなった為、マンツの犬軍団は解散した。
- アルファ
- マンツの犬軍団のリーダーであるドーベルマン。命じられた任務を忠実に遂行する。彼の犬語翻訳機は本来は低めの声だが、故障しておりちょっとしたショックで声が高くなったりしている。ベータやガンマなどの部下の犬達も犬語翻訳機をつけている。彼らマンツの犬たちは戦闘機の操縦をするなど賢い一面もあるが根は普通の犬と同じ習性を持ち、ボールを追いかけたり、「リスがいる」と言われた方向に注意が向いたりする。カール達の対決後、マンツの犬軍団は解散し、エンドロールでは新しい飼い主達と幸せに暮らしている様子。
その他
- エリー
- カールの妻。大変活発な夢追う少女時代に、空き家で冒険の魅力に目覚め始めたカールと出会い意気投合。自身が作った「冒険クラブ」に誘い、これを機に、親交を深めてカールと結婚した。二人はお金を貯めてパラダイス・フォールへの旅を考えていたが、車が故障したり、自宅の老朽化や仕事等々にてお金が貯まらず夢も途中。そして子どもには恵まれなかったものの[5]、長年の日々を2人で幸せに暮らしたが病に倒れてしまい、約束を断念せざるを得ない死の直前に子供の頃に大切に作り上げた「わたしの冒険ブック」をカールに託す。
キャスト
役名 | 原語版声優 | |
---|---|---|
カール・フレドリクセン | エドワード・アズナー | |
チャールズ・F・マンツ | クリストファー・プラマー | |
ラッセル・キム | ジョーダン・ナガイ | |
ダグ | ボブ・ピーターソン | |
ベータ | デルロイ・リンドー | |
ガンマ | ジェローム・ランフト | |
アルファ | ボブ・ピーターソン | |
トム | ジョン・ラッツェンバーガー | |
アナウンサー | デヴィッド・ケイ | |
エリー(子供時代) | エリザベス・ドクター | |
カール(子供時代) | ジェレミー・レアリー | |
- 「パラダイスの滝」のシーンはギアナ高地に実在する滝(エンジェル・フォール)
- を取材したもの[6]だが、1925年の無声映画「ロスト・ワールド」
- へのオマージュが込められている。
- カールの容姿は、名優スペンサー・トレイシー
- の晩年をモチーフにしている。
素晴らし過ぎて泣いてしまった。
この子、ラッセル・キム▼との出会いが、カールじいさんの心の扉を開いた。ラッセルは8歳なのだが、犬たちからは郵便配達人と間違えられる(笑)。
★ラッセル・キム
- 好奇心旺盛なボーイスカウトの少年。肥満体型の8歳。仕事にかまけて一度も会話をしたことがない父親と話すべく「お年寄りの手伝いをする」という任務を遂行し、“お年寄りのお手伝いバッジ”の授与式に父を出席させるため[4]、何かできないことはないかとカールに付きまとっていた。父親の再婚相手である義母に心を開けないでいる。カールの旅立ちの際に家に紛れ込み、旅に同行することになる。父親に会う為だけにボーイスカウトのバッジが欲しいだけなのでマナーや実地訓練はほとんど受けていないに等しく、テントの張り方は知らず、位置確認はGPSで済ますだけだったり、野生動物であるケヴィンに平気でチョコレートを与えてしまったり、ペットとして飼いたいと思う等普通の少年とそれほど大差ない。更にロープ昇りが出来ないなど体力や運動能力も良くはない。マンツに捕獲されたケヴィンを救出すべく、自身も数個の風船を付けて手持ち送風機を動力に飛行し、マンツの飛行船に立ち向かう。★
- このお話は、三世代の探検家(チャールズ→カール→ラッセル)の視野と愛の拡大、心の進化のようにも見える。探検の現場南米での関心範囲が、自分の功名心→夫婦の思い出→全生き物、と年が若いほど広くなってゆくのだ。
- チャールズ・F・マンツ▼は、カールじいさんがこどもの頃に憧れた探検家。
- ★チャールズ・F・マンツ
- 30年代に活躍した冒険家で子供時代のカールやエリーが憧れていた存在。現在は94歳。実は本作のディズニー・ヴィランズ(悪役・敵役)である。「パラダイスの滝の怪物」とされる怪鳥▼
- の骨が偽物と断定されたことで、冒険家協会の協会員資格を剥奪され、名誉挽回のために「怪物を生け捕りにするまで戻らない」と宣言し、南米へ再び旅立ってからは、洞窟に飛行船を置きアジトとし、犬軍団を従えて怪物(ケヴィン)を探し続けていた。
