【400文字作文】足音バイバイごめんなさい。 | 【400文字作文】下半身は地球を救う。

【400文字作文】足音バイバイごめんなさい。

 駅から徒歩10分と言われた今のアパート。
私は14分かかる。私は歩くのが、遅い。
 だが、その日の帰り道はそうもいかなかっ
た。後ろから重い足音が聞こえて、私の歩く
ペースを乱したのだ。鮮明なオスの足音だ。
 前に友人が言っていたことを思い出す。一
人歩きの時に不安になったら、携帯で誰かと
話してるふりすれば、かなりキクよ。
 携帯を取り出し耳に当て、5秒。私は、も
しもし。と言った。そしてその後に、元気だ
った?と続けた。何も聞こえない携帯を相手
に相槌を打つ。
 もう足音は気にならない。私は誰に元気?
と聞いたのだろう…そのことが気になった。
 うん……うん…と、相槌をうつ私。   
 なに言ってるんだろう、と思う。けど乾い
た唇からは、ごめんね。うん、ごめん…。
 私は、謝っていた。このワタシが。
 涙の玉がまつ毛にさされて破けた時、もう
駅を出て16分がたっていた。