【400文字作文】グリーン・ベルベット
夜の道を歩いていると、秋の虫たちがまる
で、期待を裏切った目覚まし時計のような、
弱々しい金属音を鳴らしていた。蝉の鳴き声
より情熱さに欠けるその金属音は、私を安心
させた。
蝉の鳴き声がアナログなら、秋の虫が鳴ら
す音は、デジタルだ。
夏の陽射しに便乗して、アフロヘアーのよ
うに膨らみ、葉を茂らせたツツジの根元の土
には、ビッシリとコケがはりついている。
ベルベットのようで美しく、触れたくなり
右手を伸ばしたが、土の湿度をほんの少し指
先に感じ、女の顔の皮膚の ようだな……と思
い手を引っ込めた。
行き場の無い指先を自分の唇に当てコケを
睨んでいたら、白髪の女性が私を見て微笑ん
でいた。さらに行き場を失った右手の指先を
左の耳たぶに運び、白髪の女性から視線を外
すと、綺麗でしょう?と声を掛けられたが私
は、ええ……と答えるのが精一杯だった。
で、期待を裏切った目覚まし時計のような、
弱々しい金属音を鳴らしていた。蝉の鳴き声
より情熱さに欠けるその金属音は、私を安心
させた。
蝉の鳴き声がアナログなら、秋の虫が鳴ら
す音は、デジタルだ。
夏の陽射しに便乗して、アフロヘアーのよ
うに膨らみ、葉を茂らせたツツジの根元の土
には、ビッシリとコケがはりついている。
ベルベットのようで美しく、触れたくなり
右手を伸ばしたが、土の湿度をほんの少し指
先に感じ、女の顔の皮膚の ようだな……と思
い手を引っ込めた。
行き場の無い指先を自分の唇に当てコケを
睨んでいたら、白髪の女性が私を見て微笑ん
でいた。さらに行き場を失った右手の指先を
左の耳たぶに運び、白髪の女性から視線を外
すと、綺麗でしょう?と声を掛けられたが私
は、ええ……と答えるのが精一杯だった。