星お月様星空『チャーリーとチョコレート工場』星空お月様星

 

チャーリーとチョコレート工場 』(チャーリーとチョコレートこうじょう、Charlie and the Chocolate Factory)は、 1964年のイギリスの小説、『チョコレート工場の秘密』を基に、ティム・バートンが監督、ジョン・オーガストが脚本を担当した2005年のアメリカミュージカルファンタジー映画である。

概要

ロアルド・ダール児童小説チョコレート工場の秘密』が原作である。同作品の映画化は1971年製作の『夢のチョコレート工場』(メル・スチュワート監督)に次いで2度目となる。

第78回アカデミー賞衣装デザイン賞にノミネートされた。

ストーリー

世界中で大人気のウィリー・ウォンカ製のチョコレート。しかし、彼のチョコレート工場の中は完全非公開であり、謎に満ちていた。

ある日、ウォンカは「生産するチョコレートの中に5枚だけ金色のチケットを同封し、それを引き当てた子供は工場を見学する権利が与えられ、さらにそのうちの一人には想像を絶する素晴らしい『賞品』がつく」という告知を出した。世界中がチケット争奪で大騒ぎとなる中で運良く引き当てたのは、食いしん坊の肥満少年オガスタクス・グループ、お金持ちでわがままな少女ベルーカ・ソルト、いつもガムを噛んでいて勝利にこだわる少女バイオレット・ボーレガード、テレビ好きで反抗的な少年マイク・ティービー、そして家は貧しいが家族思いの心優しい少年チャーリー・バケットだった。

彼らはウォンカの招待のもと、工場の中で夢のように不思議な光景を体験していく。ところがその途中でさまざまなハプニングが起こり、子供たちは一人ずつ脱落していく。ウォンカは、最後に残ったチャーリーに『賞品』を与えようとするが、チャーリーに提示された交換条件は「家族を捨てること」という家族思いの彼にとって受け入れがたいものだったため、チャーリーはこれを辞退した。

予想外の展開にすっかり意気消沈したウォンカだったが、チャーリーの後押しによって彼自身のトラウマを解決できたことで、改めてチャーリーに『賞品』を受け取るように打診する。ウォンカは、これを受け入れたバケット一家と「とびきり甘い」人生を送ることとなった。

