星お月様星空『フランケン・ウィ二ー』星空お月様星

すごくヘンで、たっぷり切ない、ティム・バートン監督が贈る感動ファンタジー!

『フランケンウィニー』

『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』『アリス・イン・ワンダーランド』のティム・バートン監督が描く、すごくヘンでたっぷり切ない、白黒ワールド!
ある日不幸な事故で、最高の相棒だった愛犬スパーキーを失ってしまった少年ヴィクター。その死を受け入れられず、ヴィクターは“禁断の実験”でなんとスパーキーを生き返らせてしまう。ところがヴィクターのアイディアを知った近所の子供たちが、次々にとんでもないものを蘇らせ、街は大騒ぎに!小さな街に迫る空前絶後の大災難を、果たしてヴィクターとスパーキーは救うことができるのか?

ストップモーション・アニメーションのぬくもりと最先端テクノロジーが見事に融合した感動のファンタジー!

 

 

フランケンウィニー』(Frankenweenie)は、3D白黒[4]ストップモーション・アニメによるファンタジーホラー映画である。ティム・バートン監督作品であり、自身による1984年の同名短編映画のリメイクである。2012年10月5日に公開された。白黒映画およびストップモーション映画としては史上初めてIMAX 3D上映が行われた[5]

作品のコンセプトは「愛がなければ怪物、愛があれば英雄が生まれる」[6]

物語

不思議な町、ニューオランダ。交通事故で愛犬のスパーキーを失った少年ヴィクターは科学の授業からヒントを得て、彼を蘇らせることを決意する。ツギハギだらけの“フラン犬”として見事スパーキーは蘇るも、無邪気で陽気で能天気な性格から「自分が死んだこと」に気付かないまま勝手に外へ出てしまう。スパーキーの有り得ない姿を目撃したクラスメート達はヴィクターのアイデアを使って次々と動物達を蘇らせていく。

なお、この作品はティム・バートンが子供の頃に過ごした記憶や人々がモデルとなっている[7]

登場キャラクター

フランケンシュタイン家

ヴィクター・フランケンシュタイン
主人公。両親と愛犬のスパーキーと一緒に暮らす少年。交通事故でスパーキーを亡くして悲しみに暮れるが、科学の授業から得たヒントでスパーキーを甦らせようと決起し、嵐の落雷を利用した実験で見事に成功させた。
スパーキー
もう一人の主人公。ヴィクターの愛犬のブルテリア。無邪気かつ好奇心旺盛な性格。ある日交通事故で亡くなり、ヴィクターが行った実験で甦ったが、自分が一度死んで生き返ったことは知らない。
エドワード・フランケンシュタイン
ヴィクターの父親。旅行会社に務める会社員。ヴィクターにはスパーキー以外の友達も作ってほしいと思っており、科学以外の趣味も見つけてほしいとスポーツを勧めている。
スーザン・フランケンシュタイン
ヴィクターの母親。専業主婦で、お菓子作りが趣味。夫同様、ヴィクターにはスパーキー以外の友達も作ってほしいと願っているが、息子の個性を認めている。

