けたたましい電話の音で目が覚めた。
どうやらテレビを見ながらそのまま寝てしまっていたらしい。
横にいる綾はこの騒音の中でもぐっすり眠っている。…なかなか大物かもしれない。
そんなことを考えてる間も電話は鳴り続けている。時計に目をやると12時をまわっていた。
まだ両親は帰ってきたいないいようなので、自分がとるしかない。
まだ半分まどろんでいながらも電話をとる。
「すいません!遠峰さんのお宅ですか!?」
いきなり大声で尋ねられ、驚きながらも言葉を返す。
「こちらは藤深市第二病院ですが、先程交通事故が起き、遠峰一彦さんと綾音さんが搬送されてきました!一刻を争う容態なので、来ていただけませんか!?」
…は?何を言っているのだろうか?両親はただ外食に行っただけなのにそんな事になる筈はない。
まだ覚醒しきっていない頭で必死に取り繕うとしたが、電話の向こうから聞こえてくる看護師や医師の声が、そんなオレに現実を押し付けてくる。
オレは何も言えず、受話器を落とした。
その音で綾が目を覚ました。
「どうしたのぉ?」
オレは今聞いたことをそのまま話した。綾は言葉を失い、その顔はみるみる青ざめていった。
とにかく病院に行こう。という結論に至ったオレ達は、タクシーを呼び病院へと急いだ。
車の中で、震え続けている手をお互いに握り合って。