登場人物

ウィリー・ウォンカ英語版
工場長。シルクハットに杖・燕尾服・手袋を身に着けている。善悪の区別が付かない子供じみた性格で、時代遅れのフレーズや口汚い言葉を連発する変人。父親や母親・両親など親や家族に関する単語を口にする際には抵抗があるのか吐き気を催している。「天才ショコラティエ」や「チョコの魔術師」などと呼ばれている。過去に他のお菓子メーカーが送り込んだ産業スパイによって極秘のレシピの情報を漏洩され、他のメーカーによる自身が発明したお菓子の販売がエスカレートした事から、後述のジョーおじいちゃんを含めた従業員を全員解雇して表面上は工場を閉鎖していた[注 1]。しかし実際はルンパランドよりウンパ・ルンパ全員を従業員として雇い、15年間も工場に籠りながら経営を続けていた。とにかくお菓子を作ることに打ち込んでおり、「気持ち悪い」といって毛嫌いしているガムも生産している。火だるまになった人形をみて大喜びしたり、子供たちがトラブルを起こしても心配するそぶりを見せないなど、冷淡な一面もある。
彼のショコラティエとしての能力を印象づけるエピソードとして「ポンディチェリー王子というインドの富豪からの依頼で『レンガからそれを留めるセメント、壁の絵や絨毯、家具に至るまで全てチョコレート(ミルクチョコレートブラックチョコレート)で出来た宮殿』を作ったことがあるが、王子はウォンカの忠告を聞かず、チョコ宮殿を食べずにそのままにしていたため数日後の猛暑日に溶けてしまった」という出来事がジョーおじいちゃんから語られている。
彼は元々歯科医の家の子供で、父親がハロウィンで貰ったお菓子を暖炉に捨てた際、燃えないで落ちていたチョコレートを見つけて食べた事でその魅力にはまり、いつしかショコラティエを夢見るようになる。しかし、特に虫歯の原因となるチョコを全否定する父親に反発して家出し、お菓子工場を建設した。ある日、散髪していた時に見つけた一本の白髪から自らの老いを感じ取り、死後の工場の行方を心配し、工場の後継者になる「神の子」を探す為に5人の子供を工場に招待した。最終的にチャーリーが残ったため、副賞として彼に家族を捨てることを条件に工場を継ぐように言うが「家族を捨てることはできない」と断られる。その後は自身のお菓子の売上を低迷させる程に落ち込むが、チャーリーと再会し、自身のトラウマと対峙するために一緒に父親の元を訪ねてくれるよう頼む。最終的には父親と和解し、バケット一家に家族として迎えられ、共に工場を経営することになった。
チャーリー・バケット
主人公。工場の近くに住む少年。祖父母が寝たきりながらも4人とも健在、さらに唯一の働き手である父親が薄給の上に後に失業した事で限りなく貧しい家の育ちであるが、家族思いの優しい少年。本作は彼の視点で描かれている。ウィリー・ウォンカに憧れ、父親が働く工場で生産している歯磨き粉の蓋で[注 2]チョコレート工場の模型を組み立てていた。毎年誕生日にだけチョコレートを貰えるが、そのたった一枚を家族みんなに分けてあげる優しい一面も。拾ったお金で買った3枚目のウォンカバー(誕生日プレゼントの1枚目とジョーおじいちゃんのへそくりで買った2枚目ははずれだった)に、たまたまゴールデンチケットが入っていた[注 3]為、工場に招待される。
招待された子供の中で最後にたったひとり残ったため、副賞としてウォンカから工場を継ぐように言われる。しかし、「家族を捨てること」が後継条件だったので一度は拒否する。その後に街で靴磨きをしている時にウォンカの靴を磨くという形で再会し、家族という存在自体に拒否反応を示すウォンカに歯科医の父親の元へと共に向かい、和解する手助けをした。その後、再びウォンカに工場の跡継ぎの話を出され、「家族も一緒なら」という条件のもとに受け入れ、以降はウォンカと共に新しいお菓子作りに専念している。
ジョーおじいちゃん
チャーリーの父方の祖父。チャーリーの工場見学の同行者。ウォンカが初めて出店した頃から共に働いていたが、先述の理由で解雇された[注 4]。チャーリーの祖父母のなかでは最高齢の96歳(原作準拠)。元々働いていたウォンカの工場への造詣は深く、『あの不思議な工場を再び見て回る事が出来るなら、何だって差し出す』と語っており、ゴールデンチケットを当てるためにチャーリーに自分の臍繰りを渡していた。ほとんどベッドで寝たきりだったが、チャーリーがゴールデンチケットを当てたと知った途端に元気になり踊り出し、チャーリーと誰が同行するかという話になると、率先して名乗りを上げた。ウォンカと再会した際に「自分のことを覚えているか?」と質問したところ、かつてウォンカが工場の閉鎖に追い込まれる原因となった産業スパイと誤解されるが、違うと答えた事ですぐに解けた。
バケット氏
チャーリーの父親。バケット家の唯一の働き手で地元の歯磨き粉工場で働いていた[注 5]。しかし、チョコの売れ行きが上昇し、虫歯になる子供が増えた影響で歯磨き粉の需要と売上が伸び、それによって得た利益で工場が機械化した事でリストラされてしまう。
のちに工場に導入され、かつての自分の役割を継いだ機械の修理工として復職し、収入が格段に増える。最後はウォンカを家族の一員として温かく迎えた。
バケット夫人
チャーリーの母親。普段は4人の老人の介護と家事で手一杯で、働きに出る事もできない。家計が苦しいので毎日キャベツのスープを作っている。「食事中に仕事の話は厳禁」とのルールを定め、仕事を失って気を落とす夫に「それならキャベツのスープをもっと薄めればいい」と前向きに支える。このルールは貧乏ではなくなった後も変わっておらず、ウォンカと共に新しいお菓子について話し合うチャーリーを諫めている。
ジョゼフィーンおばあちゃん
チャーリーの父方の祖母(原作準拠)。原作では90歳を越えていることになっている。
ジョージおじいちゃん
チャーリーの母方の祖父(原作準拠)。頑固者で現実主義者だが、家計のためにゴールデンチケットを換金しようとするチャーリーを「そこらに山ほどある金のために世界に5枚しか無いそのチケットを引き換えにするのは馬鹿だ」と諌めるなど優しい一面も見せる。皮肉屋で口が悪いため、度々バケット氏に言葉遣いを諌められたり、彼が暴言を吐く際にバケット氏がチャーリーの耳を塞いでいる場面もある。
ジョージーナおばあちゃん
チャーリーの母方の祖母(原作準拠)。映画では非常に耳が遠く、会話ではいつも頓珍漢な返事をする(周りがチョコの話をしてるとき急に「ブドウおいしい!」と叫んだりしている)。
チャーリーに前向きな言葉をかけて励ます事があるが、これから彼の身に起こる事を予知しているかのような内容になっている。
 