クラスメイト・教師

エルザ・ヴァン・ヘルシング
ブルゲマイスター町長の姪で、ヴィクターとは家が隣同士の少女。物静かな性格かつ感傷的な雰囲気で、高圧的なおじに逆らえずにいるが、スパーキーを喪ったヴィクターのことを気にかけている。
フシギちゃん
よく不吉なことを口にする、不思議な雰囲気の少女。飼い猫のおヒゲくんを常に連れており、おヒゲくんの排泄物でクラスメイトに変わったお告げをする。
エドガー・"E"・ゴア
周囲と打ち解けられず、他のクラスメイトからは距離を置かれる少年。科学展でヴィクターのパートナーになろうと接近するが拒否された。ヴィクターの実験で甦ったスパーキーを目撃し、スパーキーのことを秘密にする代わりに金魚の死骸を実験台にスパーキーを甦らせた実験を見せるようヴィクターを脅迫する。実験後はヴィクターにスパーキーや実験のことは誰にも言わないよう念を押されたが、トシアキたちに言いふらしてしまう。
トシアキ
異常に強い競争心の持ち主で、ヴィクターをライバル視する少年。おヒゲくんのお告げで唯一良い結果を出し、野球で完全試合を成し遂げた。
ナソル
破滅的な人生観を抱く、陰気かつ根暗な少年。おヒゲくんのお告げで野球の試合中に頭を強く打ち、意識不明になってしまったことがある。
ボブ
小太りで力持ちの少年。しかし気の小さい性格でマザコン。よくトシアキと一緒にいるが、彼が発案した科学展用の飛行実験で屋根から落ちて左腕を骨折してしまう。おヒゲくんのお告げでマンホールに落ちたことがある。
ジクルスキ先生
ヴィクターが通う小学校に新しくやってきた新任の理科教師。しかし科学展のための実験でボブが骨折した事件で町長や保護者から責任を問われて解雇されてしまうが、去り際にヴィクターから一回目の実験(スパーキー)は成功したのに二回目(金魚)は失敗したのは何故かと問われ、「科学は善でも悪でもない、常に慎重でなければいけない」と諭した。
体育の先生
ヴィクターが通う小学校の体育教師。しかし尊大な態度と刺のある物言いが目立つ性格から、他の生徒たちからは敬遠されている。後に解雇されたジクルスキ先生の代行として理科の先生も兼任することになる。

その他のキャラクター

ペルセポネ
エルザの愛犬のプードル。スパーキーとは相思相愛な関係。スパーキーの死を心から悲しんでいたが、ヴィクターの実験で甦ったスパーキーと再会して電流を浴びた影響から、頭に雷のようなメッシュが入った。
おヒゲくん / ヴァンパイア・キャット
フシギちゃんが飼っている白猫。彼女からはクラスメイトのイニシャルの形をした排泄物から、おヒゲくんが夢の中でお告げをしていると思われている。しかし、ヴィクターがスパーキーを甦らせるために使った実験に興味を示したフシギちゃんの実験中に自分が見つけた実験台のコウモリの死骸を誤って噛んでしまい、コウモリと融合した凶暴なヴァンパイア・キャットに変貌してしまった。
金魚
元はエドガーがスパーキーを甦らせた実験を見せるようヴィクターを脅した際の実験台としてペットショップで見つけた息絶えた金魚。ヴィクターの実験で甦ると同時に透明化するが、何故か数日も立たないうちに消えてしまった。
ワー・ラット
エドガーの実験で甦ったネズミ。極めて獰猛かつ凶暴で、エドガーや体育の先生に襲いかかるが、スパーキーの電流で元の死骸に戻った。
シェリー
トシアキが飼っていた亀。実験の失敗から甦ると同時に巨大化して町を混乱に陥れ、トシアキにも襲いかかるが、ヴィクターの機転で電流を浴びて元の死骸に戻った。
コロッサス
ナソルが飼っていたハムスター。ナソルの実験で甦るが、シェリーに呆気なく踏み潰された。
ジャイアント・シー・モンキー
ボブの実験で甦ったシーモンキー半魚人を思わせる姿で極めて凶暴。集団で人々に襲いかかるが、弱点が塩であると突き止めたヴィクターの機転から塩味のポップコーンで全滅した。
ブルゲマイスター町長
ニューオランダの町長で、エルザのおじ。高圧的かつ気難しい性格で、隣人であるヴィクターやスパーキーの行動に目を光らせている。

