人間失格

アイデンティティの崩壊。
それがこの本の内容だと思う。
自分とはいったい何なのか。

幼少の時から、他人の目を気にして、
自分の本能、欲望を押さえている主人公。
というよりも、「欲」というものがないから自分の存在価値が見いだせなかったのだろうか。
その結果、女、酒、薬に溺れ、人間ですらなくなってしまう。
心を喪失してしまうのだ。

この主人公は「人間失格」というレッテルを押された。
だが、そうなのだろうか。
自分が何をしたいのか、というものを見つけられない人は多くいる。
というよりも、自分の生きがいというものを持っている人は少ないだろう。
生きがいを持たない人はこの主人公と同じなのではないだろうか。
何のために生きているのかわからなくなる。
その結果、主人公は壊れてしまった。
自分を騙しきれなくなって壊れた。

何をしたいのか。
生きている意味は。
人間の価値は。
それを考えさせる小説だ。
人間失格 (集英社文庫)/太宰 治
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