オーガスタス・グループ
ドイツデュッセルドルフの肉屋の息子。ジョージおじいちゃんに「最初の当選者はきっとブタみたいに太っている奴だ」と予想されたが、正にその通りの肥満児。チョコレートが大好物の食いしん坊で毎日ウォンカバーを食べている。チケット入りのウォンカバーを手に入れ、食べた際、チョコと一緒にチケットの一部を噛み切ってしまった。彼に対して過保護な母親と同行で工場を訪れる。自分の食べるチョコを物欲しそうに見るチャーリーに「持ってくれば良かったのに」と嫌味を言った。
彼を風刺するウンパ・ルンパは南米調の歌を披露し、赤いつなぎを着ている。
工場見学の際に「人の手が触れてはいけない事になっている」というウォンカの静止を聞かずに欲張ってチョコレートの川をすくって飲んでいた際、誤って川に落っこち、泳げないためにそのままチョコレートを吸い上げるパイプに吸い上げられ、『ストロベリー・フレーバー・チョコレート・コーティング・ファッジ』を作る部屋へと打ち上げられてしまい脱落。最後はチョコまみれになって工場から出てくる。このことで母親は息子への過保護を改めるようになって彼を叱っていたが、本人は懲りておらず、体中に付着したチョコを幸せそうに舐めていた。
バイオレット・ボーレガード
アメリカジョージア州アトランタ在住。ステージママの母親の影響で「1番」や「優勝」という言葉に異常にこだわり、賞獲りに執念を燃やす少女。ジョゼフィーンおばあちゃんからは「なんて高慢ちきな子だろう」と言われた。空手などのスポーツを得意とし、今までのトロフィー獲得数は263個で、リビングにはその一部が置かれている。彼女の母親もバトントワリングでのトロフィー獲得経験を持つ。普段はガム噛みの記録更新のために常にガムを噛んでいるが、ゴールデンチケットを当てるためにウォンカバーを好物に変えていた。母子家庭のせいか、いつも自分とお揃いの服装をしている母親と共に工場を訪れる。かなりの自信家で「絶対に自分が賞品を勝ち取る」と豪語し、チャーリーを「負け犬」呼ばわりした。
彼女を風刺するウンパ・ルンパはディスコファンクロック調の歌で、黒いつなぎを着ている。
研究室にてウォンカの「まだ未完成だし、いくつかの点で…」という忠告を振り切って試作品の『フルコースが味わえてお腹もいっぱいになるガム』を無理やり食べ「世界で初めてチューインガム食を味わった子供になった」と母親と喜ぶも、噛み続けた結果、試作品故の副作用で体が青紫に変色して大きく膨れ上がり、ブルーベリーの様になって身動き取れなくなってしまい脱落。その後ジュース室で体内のジュースを絞り出されて、元の体には戻れたものの、髪の毛まで真っ青の柔らかい状態になってしまった。それでも本人はこの体を気に入っており、柔らかくなった体を自慢していたが、母親は今回の件で反省したのか複雑な気分だった。
ベルーカ・ソルト
イギリスバッキンガムシャーのナッツ工場の社長令嬢。甘やかされて育った為に非常にわがままな性格で、何でもすぐに欲しがる。自分でチョコを買ったわけではなく、父親が大量にウォンカバーを買占め、工場の従業員にナッツの殻むきの代わりにゴールデンチケットを探させたことでチケットを手に入れた[注 6]。チャーリーにはそのやり方を「自分で手に入れた訳じゃないからフェアじゃない」と言われ、ジョージおじいちゃんにも「ブタ(オーガスタス)よりたちが悪い」と言われる。娘に甘い父親と共に工場を訪れる。バイオレットとは表面上は『お友達になりましょう』としていたが、互いにライバル意識をむき出しにしており、バイオレットがガムの副作用でブルーベリーのように膨れ上がって行った際、「娘がブルーベリーで、どうやって競争するの!?」と慌てるバイオレットの母親に「農産物品評会に出せば?」と皮肉を言う一面も。
彼女を風刺するウンパ・ルンパはサイケデリックなスローバラードを歌い、黄色いつなぎを着ている。
ナッツ選別用のリスをペットに欲しがり、ウォンカに「売り物では無い」と言われても強引に手に入れようとした結果、リス達に襲われてしまう。そして、その内の一匹にナッツを選別する様に頭を叩かれて中身が駄目になっていると見なされ、焼却炉に向かうダストシュートに落とされてしまい脱落、引き上げに向かった父親もリスの一匹に突き落される。最後は父親と共にゴミまみれになって工場から出てくる。そんな目にあっても最後までわがままぶりは直っておらず、ウォンカやチャーリー、ジョーおじいちゃんの乗っている空飛ぶガラスのエレベーターまで欲しがっていたが、父親は今回の件から反省し、以前のように娘を甘やかさなくなった。
マイク・ティービー
アメリカ・コロラド州デンバー在住。高等学校地理教師を父親に持つ少年。自分の知識に絶対の自信を持ち、それを決して曲げないハイテクオタク。暴力表現の激しい3Dシューティングゲームをやりながら、チョコの製造年月日、天候による増減、株価指数デリバティブを換算して、1回でチケットを当てた。ウォンカバーを買ったが、チョコレート(お菓子)は嫌いなため、マスコミにこのことを語った彼に対しジョージおじいちゃんは「お前なんかチョコレート工場に行く資格はない」とテレビ越しに罵倒する。気弱でハイテクに苦手な父親と共に工場を訪れる。ウォンカからは「計算で当たりを勝ち取ったデビル」と呼ばれていたが、ウォンカの言う事によく口を挟んでおり、前述で述べたお菓子嫌いという一面の通りお菓子自体には興味を示していない[注 7][注 8]
彼を風刺するウンパ・ルンパはQueenBeatlesをモチーフとした歌を披露し、衣装も様々だが、基本は白いつなぎである。
テレビ室にある転送機に興味を持ち、世界中を驚かせるような大発明であるにもかかわらずチョコレートなどのお菓子を転送することしか頭にないウォンカに腹を立て、バカ呼ばわりする。そして転送機に勝手に入り込み、その影響で体が小さくなって元に戻れなくなり脱落、その後キャンディー伸ばし機で引き伸ばされて紙のように薄っぺらい長身の体になってしまった。
 