キャスト

役名 原語版声優  
スーザン・フランケンシュタイン キャサリン・オハラ[8]  
フシギちゃん  
体育の先生
 
エドワード・フランケンシュタイン マーティン・ショート[8]  
ブルゲマイスター町長  
ナソル  
ジクルスキ先生 マーティン・ランドー[8]  
ヴィクター・フランケンシュタイン チャーリー・ターハン[9]  
エドガー・"E"・ゴア アッティカス・シェイファー[9]  
エルザ・ヴァン・ヘルシング ウィノナ・ライダー[8]  
ボブ ロバート・キャプソン[10]  
トシアキ ジェームズ・ヒロユキ・リャオ[11]  
ボブの母 コンチャータ・フェレル[10]  
消防署長 トム・ケニー[12]  
兵士  
町民  
ドラキュラ クリストファー・リー[13]
(ノンクレジット)
 
スパーキー フランク・ウェルカー
効果音
原語版流用
ペルセポネ ディー・ブラッドリー・ベイカー
(効果音)
おヒゲくん
ワー・ラット
コロッサス
シェリー
ジャイアント・シー・モンキー ジェフ・ベネット
(効果音)
クラスメイト  
 
店主    
エドガー・"E"・ゴアの父    
ジャックの母    
ペットショップの店員    

製作

企画

ティム・バートンディズニーデジタル3-Dで『アリス・イン・ワンダーランド』と『フランケンウィニー』のリメイク版を製作する契約を結んだ。『フランケンウィニー』の長編化企画は2005年11月まで遡る[14]。2006年、ジョン・オーガストが脚本書き直しのアプローチをかけられたが[15]、2009年1月まで雇われなかった。オリジナル版と同様、長編版は白黒で撮影された。『ティム・バートンのコープスブライド』のスタッフが多数参加している[16]。バートンはリメイクするにあたり、スパーキーのデザインを『Family Dog』の犬を参考にしている[17]

撮影

撮影は2010年7月にスリー・マイルズ・スタジオで開始された[18]

 

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作品のコンセプトは「愛がなければ怪物、愛があれば英雄が生まれる」。
 
ティム・バートンがスパーキーの参考にしたという、ドラマ『Family Dog』の犬。
Brad Bird - Movies - Filmography | Moviefone
Family Dog - About the Animated TV Series | Amblin
この映画『フランケンウィ二ー』のスパーキー。そっくり▲▼、と思う。しかしスパーキーには、この犬▲のような、ニシシシシ……と笑いはない。ニシシシシ……という笑いは、シニカルな笑い。つまり社会性のある笑い。つまり、それくらい知能が高度ということ。スパーキーは、人間と対等な頭脳はない。スパーキーはあくまでペット。ペットであり、犬である、という領分をはみ出さない。それだけ人間の庇護対象ということ。それだけ、守ってあげられなかったときの人間の喪失感は甚だしい。
Frankenweenie (2012) Review: Tim Burton, Danny Elfman
フランケンウィニー(アニメ映画) - アキバ総研
ニシシシシ……という笑いがある犬は、「チキチキマシン猛レース」と「スカイキッドブラック魔王」に出て来るケンケン▼。
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『チキチキマシン猛レース!』最新エピソード 2019年4⽉ dTVチャンネル®「ブーメラン」で⽇本初配信
 
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ヴィクターの家の隣には、ニューオランダの町長ブルゲマイスターが住んでいる。彼は、ヴィクターのクラスメイト、エルザのおじ。高圧的かつ気難しい性格で、隣人であるヴィクターやスパーキーの行動に目を光らせている。
ブルゲマイスターは、新任の理科教師ジクルスキ先生が生徒に科学展に作品を出せと言ったせいで町中が混乱していると言う。
ブルゲマイスターは、科学を怖い魔法のように言う。その集会では、まあ怖い!とブルゲマイスターに即同調する保護者が続出。ここは、いかにもこういう政治家過去にいたという感じ。悪者を見立て、煽動する感じ。
人間というのは、こういう感じに煽動されやすく、また煽動されるのが快感、煽動されるのが本能なのでは、と思う。
それを本能的によく分かっている政治家は、それを利用する。
スピーチで、話者も聴衆もどんどんその調子に乗って、呑み込まれて、気持ちよくなって、全員トランスになって、全員ランナーズハイになってゆくのを見ることがあり、それは一つのロックフェスなのかと思うことがあるが、そういう、集団トランスというのは、良くない宗教や、良くない政治家にしばしば利用されてきたのだろう。
 

