とうとう中学2年の息子に身長を抜かれた。
たかだか4cm程度であるが、目の位置が私より上にある。
随分と大きくなったものだと感慨にふけると同時に、このごろ背中が丸まって、歩き方も歳よりくさくなっている自分に気づく。
「俺も衰えた…」
声変わりし、ときどき生意気な口をたたく、少年期から青年期にさしかかる息子の姿に、もう自分の役目は終わったのかなと思ったりもするが、ノートに書かれた、つたない息子の字を見ると、まだまだ14歳の子供だなと思う。
残された時間、もう重い荷物はおろしてしまい、これまでできなかった自分の好きなことを存分にやりたいが、そんな息子を見ていると、まだがんばらなきゃいけないなと思う。
(了)