【400文字作文】終わりなきカーヴ | 【400文字作文】下半身は地球を救う。

【400文字作文】終わりなきカーヴ

 そいつはアゴを上げて言った。俺はどんな
曲線からでも女の身体に辿り着けると。
 木綿が作り出す柔らかで毒の無い曲線でも、
金属が作り出す張りつめた曲線からでも、プ
ラスティックが作り出す型にハマったツマラ
ナイ曲線からでも。うっとりとした表情で、
植物や水や砂が創り出す曲線の美しさについ
て語りだし、たまんねぇよ、とワイングラス
のカーブを指先で撫で、残っていたワインを
飲み干した。
 俺は、そいつが「どうしても辿り着けない」
と、うなだれる姿が見たくて、風はどうだ、
と聞いた。風も女の身体じゃないかと、逆に
驚いた表情でそいつは言った。道を尋ねたら、
お前がいるココが目的地だと言われたみたい
で俺は恥ずかしくなった。
 じゃあ世界は女で創られているのかと、呟
いた時、隣の女がくすくす笑った。微笑む目
と口元は三日月のように丸く、笑い声は風鈴
の音のようだった。俺は何かに負けた気がし
たが、何に負けたのか、よくわからなかった。