スカイ島紀行 その2〜 涙の峡谷を抜けて | スコットランドは今日も曇り空

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気がついたら在英30年。今さら周りに言えない憂さをさらすブログ。

スカイ島への旅は、

まずグラスゴーのある

ロウランド、低地地方から

ハイランドは高地地方へと 

向かうところから始まります。






1時間も車を走らせると

景色は、こんな感じに。



涙の峡谷、または悲劇の谷と

呼ばれるグレンコー

Glencoe に

さしかかります。







『グレン』はスコットランドの言葉で

谷の意味。

英語の谷『バレー』は

スコットランドでは使いません。





ポツンと現れた橋を渡ると

荒野と峡谷が

広がります。








ここからは

ラノックムーアの始まり。








広大な荒野は

湿地の沼や、

泥炭ピートが埋もれている

土地が広がっています。



ヒースの灌木が

平野を覆っているので 

一見、足場のしっかりした

硬い土壌に見えるけど

実は底なし沼みたいな

部分もあります。





ズボリとハマると

足が抜けなくなるびっくり



そしてグレンコーの岩山。

古い、古い岩の荒ぶる山です。








スコットランドには

いろいろ風光明媚なところがあるけど、

広大な荒野のラノックムーアと

切り立つ峡谷のグレンコーは

ひときわ自然の壮大さを

感じるエリアです。




一本の道路が通っている以外は

何もない。








峡谷の間を流れるコー川。

ヒートウェーブのせいか

水がとても少なかった。







伝説では、このコー川で

洗濯をする老婆に出逢ったら、

悪運が訪れると

信じられています。ガーン






グレンコーは

代々、マクドナルド部族の土地でした。

マクドナルドは

スコットランドの北西部に散らばる

強力な部族。



中でもグレンコーのマクドナルドは

スコットランドの王家スチュアート家に

忠実な部族として

知られていました。







しかし、その忠誠が裏目に出て

マクドナルド部族は

イングランド政府の卑劣な策により

奇襲をかけられ

このグレンコーの峡谷で

生命を落とすのです。







極寒の二月の朝早く、

政府軍の奇襲を受けた

マクドナルド部族は

女子供、老人たりとも容赦するなと

命令を受けた兵士に追われ

谷を逃げ惑いました。



刃を逃れても

帰るべき場所を失った

部族は雪の降り積もる峡谷で

次々と凍死してしまうのです。







この歴史から、

グレンコーは涙の峡谷、

マクドナルドの墓場と

呼ばれています。






別に私はイングランドに恨みも何も無いけどね、

スコットランドの歴史を紐解くと、

イングランドから酷い目に

沢山あっているんだよね〜。キョロキョロ



ただ領土拡大とかの話じゃなくて

スコットランドのアイデンティティを

否定したハイランド大掃討とかね。



スカイ島といえば

ボニー・プリンス・チャーリーと

ジャコバイトの戦いも抜きには

語れないしね。



スコットランド🏴󠁧󠁢󠁳󠁣󠁴󠁿

いろいろあります。びっくり








グレンコーの人気スポット

スリーシスターズ。


岩山3つを三姉妹に

見立てている。







観光客がいっぱいで

車を停めるスペースがなかった。



チャチャと撮ったから

三姉妹、揃って映せなかったわ。







グレンコーはところどころに

車を停めてウォーキングしたり、

写真を撮れる場所があるんだけど、

チャイニーズの観光客で

溢れていました!



ミニバンのグループで

次々と来ていましたよ。



個人や家族連れの中で

若者6人や8人のグループだから

結構目立っていた。



去年の夏にインバネスに行った時は

本当に静かだったから、

それに比べたら

いよいよ観光業も復活の兆しかな?




おまけのリンク

グレンコーの悲劇を歌った

スコットランドのフォークソング。下矢印



グレンコーの虐殺