中国の広州で開かれた女子サッカーの国際大会で高校受験前の2学期に1か月も学校を休んでしまい、帰って来てからは全国大会の東京都予選、関東大会と勝ち抜き、全国大会の切符を掴みます。(3月の全国大会は2回戦で高槻に敗退。清水第八は4連覇達成。)ずっとサッカー漬けの毎日でしたが、どうにか無事高校受験に合格し小平南高校に進学しました。

 

 その高校1年の10月には今度は中国の西安で国際大会が開催されます。その大会に向けて8月に静岡の清水で日本代表の強化合宿がありました。

 この合宿では、栃木から読売ベレーザに通ってきていた中学2年のTっぺが初参加。Tぺは、小学4生の時に、第1回ペレ杯というボールリフティングの全国大会で優勝して、サッカーの王様ペレから祝福のキスを受けたすごい子だった。

男子や上級生を抑えて日本一になったのだから、どんなにすごいかがわかるでしょ?

 5年生の時に準優勝。6年生の時には頭、足部門ともに5分間で千回を超える記録で再び優勝に返り咲いた。私が千回達成した時には10分を優に超えていたから、倍以上のスピードです。実際にやってもらうと目にも止まらぬ速さでボールをつくのだから、もはや曲芸の域です。

 

 私はサッカーマガジンの記事で彼女を知って、FC小平に勧誘したくなっちゃった。監督の永沢さんにも「FC小平に誘いたい!」と話したら、「おまえが誘うのは構わない。」という事だったので、まず栃木県サッカー協会に電話しました。

 「自分のチームに誘いたいので、連絡先を教えてほしい」と言ったら「ぜひ誘ってあげて」と連絡先を教えてくれました。個人情報がまだまだおおらかな時代でした。

 まず手紙を出し、届いたと思われた頃、実家に電話をしました。最初お母さんらしい方が出てきたのですが、栃木弁が聞きなれず、何を話しているのか理解できませんでした(笑)。

 何を言っているのかわからないまま、こちらのチームに誘いたいという要件を伝え、ちゃんとこちらの言っていることは伝わったらしく、Tっぺに代わってくれました。その時は、あっさりと「サッカーは小学校でもうやめるので。」と断られてしまいました。

 ところが、1年後読売ベレーザで試合に出ているじゃありませんか、ガーンとショックでしたねぇ。「一回やめていたんだけどぉ、またやりたくなった頃にちょうど読売に声をかけてもらったんだよねぇ。長峯さんタイミングが悪かったんだよぉ。」と何度も言い訳聞きました。

 

 初参加の清水合宿中には、宿泊していた旅館にゴキブリが出て、「キャー」と皆が大騒ぎしている中、Tっぺはそのゴキブリをさっと手掴み(もちろん素手)、皆あ然としている中、何食わぬ顔で外に投げ捨てました。「クワガタだと思ったんだよねぇ」と言い訳してます(笑)日本代表にかなりのツワモノが加わりました。