私が中2の頃の話だ。
私は色白だけどソバカスがある。
おまけにほっぺが若干赤い。
歳を重ねて赤いほっぺは無くなったが。
中2の秋口、男女5〜6人で中学の傍の
スーパーで菓子を買うのに
わらわらと入店した。
スーパーの入口の脇には果物が
置いてあり
つらつらと歩きながら ふと
『これ、ハッチ!!』
私の旧姓は橋本であり
皆から『ハッチ』と命名され
そう呼ばれていた。
『ハッチのほっぺ!安売りの林檎〜〜!!』
皆の居る空気が一瞬で
摂氏零度となった。
林檎は全体に薄茶色の点々があり
いかにも私のほっぺと酷似していると
言いたげだった。
だが
しかしだよ
そんな失礼な言動をした
本人はと言うと
肌は綺麗だが
『おめえ〜。少しは痩せろよ』
と説教したくなるくらい
太っていた。
要するに言わせてもらえば
みっともないデブで
オマケにブタの様によく食う。
自分を客観視出来ぬブタなのだ。
当時、我が家の自宅に、と
遊びにやって来たこのブタに
(もう、名前も忘れちまった)
お茶と3人前位のクッキーを
配膳した。
すると
するとだよ
私が数分、喋っている間に
このブタは、3人前のクッキーを
一人で平らげていた。
私は、クッキー1枚どころか
一口も味わっていなかった。
目の前の友人の為に
幾らかでも 残しておこうと
言った配慮なんぞ皆無だった。
このブタの実家は
福岡の中洲から博多駅の狭間にある
ある雑貨店の社長であった。
自宅に招かれお邪魔した記憶はあるが
いかにも社長邸宅といった豪邸だ。
『ドーナツを作って食べたいから
ハッチ、ウチに来て作り方教えて』
おめえ〜〜。デブのくせして
この期に及んでまだ食う気か!!?
そんな馬鹿らしいエピソードを経て
数年後に再会した時には
既にあの豪邸は抵当にと奪われ
生活保護の様子をうかがわせた
暮らしをしていた。
社長が構えていた雑貨店は
売り上げが底を突き
豪邸どころか電化製品から家具に
至るまで無くなり
着の身着のままで今や
暗い平屋住まいで生活していた。
一度呼ばれて入った事はあるけど
もう2度と行きたくない場所だ。
これを『因果応報』と
言うべきだろうか。