- 長らく捕らえられずにいた怪物に執着しており、さらに過去の出来事から疑心暗鬼になっている。旅の途中のカールと対面し、最初は意気投合するが、誤解により彼らが怪物を手に入れるために南米に来たのだと勘違いした挙句、ケヴィンを手に入れるのに邪魔な彼らを始末しようとまで企む。最終的にはカール達との熾烈な対決の末に飛行船から雲の下に落下する最期を迎える羽目になった。その後、伝説の鳥(ケヴィン)を捕える必要がなくなった為、マンツの犬軍団は解散した。★
- チャールズは伝説の鳥の骨格を持ち帰ったが、偽物と断定されたため、生け捕りするまでは戻ってこないと宣言し▼南米へ。そして南米の洞窟で獰猛な犬たちを手下に捜索活動を続け94歳になっていた。そこへ、探検好きの最愛の妻エリーを失ったカールが、エリーの、幻の滝を見たい、その近くに家を建てたいという夢を叶えるためにラッセルと共にやって来たのだった。
- カールじいさん。カール・フレドリクセン。
- ★主人公。無口で頑固な78歳の老人。冒険好きだった少年時代に同じ冒険好きの少女エリーと出会い、結ばれる。本来は口数が少ないが子供好きの優しい性格でエリーと初めて出会った家を新居にして幸せに暮らしていたが、エリーを病気で亡くすと、エリーとの思い出が詰まった家を守ろうとするあまり頑固な性格になる。最近は足腰が弱くなって来た為、階段は普段電動椅子で昇降し、テニスボールがクッション代わりの4つ足の杖を使っている。偶然工事関係者がポストを壊した事で、これに怒ってその工事関係者を杖で殴り怪我をさせてしまい、裁判で立ち退きの判決を受けるが、これを機にエリーとの約束を果たすため、風船をつけた家と共に旅に出る。当初は妻との約束である目的を果たす事のみに執着し周囲に冷たく当たっていたが、ラッセルと旅をする内に本来の自分を取り戻していく。★
- こどもの頃のエリーとカール。
- エリー
- ★カールの妻。大変活発な夢追う少女時代に、空き家で冒険の魅力に目覚め始めたカールと出会い意気投合。自身が作った「冒険クラブ」に誘い、これを機に、親交を深めてカールと結婚した。二人はお金を貯めてパラダイス・フォールへの旅を考えていたが、車が故障したり、自宅の老朽化や仕事等々にてお金が貯まらず夢も途中。そして子どもには恵まれなかったものの[5]、長年の日々を2人で幸せに暮らしたが病に倒れてしまい、約束を断念せざるを得ない死の直前に子供の頃に大切に作り上げた「わたしの冒険ブック」をカールに託す。★
- この夫婦の結婚してからが、言葉なく走馬灯のように流れる。色々あったがとても仲の良い夫婦のあっという間の幸せな人生でした、という感じで。
- その流れが切なくて胸が痛くなる。
- そして、エリーのいなくなった空っぽな家にカールじいさん一人。
- 自分の家の周りは工事中。立ち退いてほしい開発業者。
- 断固として立ち退かないぞ、というカール。この家は、エリーそのもの。二人の思い出そのもの。
- そんな中、工事作業車が、エリーとカールの大事な思い出の郵便受けを壊してしまう。
- 怒り心頭に達したカールは、そこにいた作業員を殴ってしまう。
- 頭から血が出る作業員。裁判が行われ、カールじいさんは敗訴。立ち退きが決定した。
- 「明朝老人ホームの人が迎えに来ますから」という連絡を受けたカールじいさん。
- 朝になり、老人ホームのスタッフが迎えに来ると、荷物を渡し、ヘリウム入りの風船を付けた家ごと空に飛び立った(笑)。エリーの夢を叶えるために。ヘリウムが持つのは三日間。それまでに辿り着かねばならない。
- 空を飛んでいるとノック。そんなバカなと開けてみると、さっきやってきた、やたら元気で純真なボーイスカウトの男の子。
- 家は、一人で住み続けているとやがてその人の墓になるしかなくなる。
- 中の人も家も、生き続けるには、新参者のエネルギーが必要なのだ。
- 途中、家が重すぎて飛べないというとき。カールじいさんは思い切ってエリーとの思い出の品を家から出して軽くして飛べる、となる。これは断捨離。物心両方の。いや、物を捨てるとしがらみになっていた思い出も捨てられる。物は象徴。物とは、存在の象徴。実は物質などこの世には存在していないのかもしれない。人間の脳内に物質というビジョンがあってそれを人類が共有しているだけで。実はどこにも、この世などないのかもしれない。あるのはただ意識と、その集合である想念だけで。
- 「新しい冒険を始めて」。これはエリーの「わたしの冒険ブック」に付け加えられた、エリーからカールへの感謝の言葉。
- エリーは自身の死期に気づき、遺言をブックの後ろにしたため、カールに手渡した。