 

 


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原作本はこちらチョコレートチョコレートチョコレートチョコレートチョコレート

チョコレート工場の秘密 - おはら動物病院

いしかわや日誌: チョコレート工場の秘密

 

1971年製作の『夢のチョコレート工場』(メル・スチュワート監督)

映画『夢のチョコレート工場』の動画| 【初月無料】動画配信サービスのビデオマーケット

 

夢のチョコレート工場 - 解説・レビュー・評価 | 映画ポップコーン

夢のチョコレート工場 - 解説・レビュー・評価 | 映画ポップコーン

 

実在するウォンカ・バー

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英米の親から子へ、子から孫へ手渡しされる物語なのだろう。オー・ヘンリーの「最後の一葉」や「賢者の贈り物」を想起した。

 

 

★ロアルド・ダール(Roald Dahl [ˈroʊəld ˈdɑːl]ノルウェー語: [ˈruːɑl ˈdɑːl]1916年9月13日 - 1990年11月23日)は、イギリス小説家脚本家。★

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★オー・ヘンリー(O. Henry、本名:William Sydney Porter、ウィリアム・シドニー・ポーター、1862年9月11日 - 1910年6月5日)は、アメリカ小説家。主に掌編小説短編小説を得意とし、約280の短編作品を残した。市民の哀歓を描き出した短編が多く、英米ではイギリスの小説家サキと並んで短編の名手と呼ばれる。映画化されたものも少なくない。

公金横領罪で服役中に小説を書き始め、出獄後はニューヨークに移って執筆を行った。★

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主人公のチャーリー・バケット一点に、深く感情移入せずにはいられない。そのように作られている。周囲がこのキャラクターを引き立て、浮き彫りにする。そしてこの子が漏斗になって、観客はこの漏斗を通してストーリーにジェットコースターのように滑り込んでゆく。

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漏斗。

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★『チョコレート工場の秘密』(チョコレートこうじょうのひみつ、原題:Charlie and the Chocolate Factory)は、1964年ロアルド・ダールが発表した児童小説。★

 

原作は、今から60年前に発表されたもの。

その主人公は、今なら絶滅危惧種的キャラクター。

善良な、親やおじいちゃんおばあちゃん思いの、健気で頑張り屋で我慢強くて優しい子。

 

こんな子が今いたら、弱肉強食の社会に潰されて危険かもしれない。

だからまず、この子のキャラクターがファンタジー。

「小僧の神様」を想起した。

【小説の神様】おすすめの志賀直哉作品の選び方&人気ランキング10選|おすすめexcite

★「小僧の神様」(こぞうのかみさま)は、1920年大正9年)に雑誌「白樺」1月号に発表された志賀直哉短編小説である。この作品がきっかけで、志賀は「小説の神様」と呼ばれるようになるほど知名度を上げる。

