【400文字作文】逃避者
蛍光灯から下げられたヒモを掴もうとする
老人の手のように、木の枝が露出している。
地獄に堕ちた者が天国にいる奴を引きずり落
とそうとしているようにも見える。暖色系の
枯葉を踏みながら歩くと、スナック菓子を美
味そうに喰う子供のように可愛らしい音が鳴
るが、湿った土の感触は、その子供の母親の
腹部を踏んでいるみたいだ。
この山に入ってどのくらい経つのだろう。
そう思いながらペットボトルの水を飲んでい
ると視線を感じた。目だけを動かしその視線
の糸を辿ると、茶色の動物が遠くから俺を見
ていた。この距離 から、その動物の目など見
えるはずもないのに、その黒く光る瞳にはっ
きりと俺の姿が映っているのがわかった。
右手を拳銃の形にし、左目で照準を合わし
バェンと呟くとそいつは逃げた。俺も、もっ
と深いところへ逃げなくてはいけない。根を
張った木々だけがその場を動けずにいる。
俺はその木の幹に手をかけ、先に進んだ。
老人の手のように、木の枝が露出している。
地獄に堕ちた者が天国にいる奴を引きずり落
とそうとしているようにも見える。暖色系の
枯葉を踏みながら歩くと、スナック菓子を美
味そうに喰う子供のように可愛らしい音が鳴
るが、湿った土の感触は、その子供の母親の
腹部を踏んでいるみたいだ。
この山に入ってどのくらい経つのだろう。
そう思いながらペットボトルの水を飲んでい
ると視線を感じた。目だけを動かしその視線
の糸を辿ると、茶色の動物が遠くから俺を見
ていた。この距離 から、その動物の目など見
えるはずもないのに、その黒く光る瞳にはっ
きりと俺の姿が映っているのがわかった。
右手を拳銃の形にし、左目で照準を合わし
バェンと呟くとそいつは逃げた。俺も、もっ
と深いところへ逃げなくてはいけない。根を
張った木々だけがその場を動けずにいる。
俺はその木の幹に手をかけ、先に進んだ。