【400文字作文】日傘の女 | 【400文字作文】下半身は地球を救う。

【400文字作文】日傘の女

 アスファルトの熱気を感じて、俺は太陽に
炒められてるんだな。と思いながら太陽を睨
む。が、眩しくて二秒も空を見ていられず、
僕はまたうなだれてアスファルトに視線を落
とし、道路の真新しい白線を睨んだ。
 道路の白線はまるで理髪店に行ったばかり
のオジサンの髪型みたいにきっちりと、まっ
すぐ駅へと繋がっている。たとえアスファル
トが太陽の熱で崩れても、この白線だけは残
っているかもしれないな、と思いながら駅の
方を眺めていたら、一人の女性が日傘をさし
て白線の上を歩いてくるのが見えた。その歩
き方は綱渡りをするように慎重でもなく、ふ
しだらでもなく、何にも甘えてなかった。
 傘がつくる影は薄く、頼りないけど、女が
落とす影はアスファルトより黒く、強い。
 その日傘の女はかすかに、生き物の匂いを
放ちながら、僕の前を通り過ぎていった。そ
の場に留まっている俺の匂いはきっと、生ゴ
ミの臭いがしていただろう。