あらすじ

神田の秤屋で奉公をしている仙吉(小僧)は、番頭達の話で聞いた鮨屋に行ってみたいと思っていた。ある時、使いの帰りに鮨屋に入るものの、金が足りずに鮨を食べることができない仙吉を見かけた貴族院の男(A)は、後に秤屋で仙吉を見つけ、鮨を奢る。

鮨を奢られた仙吉は「どうして番頭たちが噂していた鮨屋をAが知っているのか」という疑問から、Aは神様ではないかと思い始める。仙吉はつらいときはAのことを思い出しいつかまたAが自分の前に現れることを信じていた。一方Aは人知れず悪いことをした後のような変に淋しい気持ちが残っていた。

ちなみに本文の十節には「『Aの住所に行ってみると人の住まいが無くそこには稲荷の祠があり小僧は驚いた』というようなことを書こうかと思ったが、そう書くことは小僧に対して少し惨酷な気がしたため、ここで筆を擱く」というような擱筆の文が挿入されている。★

 

 

貧しくて、何の特技も才能もない冴えない(これは観客に、同情という感情移入をさせるための、お話の決まり文句のようなもの)主人公。

傾いた狭いおんぼろ小屋に、お父さんお母さん、二人の両親である四人のおじいちゃんおばあちゃんと一緒に住んでいる。

四人の老人は、終日ベッドの上。

お母さんが作るスープの具は、ちょこっとのキャベツ。

まるでレ・ミゼラブルの冒頭。

お父さんは歯磨き粉工場に勤めていて、不要品をチャーリーに上げる。

するとチャーリーはそれを自分の真っ白な模型の完成の象徴のように、人物の帽子として付ける。

その人物は、この町のスター。成功者のウィリー・ウォンカ。

彼は町の小さな店から始めた。

彼は他にはない発明のようなチョコレートを作り、大きな工場を持つに至る。

町の人たちはここで働く。

チャーリーのおじいちゃんジョーも働いていた。おじいちゃんにとって、その工場で働いていたことは自慢で誇り。

 

しかしチョコレート工場には、チョコレートの秘密のレシピを盗もうと、スパイが入り込むようになり、レシピは盗まれ、真似する人が続出。

 

ウィリー・ウォンカはあるときから雇っていた人全員を解雇し、以後誰も雇っていないという。

じゃあ誰が世界中に配達されているチョコレートを作っているの?とチャーリー。

それは誰にも分からん。とおじいちゃん。

 

そんな中、ウィリー・ウォンカから通達がなされる。

曰く「ウォンカバーに、五枚だけ金のチケットを入れました。その金のチケットを当てた子五人とその保護者を、チョコレート工場に案内します。ウィリー・ウォンカが案内し、おみやげにはトラック山盛りのチョコレートを差し上げます。」

 

世界中の金持ちの子が、親の金でウォンカバーを買い漁り、三人が当たった。一人の子は数学によって、どこで当たりが出るかを計算し、一枚買っただけで金のチケットを当てた。これはもう、高額宝くじ騒動と同じ。

 

この、古き良き物語がベースになった映画の中では、親の縮小再生産がこどもという感じになっている。それが愛であり、面白さ、という世界観。

カエルの子はカエルの、楽しい感じの解釈。

 

チャーリーは、善人のこども。

「善人」というのは、非常に二十世紀的発想、ワードだと思う。

善人という概念は、心の整理術にも宗教にもなるが、人を縛りもする。

でもまあ、刃物や頭のように、どんなことも使いよう、ということなのだろう。

 

とにかくチャーリーは、善人の子。ここが泣ける感じなのだ。

こういうキャラクターは、今不自然で難しいだろう。

素でそういうものを持っている子が見つかったという感じ。見つかって良かったと、まずそこで感動。

 

チャーリーの両親は、チャーリーに、一日早い誕生日プレゼントをくれる。

それはウォンカ・バー一枚。(チャーリーは、毎年一枚ウォンカ・バーが貰える。チャーリーはチョコレート工場に憧れ、その工場主にも憧れ、そしてその製品で象徴であるウォンカ・バーが大好きだったから)

しかしそれははずれだった。

チャーリーは、そのチョコレートを家族みんなに分けてあげる。

 

 

チャーリーのお父さんは、工場の機械化のために解雇された。それをチャーリーには「お休み」と言っている。

 

つまり、チャーリーの家には稼ぎ手が一人もいなくなった。

糟糠の妻的、ヘレナ・ボナム・カーター演じる奥さんは、「待てば運が向いてくるわよ。スープの味を薄くして我慢しましょう」と夫を励ますが、観客からすると、その吹けば飛びそうな傾いた家、大丈夫かなと心配で仕方がない。