しかし、ヴィクターの両親は冷静。この二人、貴重だと思った。

みんながそうするからそうするという行動原理の二人ではない。

自分というものを持っている二人。ヴィクターの父親は旅行会社に勤務。母親は専業主婦。父親は、よく屋根裏にこもって、犬のスパーキーとばかり遊んでいるヴィクターが心配。

もっと外で友達と遊んでほしいと言う。

そのアドバイスを受けたヴィクター。クラスメイトの不思議ちゃんが愛犬のフン占い(笑!)で「ヴィクター、あなたには今日、何か凄いことがあるわ」と言ったその日。

ヴィクターは野球で場外ホームランを打ち、そのボールを取りにいったスパーキーが車に轢かれて死んだ。

そんなある日。理科の先生が死んだカエルの筋肉に電気を通した。するとカエルは、まるで生きているかのようにビビビ!と痙攣。

それを見たヴィクターもビビビ!

あれでスパーキーが生き返る!

密かにペット墓場からスパーキーの死体を掘り返し、嵐の中、自作の機械で屋根裏部屋から屋根の窓の外に傘や凧と共にリフトアップして、雷を集めてスパーキーの死体に当てた。(この町は毎日雷が落ちているという設定。)

すると、つぎはぎのスパーキーは生き返った。(死ぬ前に、縫ったのだろう。)

この後が面白いのだが、この生き返ったスパーキーは物を食べない。首の横に差したボルトから電気を充電するのだ。

Frankenweenie (Película) | Programación de TV en México | mi.tv

これが、ファンタジー的リアルだと思った。

こうなると、もうモノクロ映画は現実より濃く、カラフル。

 

フランケンウィニー | 映画フリー

 

 

集会で反論に立ったジクルスキ先生は、科学は、魔法などとは違います、と言う。
ここはまだいい。
しかし興奮した先生は、「大人たちはもうどうしようもない。しかし、こどもは変えることが出来る。私は、こどもたちの頭蓋骨を開けることが出来る!そして、その中身をンギュー!っと改造することが出来る!」
「オーマイ……」とお母さんが項垂れる。「逆効果だ……」とヴィクターのお父さんも項垂れる。お父さんのファミリーネームはフランケンシュタイン。ヴィクターは、ヴィクター・フランケンシュタイン。お父さんは自己紹介で「フランケンシュタインです」と言う。ヴィクターん家はフランケンシュタインさん家、なのだ。
 
こういう集会は、よくあるのだろうと思い、大変興味深かった。
政治利用される、保護者会。
スピーカーのトランスに染まってしまう、保護者会。

しかし、あらゆる集会は、政治集会なのかもしれない。政治が、人間の力関係のシーソーゲームならば。そして、人が集まるだけで、実はあるトランスというものが生じる。
人にあてられる、人あたりがする、というのはある。人込みで気分が悪くなる人がいる。
逆に、世界中から、ただ渋谷のスクランブル交差点に来て写真を写しに来る観光客がいる。
その人たちは、人が多いということだけで、その磁場に、価値があると感じてワクワクしてわざわざ海を越えてやって来るのだ。
 
