そしてオレは小父さんの向かいの椅子へ座った。

すると、間もなくオレとさほど歳が違わない女の子がダイニングへやってきた。おそらく話に聞いていた一人娘だろう。

小父さんが「綾、おはよう」と柔らかに言った。

なるほど、名前は「綾」というらしい。

だが、その綾という女の子は怒っているような、拗ねているような顔でオレを睨んで(?)いた。

それにオレが戸惑っていると、その様子に気づいた小母さんが思い出したように囁いてきた。

「そこは綾がずっと座ってるところだから隣に移ってもらっていいかな?」

その顔には少し申し訳なさそうな表情が浮かんでいた。

そんな些細なことはまったく気にもならなかったので、そそくさと隣に移った。

すると女の子はしぶしぶ…というべきだろうか、そんな様子でオレがいた場所に座った。

少しの時間を置いて、小母さんが朝食をテーブルに並べ始めた。卵焼き、焼き魚、サラダ、味噌汁、ご飯…ごく一般的な朝食を具現化したようなメニューである。

特に話すこともないので黙々と食べていると、横から視線を感じた。自分も視線を返すと、俯いてしまう。どうも嫌われているようだ。突然幸せな家庭によそ者がやってきたのだから、当然の感情だろう。だから気にもせず朝食を平らげ、早々に自分の部屋へと退散した。