私たちは日々、SNSを通して、闘病しておられる方などに、弊社の調査へのご参加へお誘いし、調査にご協力いただくことがありますが、ブログなどで拝見する患者さんやそのご家族の方の発信力と継続力にはいつも本当に感心させられています。

 

弊社が治療中もしくは治療を体験したことのある方に依頼する調査では、治療経験やその経験の過程で感じたこと考えたこと、薬や治療に関する資料を見ていただきその感想などをインタビュー形式(現在は主にオンライン)で、お話いただいたりすることがあるのですが、参加者の方からはインタビュー後によく「初めて第三者に話したのだけど気持ちの整理ができてよい機会になった」「冷静になれた」「誰かのために貢献できるのであればうれしいです」といった感想や、「ありがとう」という言葉さえもいただくことがあります。

 

以前にもブログで書かせていただいたことがあるのですが、YouTuberとしても活躍されている精神科医の樺沢紫苑氏によれば、物事をアプトプットすること、表現することには「癒し」の効果があり、精神科の治療として日記を書く治療もあるそうです。また、『言語化の魔力』という著書の中では、「思いや感情を話すだけで心が楽になる」、言葉の力、言語化することには「力」があるとして、もっと「言語化」しようと呼び掛けておられます。

 

最近は、ご自身の病気についてSNSで発信している方が多くいらっしゃいます。そういった方々は、自分の思いを公に言語化することにとても寛容で、かつ、「誰かのために」という思いもあって、調査に快くご参加いただくことが多いのですが、あらためてインタビューを通して、自分の思いを話したり、言葉にすることで、ストレスが軽減したり、心が楽になったことを、インタビューを受けてくださった患者様や介護者様は体感することができ、「参加してよかった」と言ってくださったのかもしれません。

 

さて、弊社Just Worldwideは、本社がイギリスにあり、世界各国の人たちと一緒に多くの医療調査を動かしています。調査を通して実感するのは、欧米各国と比較すると、日本人はどちらかというと病気を隠したりすることのほうが多く、病気の悩みを人に打ち明けたりすることを躊躇するような「隠す美徳」のような文化的傾向がまだまだ高めなのではないかということです。でもぜひ、現在の医療についての思いやご意見を伝えてください。私たちの調査をアウトプットの場、言語化の実験場として利用してみる気持ちでご参加いただけたら幸いです。調査を通して、心にインプットされた様々な思い、心の声をアウトプット、そして言葉にしていただくことで、少しでも気持ちが和らいだり、晴れやかになったり、そして医療の未来へとつながればと思っています。文:梅本