 

 

チョコレート工場で働いていたジョーおじいちゃんは、

ジョニー·デップ主演 チャーリーとチョコレート工場 想像力と演出が最高!! | 山の生活

あるときチャーリーをそっと呼び、なけなしのへそくりを渡し、

「これでウォンカバーが一つ買える。一番近い店で、初めに見た物を買え」と言う。

観客は、これが当たるだろうと思う。これで当たらなかったら悲し過ぎるから。

しかしそのバーもはずれ。

え?チャーリーは、指をくわえて工場を遠くから眺めるだけ?と失望していると、チャーリーも降り出した雪の中で失望。

しかししかし、最後の一葉のように、雪の中に紙幣が埋まっている。

神様ありがとう!

チャーリーとチョコレート工場 | 2ちゃんねる映画ブログ

チャーリーはそれを拾うと、そのまま店へ。買ったバーをその場で剥くと、何と金のチケットが!

ジョニー·デップ主演 チャーリーとチョコレート工場 想像力と演出が最高!! | 山の生活

店の人は、自分の所から世界でたった五枚のチケットが出たことを喜ぶ。店にいた大人の客は、50ドルで売ってくれ、いや500ドルで売ってくれ、と言う。

店の人は、「そのまま早く帰れ」と言う。

チャーリーは走り出す。観客はひやひや。好事魔多しだから……。

 

しかしチャーリーは無事帰宅。知ったジョーおじいちゃんは踊り出す。

事情通のジョーおじいちゃんを同行者に、とお父さんとお母さんが話していると、チャーリーは

「工場には行かないよ。このチケットを、500ドルで買おうとした人がいるんだ。うちは貧乏なんだから、これをお金に換えればいい。工場に行ったら、それだけで終わっちゃうよ」

と言う。これは、コスパとかタイパとかいう話だろう。

この体験が投資になるのか。今何かになるのか、いつか何かになるのか。

 

けれど、「こどもには、そんなことじゃなく、かけがえのない純粋体験をして心を豊かにしてほしい。」と大人は思う。

しかしある程度周りが見えてきたこどもには、うちの誰かが犠牲になって自分が楽しむとかは窮屈でしかない。

 

誰かの神輿に乗っていい景色を見ても、その下で大事な人が辛いんなら、神輿は降りたい。

 

しかし、いつも皮肉屋のジョージおじいちゃんが「お金は、毎日印刷されてそこらじゅうにある。けれどその金のチケットは、世界に五枚しかないんだ。そんな貴重なチケットを、なんでどこにでもあるお金と替えるなんて馬鹿なことをするんだ。そんなことはしちゃいけない。お前はそのチケットを使ってあの工場に行きなさい」

と言う。ジョージおじいちゃんのこの説得力ある論理に、笑ってから泣いてしまった。このジョージおじいちゃんは世間への皮肉として、そんな世間で損をするなというニュアンスで言っている。しかしそれが、チャーリーの夢を壊さないように働く。人生とは、偶然と必然の混じった川に浮かぶ舟なのだ。


 

このチャーリーの家の二人のおじいちゃんは、まるで二人合わせて一人の笠智衆のよう。世の中の動きに適応し過ぎて馬鹿を見ない。己を持っている。そしてその立ち位置で経験を言語化して周りに伝え助ける、賢人。しかし冷静過ぎない。あくまで、まず楽しんでいる。

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映画には、原作にはない、ウィリー・ウォンカの父親ウィルバー・ウォンカが出て来る。

このお父さんは歯医者さん。

ウィリーにかけられたガッチガチの歯列矯正は、父の支配の象徴。

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父は、ハロウィンでウィリーがもらってきた飴やチョコレートやキャラメルを、虫歯の素だとしてごそっと暖炉に捨て燃やしてしまう。

ここには、父と息子の確執が描かれている。ウィリーは、父が退出すると暖炉からチョコレートを取り出して食べた。

その、おいしかったこと!(ぐりとぐら風(笑))