 
隣家のエルザ▼は、物静かな性格かつ感傷的な雰囲気で、高圧的なおじに逆らえずにいるが、スパーキーを喪ったヴィクターのことを気にかけている。この子のムードが凄くいい。暗いというより、森の中の湖のような静けさ。おじに逆らえずにいることがストレスになってイライラして自傷したり他傷したりはしない。このように精神衛生が保たれているのは、愛犬のペルセポネと心が通じ合っているからかも。
Pin by kaii on Tim burton in 2021 | Coraline aesthetic, Halloween icons ...
ペルセポネ▼。
エルザの愛犬のプードル。スパーキーとは相思相愛な関係。スパーキーの死を心から悲しんでいたが、ヴィクターの実験で甦ったスパーキーと再会して電流を浴びた影響から、頭に雷のようなメッシュが入った。
Frankenweenie de Disney
 
 
恋は、雷に打たれるように突然に? 『フランケンウィニー』本編映像の一部が公開 | cinemacafe.net
 
 

 

ヴィクターが通う小学校に理科の先生としてやって来た新任のジクルスキ先生は、
Martin Landau
「フランケンウィニー」試写会 | 「しむしむ」の身勝手な映画評&お出掛けなどなど
科学展のための実験でボブが骨折した事件で町長や保護者から責任を問われて解雇されてしまうが、去り際にヴィクターがやって来て、荷物を車のトランクに積み込んでいる先生に話しかける。このシーンがいい。
「わたしの故国ではみんなが科学者だった。配管工でもノーベル賞を取る。しかしきみの国には科学者が足りない」と先生。
この「配管工でもノーベル賞を取る。」のモデルは、こちらの方ではないかと思った。
 
 
LeonardSusskindStanford2009.jpg

★レオナルド・サスキンド(Leonard Susskind、1940年 - )はアメリカ物理学者素粒子物理学における弦理論の創始者の一人。

人物

1940年[note 1][1]ニューヨーク州に生まれる。大学に入る前に、🔶🔶🔶🔶配管工として働いた経験をもっていた。🔶🔶🔶🔶1962年に、ニューヨーク市立大学で物理学の学士資格を取る。1965年コーネル大学で博士号をとる。

1966年から1970年まで、アメリカ合衆国のイェシーバー大学で、助教授をつとめる。1970年に、南部陽一郎、ホルガー・ニールセンとは独立に、ハドロンに関する弦理論を提唱する[2] 。1971年から1972年にかけて、イスラエルテルアビブ大学で教鞭をとるものの、アメリカに戻り、イェシーバー大学で、物理学教授となる。1979年より2000年まで、スタンフォード大学の教授となる。2007年からカナダ・ウォータールーペリメータ理論物理研究所に務める。★

 

 

「みんなが科学者だった。」というのは、みんなが論理的に考えたということだろう。

ここで寺田寅彦を想起した。

寺田寅彦 - Wikipedia

寺田寅彦は、エッセイで、関東大震災の時に広まって信じられたデマについて、「それがいかに非現実なことで現実的にはあり得ないか」ということを、感情的にならずに淡々と、分り易い数や例を出して書いていた。

その朗読をラジオで聞いて、科学とは、冷静さであり、流されない自分という領分の清潔さのことではないかと思った。

 

 

理科の授業を受け継いだのは、女性の体育の先生。
この先生は、強引。圧が凄い。
自身の理科に対する無知を生徒に悟られぬようそう振る舞っている感じ。
 
ヴィクターが、科学展は?と訊くと、「やるわよ、審査員はわたしで」。
 
教室はええ?!という雰囲気。
失って分かるあの先生の良さ。
あの先生は生徒に科学の面白さ、奥深さを本気で教えてくれていた。
その自負が、集会ではああいう発言をさせてしまったのだろうが。
解雇された先生が科学の深い知識を持っていたのは生徒にも伝わっていた。
そういう先生の授業だから、例えばヴィクターがはっと気づいたのだ。
この、誰かがはっと気づくには、そこにそういう知の泉がなければならない。
ヴィクターは、死んだスパーキーの絵をノートに描いていたのだ。
そこで先生がカエルの実験を始め、死んだスパーキーと筋肉を痙攣させたカエルが繋がる。この繋がりというのが、アイデアなのだ、科学なのだ。無数にある夜の星から、星座を描けるか、否か。
 
