【400文字作文】星のカスだけ クズしめて

最後の客が帰り、トマトソースで赤くなっ
たパスタをゴミ箱に放り込んだ。
大人でもすっぽり入れそうなゴミ箱には、
いろんな食べ物が放り込まれ、混ざり、観念
している。
ゴミ箱に集められた食物は、自分がカスに
なったことを受け入れ、観念している……。
そんなゴミで膨れたポリ袋を破らないよう
慎重に持ち上げると、ポリ袋の隅にはサビ色
の液体が溜まっていた。
人の食欲を満たせたのか、満たせなかった
のかは解らないけど、目に見えて重量感もあ
る欲望のカスは、解りやすい。
今夜のニュースも、色んな欲望のカスを集
め報じているんだろうな。と、思いながら俺
は裏口のカギを閉め、夜空を眺めた。
大袈裟でもなく、感傷的でもない輝きの星
クズを二つ三つ数え、俺は深呼吸をした。
そして俺は、明日はもっと優しくなろう、
と思った。もっと優しくなろう、と思った。