もう脳が溶けそうになって、ハマった。ウィリーは、チョコレートを、食べて、食べて、食べて、食べた。

Rejecting Facemask Fundamentalism - The Ortho Cosmos

ここからが面白い。聡明なウィリー少年は、あーおいしかった、で終わらないのだ。

彼は、あらゆるお菓子を食べまくる。これは、歯科医の家でお小遣いをたくさんもらっていたから出来たことだろう。

そして、見る。蕎麦屋の実演のようにガラス越しに実演製造しているパティスリーの様子を。

これは何かを成功させるステップそのものだろう。感動→市場調査→実演観察(→修行→独立)。

成長したウィリーは

AdictaMente: 08/14/13

アダルトチルドレンとして描かれている。

時々フラッシュバックを起こし、父親からの半ば虐待に近い躾のことを思い出す。それがトラウマになっているのだ。

ウィリーは両親という言葉が言えない。

招待した人たちにお子さんとそのparentsと言おうとしてp……p、p……と言い淀み、言うのを諦める。

言うとドーッとフラッシュバックしてしまうから、脳がロックをかけているのだろう。脳は物凄く保身的。保守的。

脳は、とにかく生き延びねばならぬから。ウィリーにとって家族はイデオロギーであって、愛の巣ではない。きっとその満たされないものを、スイーツで猛烈に満たして来たのだろう。

 

 

チョコレート工場に招かれた子たちは、自身の欲望によって、次々と自滅脱落してゆく。

残ったのはチャーリー。

ウィリーは、そうして自分の後継者探しをしていたのだ。

まず運か財産ある家柄。

で五人が上がってきた。

そしてその五人の中で、自制心がなく暴走したこどもが、

チョコレートの川に溺れたり、

ジョニー·デップ主演 チャーリーとチョコレート工場 想像力と演出が最高!! | 山の生活

開発中のガムを食べて体が膨張したり、

バイオレット・ボーレガード : チャーリーとチョコレート工場で嫌味な子役を演じたアナソフィア・ロブが超美人に変貌している - NAVER まとめ

欲しい殻剥きリスを取りにいってリスたちに焼却炉に落とされたり、

D.O.nimotomaranai on Twitter: "チャーリーとチョコレート工場のベルーカソルトみたいに親の金で大量に買ってそれで ...

して親と共に、消える。

消えると弔いの歌を歌うのは、全員同じルックスの、とっても小さなウンパ・ルンパ。チョコレートの原料のカカオ豆を大変貴重に感じている彼らは、ウィリーと契約して工場で働いている。この人たちがが働き者でレシピなどの極秘情報を漏らさないので、うまくいっているのだ。

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ここまできて残ったのは、チャーリーとジョーおじいちゃん、

そしてマイク▼とお父さん。

「チャーリーとチョコレート工場」金曜ロードショー日本語吹替声優まとめ – りりブロ☆気になるを詳しく知りたい

Bild von Charlie und die Schokoladenfabrik - Bild 8 auf 55 - FILMSTARTS.de

 

 

エレベータ―に乗った五人。このエレベーターの中の時空は歪んでいる。エレベーターが止まるたび、あり得ない光景が広がる。

「この工場にあるものは全部無意味だ。チョコなんて時間の無駄だ。」と知ったかぶりのマイク。

するとチャーリーは「チョコに意味なんてないよ。それがいいんだ」。

そこでウィリーに、「チョコレートなど時間の無駄だ」と言っていた父がフラッシュバックする。

「私の息子がチョコ職人になるなど許さん」と父。

「だったら家出してスイスとか、バイエルンとか、チョコの都に行くよ」

「勝手にしろ。ただし帰る家はないぞ」

 

こうして、ウィリー少年は家出をし、世界中を修業して回ったのであった。というイメージだったが、現実には世界の旗博物館に行っただけだった。

しかしそこから戻ると、お父さんが言った通り、家が消えていたのである。

ここがファンタジーだと思う。概念が現実として姿を現す。

慣用句、ハンプティダンプティのようなものが、現実を実装してしまう。

そして、それが心的には真実。

 

五人が発明テレビルームに行くと、ウィリーは、3Dプリンターのチョコレート版のようなものの話をする。

 

 

こっちのチョコという実体を、画素にバラして情報として送信して、向こうでその画素を再集結。そうしたら、情報を送るだけで実物が送れるんでは、という話。

 

「夢物語だよ。不可能だよ。あんたは、科学ってものが全く分かってない。第一に、電波と粒子は違うんだ。第二に、再結合に必要な力は、原爆9個分。」

とマイク。

「もういい!君の話は、さっぱり分からない」とウィリー。

 

そしてウィリーは、特大サイズのウォンカ板チョコを用意。

 

かかっている曲は、2001年宇宙の旅のオープニング。

 

 

こっちのテレビから板チョコが消える。あっちのテレビに行くと、

 

2001年宇宙の旅のあの板▼がある。世界中が知っているあの板が、ウォンカの板チョコになっている(笑)。

映画版『2001年宇宙の旅』が意味不明だった人に全力でおすすめしたい小説版『2001年宇宙の旅』 - loglog

 