- その言葉があることを、カールはしばらく気づかなかったのだろうと解釈した。エリーのこどもの頃の書き込みしかないだろうと思い込んでいたのだろうと解釈した。
- その言葉を今必要になった時に気づいて読むことになり、カールは心のギアチェンジをする。これまでは、エリーとの思い出の家を守り、エリーの果たせなかった思いを遂げることがモチベーションだった。だから、怪鳥のケヴィンが捕まっても気付かない。
- ケヴィン
- ★マンツが生涯を賭けて捜し求めている伝説の怪鳥。体長12フィート(3m65cm)で、カラフルな羽毛をもつ。足跡の形状と外見からラッセルからはシギだと思われている。ラッセルと出会い、彼が偶然与えたチョコレートが好物となり、人にもなつくようになる。ラッセルを放り投げて遊ぶほど首と脚が強靭で、カールとラッセルを乗せて走れる。ラッセルがオスだと思って名付けたが実は雌で、巣には子供もいる。彼女の巣は入り込むと脱出不可能な石の迷宮の中にある。★
- ラッセルにケヴィンを見捨てたことを詰(なじ)られても、「知るかそんなこと!」となる。でも、それはそうだろうと思う。人は、まずある目的のために動くしかなく、その目的を遂げようとする途中に様々なことに出会う。その過程で優先順位が変わっていき、より優先順位が上になった対象に関心好意情熱をアジャストしてゆき、より幸せになろうとする生き物。
- 出会いがないと、初期設定のまま頑固になるしかない。しかし出会いがあると、初期の友人などと別れることにもなる。
- カールじいさんは、エリーだけの人生だったから、他人の付け入る余地が皆無だった。それだけピッタリの人にこども時代に出会ってしまった人の密閉された人生とも言えるが、一人だけに対応してきた人生となると、ほとんどコミュニケーション不全症候群。つまりエリーなき世界では、強情で無口な頑固爺さん。カールはエリー以外とは関わりたくないのだ。エリーがいなくなったら、石のようになって当然。
- そこへ、蜂のようにブンブン唸る、元気な孫のようなラッセル登場。
- ラッセルは、仕事で家にいないお父さんに認めてほしくてお年寄りの役に立った証のバッジがほしい。
- それだけの理由で、初対面のカールじいさんにしつこく何度も接触してくる。こっちもこどもの、相手のことなど微塵も考えないエゴの突進(笑)。
- 石エゴvs.蜂エゴ(笑)。互角エネルギー。
- カールじいさんは、最後にラッセルにお年寄りの役に立ったバッジを授与すると同時に、エリー手作りのグレープソーダのバッジをあげる。ここで涙腺決壊(笑)。
- ドーベルマンなどの猛々しい雄々しい犬たちの中、唯一間抜けな雰囲気のダグ▼はカールじいさんが大好きになる。始めカールはダグがうざくて仕方ないが、エリーとの約束を遂行し終えると、心がシフトチェンジし、エリーが占めていた心の場所にラッセルやケヴィンやケヴィンの子たちやダグを招き入れ、それが虚しかったカールじいさんをアクティブに幸福にしてゆく。
- ★首輪に犬語翻訳機をつけた犬。マンツの犬軍団の一匹で命じられた任務を遂行しようとしていたが、仲間達からは落ちこぼれ扱いされており、常に一匹で行動している。カール達と行動を共にするうちにカールを主人として慕うようになる。大勢いる犬の中で彼だけがデフォルメされて描かれている。
- 短編アニメでカールたちとの出会いまでの物語が描かれており、二人と出会った日が彼の誕生日であることが判明した。★
- カールじいさんは、テニスボールがクッション代わりの四つ足の杖をついていた▼のだが、いつの間にか、杖なしでも歩けるようになっていた。これは、過剰に自分を労わった為に逆に自分が退化したという現象だろう。名付けて過保護自滅。自分を過小評価すると、未来の、開花せずに燻る自分に復讐されるということの比喩にも見えた。
- 風船売りの仕事を引退してエリーを失ったカールじいさんの行動範囲は家の中だけだった。だから運動不足でもあったのだろう。
- そこにボーイスカウトの、孫のような活動体ラッセルが来て、一緒に冒険をしているうちに、心身の肺活量が一気に増して心も体も杖不要に。
- 声を演じたエドワード・アズナーとカールじいさん
- 家の話ということで、『ちいさいおうち』を想起した🏡🏡🏡。
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★『ちいさいおうち』(英:The Little House)は、アメリカ合衆国の絵本作家であるバージニア・リー・バートンの代表的な絵本作品である。1942年に描かれ、コールデコット賞を受賞した。