 
「この国には科学者が足りない。ヴィクター、きみが科学者になりなさい。」
と車に荷物を積み込む先生。
「でも嫌われます」とヴィクター。
「人は科学の恩恵に浴している。しかしその問いを嫌がる。科学そもののが発する問いを。」と先生。
「質問があります。」とヴィクター。
「やはりきみは科学者だ」とジクルスキ先生。
「ぼくがやっている実験なんですけど。一回目の実験(スパーキーの生き返らせ)は成功したのに、二回目(金魚の生き返らせ)は失敗(透明に生き返ってすぐ消滅)したのは何故ですか?二回目も、成功しかけたんです。でも駄目でした」
「真実が足りなかったのだろう。科学には、頭も必要だが、心も必要だ。最初の実験に、愛はあったか?」「はい」「二回目の実験は、どうだったか?」「いいえ、ありませんでした。早く終わらせたかった。」「では変数を変えたんだな?」「目的が悪かった」「科学自体は善でも悪でもないが、両方の使い方ができる。だから常に、慎重でなけりゃいかんのだ。」
そう言ってヴィクターの手を握り、ジクルスキ先生は車に乗り込み、去ってゆく。
科学とは、究極、禅問答なのだろう。問い続けることで洗い出す、この世の骨格。
 
クラスメイトの
エドガー・"E"・ゴア▼(so cute!)が、ヴィクターがスパーキーを生き返らせた秘密をバラシてしまう。
科学展で勝ちたいクラスメイトたちは、それが本当なら、それを証明しろ、とエドガーに言う。
BBC - Culture - Why are film-makers so fascinated by Frankenstein?
★周囲と打ち解けられず、他のクラスメイトからは距離を置かれる少年。科学展でヴィクターのパートナーになろうと接近するが拒否された。ヴィクターの実験で甦ったスパーキーを目撃し、スパーキーのことを秘密にする代わりに金魚の死骸を実験台にスパーキーを甦らせた実験を見せるようヴィクターを脅迫する。実験後はヴィクターにスパーキーや実験のことは誰にも言わないよう念を押されたが、トシアキたちに言いふらしてしまう。★
 
 
生き返ったスパーキーが、お父さんとお母さんに見つかってしまう。
つぎはぎだらけの自分の姿を鏡で見たスパーキーは驚き、屋根裏の窓から外に逃げてしまう。
 
お父さんはヴィクターに、「お前は大変なことをした。生と死の境界を越えて、死体を蘇らせた。全く、困ったな……」と言う。
「だって会いたかったんだ……」とヴィクター。
お父さんとお母さんは、一緒にスパーキーを捜そうと言ってくれる。
今夜は、この街の日。オランダ・デー。
スパーキーは祭りの中に紛れ込む。
 
クラスメイトたちは、スパーキーを捜しに出て空き家になったフランケンシュタイン家の屋根裏に忍び込む。
 
鼻のいいスパーキーは、ペットのお墓にやって来て、自分のお墓の前に寝る。ここで泣いてしまった。
何か、成仏できずに彷徨う霊のようで。
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祭りの舞台に、市長が上がった。
市長は「今年のオランダ娘」として、自分の姪のエルザを紹介する。エルザは、嫌々ずっと練習していた街の歌を嫌々(笑)歌う。
Screencaps of Elsa - Elsa Van Helsing Photo (36769500) - Fanpop
 
ペットの墓場に、科学展での優勝を狙うクラスメート二人がやって来た。隠れるスパーキー。
墓場からペットの死体を掘り起こすクラスメート。
他の所でも、クラスメートたちは動物の死体を探し、見つける。
そして死体に電極クリップを付ける。
プールにシーモンキーの乾燥体をさらさら入れる子もいる。
 