ウィリーが「取ってごらん」とマイクに言うと、「あれはただの映像だ。取れないよ」とマイク。

「弱虫」とウィリー。

「取ってごらん」とウィリーがチャーリーに言うと、特殊なメガネをかけたチャーリーは、テレビの画面に手を突っ込む。

すると手は画面の向こうに届いた。そして、掴め、取り出せた。

「こりゃタマげた」とジョーおじいちゃん。

「食べてみて。さっきと同じチョコだ。旅の途中で縮んだだけだ」とウィリー。

食べたチャーリーは、「最高!」

「奇跡だ」とおじいちゃん。

 

これは、夢の掴み方のことなのだろう。

夢というのは、目標とも呼べぬ遠い陽炎。

しかし、その方向に身をもって行かねば、永遠に遠いただの映像、現実が実装されないビジョンでしかない。

 

 

「想像して。テレビで、ウォンカのチョコレートのCMが流れている。画面の中に手を入れると、ウォンカのチョコレートが掴み出せる。」

 

「人間を送ったらどうなる?」とマイク。

「人間なんて送りたくないもん、マズイから」とウィリー。

「何を発明したか分かってるの?テレポーター、転送装置だよ?

世紀の大発明なんだよ?それなのにチョコしか頭にない」とマイク。

「落ち着け。彼には彼の考えがある。Mrウォンカの話はちゃんと筋が通っている」とマイクのお父さん。

「通ってるもんか、頭の中は空っぽさ。天才なんかじゃない。ただの馬鹿だ。

俺は違うぞ。」

と走り出したマイクは、「ボタンを押しちゃ駄目だそ」と言うウィリーの忠告も聞かずにこっちのテレビに写され、消えた。

 

でも、向こうのテレビには、マイクの体は来ていない。

チャンネルを変えると、マイクはウンパ・ルンパより小さくなっている。

 

お父さんが画面に手を突っ込んでつまみ出すが、マイクは小さいまま。

「今度はこっちから向こうに送ればいいんだよ」とマイクが言うと、

「一方通行なんだ」とウィリー。

マイクはここで元に戻れなくなり脱落。その後キャンディー伸ばし機で引き伸ばされて紙のように薄っぺらい長身の体になってしまった。

 

さあ残ったのはチャーリーとジョーおじいちゃんだけ。

 

「じゃあきみが優勝だ!」とウィリーはチャーリーと握手する。

 

三人でエレベーターに乗り込み、ウィリーが「上と外」のボタンを押すと、エレベーターは工場の煙突を飛び出した。

 

 

こどもたちもその親も全員無事。

 

ガラスのエレベーターでチャーリーの家まで飛んでゆく。

 

 

「いつ帰るかしら」「さあどうかな」とお母さんとお父さんが言い合っていたところへ、ドカンと屋根を突き破って三人が乗ったエレベーターが着地(笑)。

 

 

優勝の賞品として僕の工場を丸々上げるとウィリーが言うと、チャーリーは喜ぶ。

「後継者が必要だとなって、五人の子を集めて一番不愉快じゃない子を勝たせたんだ」とウィリー。

 

 

Stars au naturel: juillet 2009
しかし、「家族を捨てること」が後継条件だったのでチャーリーは一度は拒否する。その後に街で靴磨きをしている時にウォンカの靴を磨くという形で再会し、家族という存在自体に拒否反応を示すウォンカに歯科医の父親の元へと共に向かい、和解する手助けをした。
この時のウォンカの父は、雪の中の家に住んでいる。帰る家が無いと言われて帰ったら本当に消えていたあの、消えた家だけが雪の中にぽつんとあるのだ。この心象風景の実写化は、ファンタジーならでは。
 
ドアを開くと、
「予約してますか?」とお父さん。「いいえ。でも彼が辛そうで」とチャーリーが言うと、ウォンカはバタッと診察台に寝そべる。そして治療を受ける。
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チャーリーとチョコレート工場の主人公、インテリジェンスでランク付け - リスト
ウォンカの父は、歯並びや歯で、自分の息子と気づく。
二人は抱き合う。
 
その後、再びウォンカに工場の跡継ぎの話を出され、チャーリーは「家族も一緒なら」という条件のもとに受け入れ、以降はウォンカと共に新しいお菓子作りに専念している。ウォンカは、チャーリーの家族の一員になっている。
 
その後みんなは、甘い人生を送りました、とウンパ・ルンパが語り手として観客にカメラ目線でナレーションして、ハッピースイートエンディング。

 

 

 

 

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