日本語訳は石井桃子訳により、岩波書店から刊行されている。 1952年にウォルト・ディズニー・カンパニーによって短編アニメ映画が製作された。
あらすじ
むかし、あるところに小さな一軒家があった[1]。リンゴの木に囲まれて小さな丘の上にそびえ立つ家は、住人と共に毎日自然豊かな田舎ならではののどかな生活送っていたものの、月明かりの遠くに見える市街地の情景を見て、そこで生活したらどんな気分だろうかとも思った。
それから時を経て、小さな家の周りが徐々に開発され始める。最初は新たな住宅が立ち並び、やがて全て取り払われたかと思いきや、いつの間にかアパートが家を囲んでおり、小さな家の前の通りには路面電車が走るようになった。さらに、同じ通りを高架鉄道や地下鉄まで走り始め、いつの間にか家の周囲はさらに大きな高層ビルが建設され、そこにはリンゴの木も丘も何もなくなっていた。とうとう辺り一面、ネオンサインが毎晩眩しいばかりに光り輝き、人々が忙しそうに歩いていく大都会の中心になっていたのである。家の前では多数の電車やバスや自動車が毎日留まることを知らずに走り続け、家を囲む空気は、埃や煙でかつてと比較にならないほど汚れていた。いつからか住む者もいなくなり朽ちるようにボロボロになっていた家は、もう通行人にも見向きもされなくなった。家はやがて寂しい気持ちになり、田舎での生活と過去を懐かしむようになった。
そんなある春の日、偶然通りかかった家族連れの女性が小さな家を指差した。実は、この女性はかつての小さな家の家主の9代目であり、その小さな家こそ彼女の先祖の生家だった。彼女はどうにかして家を助け出そうと思いめぐらせた。そこで女性は、大工に頼んで、小さな家を都会から離れた田舎の丘の上に移築させる。こうして彼女とその家族と共に新たな生活を始めた家は、再びのどかな生活を謳歌できることを心から嬉しく思い、再び幸せな時間を過ごしはじめるのだった。
制作背景
1932年にバートンと夫がボストン近郊のケープアンの入江フォリーコーブに家を購入した際に、交通量の多い道沿いにあった建物を騒音を避けて後方に曳家した経験が作品の根幹となっている[2][3]。ちいさいおうちは、真ん中に扉、左右に窓、屋根に煙突があるケープコッド様式と呼ばれるこの地方の伝統的な家がモデルである [4]が、バートンの家は二階屋で本に描かれたような家ではなかった[3]。
バートンはコールデコット賞受賞の際のスピーチにおいて、ちいさいおうちは動かずに周囲が変わっていくことが、早い速度で動いていく社会の歴史を表しており、それはhistoryであるというより「her story」彼女の物語であると述べ[5]、また、「歴史を全体像としてつかむこと」や「時の流れといった考え方」を子どもにわかる言葉で伝えようとしたとしている[6]。この「her story」の言葉は、表紙にも描かれている[7]。★
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大林宣彦監督の『ハウス』も想起。
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『HOUSE ハウス』劇場予告編HOUSE ハウス公開日:1977/07/30配給:東宝監督:大林宣彦youtu.be -
音楽はマイケル・ジアッチーノ。『カールじいさんの空飛ぶ家』の原題は、『UP』
Up With TitlesProvided to YouTube by Universal Music GroupUp With Titles · Michael GiacchinoUp℗ 2009 Walt Disney RecordsReleased on: 2009-01-01Associated Performer, Nylon...youtu.be -
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Mr.インクレディブル - 予告編Mr.インクレディブルことボブ・パーと妻のヘレンは、かつて世の中の平和を乱す悪と闘い、人々を危機から救い出す大活躍をしていた。ところが、15年前のスーパー・ヒーロー制度廃止を機に、夫妻は一般市民として暮らすことを余儀なくされ、3人の子供たちヴァイオレット、ダッシュ、ジャック・ジャックと共に、"普通"の家族生活を送...youtu.be -
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