私はPulp Fictionという映画が大好きです。

 

最低でも50回は見ているかなと思うんですが、その中で気づいた、そしてパッと見ただけでは気づかないようなアイデアをここで紹介して、この映画の奥深さを少しでも伝えられたらと思います。

 

コカインとヘロイン

 

Uma Thurman 演じるミアはヘロインをコカインと勘違いして鼻から吸引してしまい、overdoseして気絶してしまいます。

これはパルプフィクションんのWikipediaにも載っています。

ドラッグをやらない人にとってここら辺の描写は難解ですよね。

解説してみたいと思います。

断っておきますが、私ドラッグはやりませんよ。

 

まずはJohn Travolta演じるヴィンセント。

彼はヘロイン好きな人として描かれています。

これは彼がドラッグのディーラーの家に行って交渉をするシーンで明らかですね。

ヘロインはダウナー系のドラッグと言われています。

使用すると気持ちよくなって動きが緩慢になるようです。

ヘロインを注射した後の彼は、ミアの家に行くシーンや、Jack Rabbit Slimsというレストランをうろつくシーンでも描かれている通り、とてもゆったりダラダラとしているのです。

 

一方のミア。

劇中で2度、鼻から粉を吸っているシーンがあります。

コカインはアッパー系のドラッグと言われています。

これを効果的に描いているのが有名なダンスコンテストのシーン。

ヘロインをやってヘロヘロのヴィンセントに対し、ミアの動きはとてもバキバキですよね。

実はこの二人の動きの違いはコカインとヘロインの効果の対比として描かれているのです。

 

ダンスの後、二人はミアの家に帰ってきます。

ミアはヴィンセントのコートを羽織っていますね。

彼がトイレでグズグズしている間、ミアは彼のポケットから手巻きのタバコを取り出し、一服している間にヘロインのはいった小袋を発見してしまいました。

コカインとヘロインはどちらも白い粉末です。

間違って使用しないように、アメリカでは通常ヘロインは風船に、コカインはビニールの小袋、通称パケットに入れておくそうです。

Google等で"Heroin Balloon"で検索してみてください。

どういうことかわかると思います。

しかし、ドラッグのディーラーが風船を切らしていて、しかたなくパケットにヘロインを入れてヴィンセントに渡したことからあの悲惨なシーンに繋がるのです。

これもドラッグ交渉のシーンでちゃんと言及されています。

 

 

もう一つの小話

 

冒頭のシーン、レストランでパンプキンとハニーバニーが話している所ですが、ヴィンセントがトイレに行くうしろ姿が少しだけ映っています。そのシーンの少し前、実はよく耳を凝らしているとジュールスがヴィンセントと話している声が薄っすら聞こえます。

なかなか良い演出だと思いませんか。

 

 

 

なかなか良い