【400文字作文】焚き火。

私は数冊の雑誌と数日分の新聞とワンシー
ズン分の枯れ枝をヒモで括り、人差し指や中
指にそれをぶら下げ歩いている。
焚き火をするか。と思い立ったのは「雪」
とか「気温」とか「乾燥」とかそういう単語
を見たり、耳にするようになったからだと思
うし、街路樹を見たせいでもあるだろう。緑
が消え、黄色や紅へと染まるグラデーション
は私を静かに興奮させた。
雑誌と新聞と枯れ枝を持ち歩いている私は
真夏にコートを羽織っている人のように明ら
かに違和感を放出していた。だがそれは心地
良かった。彼らは焚き火をしたことがないの
だろうと思えた。枯れ枝から水分が無くなり
弾ける時の音や、紙が爛々と燃えるさまを知
らないのだろうと思えた。
家を出てどのくらい経っただろう。焚き火
ができそうな場所を決めることができない。
垣根の垣根の曲がり角。と唄ってみたが、
見つかりそうもない。