電極クリップのコードは、揚げた凧やアンテナに繋がっている。
夜空には今日も、雷。
それぞれに雷が落ちると、光は電線をとおり、動物の体に届き、次々生き返った。
それらは一様に悪魔じみている。
植物成長剤を吸った亀の死体は、ガメラ▼のように巨大に。
 
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生き返った悪魔のような怪物たちは、街に出る。
 
ペットの墓でスパーキーを見つけたヴィクターは、墓が掘り起こされていることに気づく。
 
動物の死体を蘇らせてしまったクラスメートたちが、ヴィクターに助けを求めにくる。
 
祭りの会場を潰す「ガメラ」。
 
他の怪物もやって来て、会場は滅茶滅茶に。
 
そこで、「シーモンキーの水は真水?塩水?」とクラスメートに訊くヴィクター。
「真水」と答えるクラスメート。
するとヴィクターは、「真水の生き物は塩に弱い」と言い、塩入りのポップコーンを作り、シーモンキーを呼び寄せる。
 
すると、おびき寄せられてポップコーンを食べたシーモンキー怪物たちは、死ぬ。
 
 
 
 
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水たまりにいる「ガメラ」には、その水たまりに切れた電線をつけて感電死。
 
 
姪を殺した怪物犬とされたヴィクターは町長と町民に追われる。
 
ペルセポネを咥えていった怪物コウモリを追いかけたエルザのもとへ、スパーキーは走っていく。
 
首を紐で繋がれたスパーキーだったが、目の前の、燃える風車小屋に、紐をちぎって走り込んでゆく。
 
ヴィクターとスパーキーは、力を合わせてエルザとその愛犬を救う。
 
すると、コウモリ怪物に、ヴィクターとスパーキーは狙われる。
 
スパーキーは、火の中で気を失っていたヴィクターを咥えて外に出る。
 
 
しかし火の中にスパーキーを引きずり込むコウモリ怪物。
 
コウモリ怪物は焼けた柱に刺さって死んだ。
しかしその後、スパーキーも火の海の中へ。
「ノー!!!」と叫ぶヴィクター。
 
焼け跡から消防隊員によって持ち出されたスパーキーは、死んでいた。
 
「ヴィクター、パパたちに何か出来る?」
「あきらめろって言ったよ」(これはスパーキーが車に轢かれて死んだ時の話。父は息子にそう言った。)
「大人は時々、おかしなことを言うんだ」とお父さん。
 
この後の展開は、意外だった。
 
何とお父さんたち大人が、車のボンネットを開けて電極クリップを中に繋ぎ、その反対側をスパーキーの死体に繋いだのだ!
「エンジンをかけろ!」とヴィクターのお父さん。
全員がエンジンをかけてアクセルをふかすと、、、
 
生き返るかと観客は期待するが、なかなかそうはいかない。
そこでヴィクターが大人たちを止める。
そしてスパーキーを抱きしめ、「もう戻ってこなくていいよ。心の中にいるから」と言う。
ここには、ヴィクターの心の著しい成長がある。
スパーキーが車に轢かれて死んだとき、お父さんがヴィクターに「心の中にスパーキーはいるよ」と言ったのだ。
しかしヴィクターは納得できず、「やだ。そばにいてほしいんだ」と言い、そして生き返らせることを思いついたのだ。
 
それからの色々と、スパーキーと一緒に力を合わせてエルザとその犬を救ったことで、ヴィクターの中にスパーキーの魂がきちんと取り込まれたのだ。
そして、死は安らぎ、永眠であって、その安眠を妨げてはならない、とも思ったのだろう。
 
 
ここはまるで、臨終時に何度も電気ショックを与えていたものを止めたことのようにもみえる。
 
と、すっかり諦めたところで、なんとなんとスパーキーは生き返る!
 
スパーキーが隣の犬と鼻先を合わせて電流キスをしたところで、ミラクルミラクルエンディング。
 
 
 
 
 
 
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