2021年新作映画ベスト3【9月編】 | ピン芸人・淳矢淳矢のブログ。優柔不断で慎重派。

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主に映画のランキングをつけています。

お疲れ様です。淳矢淳矢です。




先月8月のランキングは

アップしたのが既に9月入って

10日ほど経っていたという体たらく。




すみません今回もでした…🙇🏻‍♂️


またアップ遅れてしまいました…🙇🏻‍♂️


来月こそは!





そんな9月に観た新作映画は配信も含め

13作



かば
テーラー 人生の仕立て屋

シューマッハ(N)

17歳の瞳に映る世界

モンタナの目撃者

ケイト(N)

バックノール(N)

君は永遠にそいつらより若い

空白

雪の蜂(N)

シンデレラ(A)

モロッコ、彼女たちの朝

メインストリーム(試写)

無印:劇場公開
N:Netflixオリジナル
A:Amazonプライムオリジナル



7月、8月のお祭り感と比べて

割と落ち着いた作品が多かった印象。







では9月のベスト3の前に諸注意





結末に関わる重要なネタバレは致しませんが

感想を書く上で内容に触れたりはするので

まっさらな状態で鑑賞したいという方はご注意🙅🏻‍♂️



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🥉第3位🥉

『かば』




熱と熱がぶつかり合う時代


昭和のエネルギー全開の教師物語





古き良き時代

という言葉は現代を無視にしてるようで

僕はあまり好きになれないのですが

この映画の教師と生徒の関係性は

まさにそれ以外では言い当てられない!


嘘臭くなく魅力的に映し出されている

今は失われてしまった教育の姿


子育てに関わらない限り

教育の現場を目の当たりにする

機会を持つのは難しいですが

学校、家庭、地域がバラバラな印象を持つ

現状の教育について省みずにはいられない。


この映画の更に良い所は

ベテラン熱血教師の姿や新人教師の成長

不良生徒の抱える闇

などベタな見所はキチンと面白い上に

日々迷惑をかけまいと配慮するが故に

人知れず消耗し続ける真面目過ぎる子にも

スポットが当たってる点だと思います。


今でこそ真面目な子目線の作品を

目にする事は増えてきましたが

昭和にだってそういう子は

間違いなく存在していた


それとこの子達のお陰で

「この子らと出会って、自分が教師やいうことなんか3日で忘れたわ!」

という名言も生まれました。


"教師と生徒"でなく"人と人"

で接する。

本作を象徴するセリフでした。



舞台となる大阪西成という街の特性や

それ故の偏見、差別を受ける苦しみ

が描かれているのも

テーマに対しとても真摯に向き合う姿勢や

扱ってる事に対するリスペクトを感じます。



熱血教師ものってやられ過ぎていて

触手が伸びづらいきらいがありますが

妥協なく作ってる本作では

懐古だけではない新たな発見

ができると思います。


それと演者さんはみんな良いんですが

個人的には

新任教師役の折目真穂さん

真面目生徒役のさくら若菜さん

が特に印象に残りました。



ちなみにこの映画は

完成まで7年かかっているそうな。


それだけの価値はある映画でした!

とても面白かった!















🥈第2位🥈


『君は永遠に

そいつらより若い』




とっ散らかった事しか言えない


多種多様なテーマ盛り盛りの沼映画





とても良い映画だったので2位!


なのですが観た後に真っ先に思った事


「この映画の感想を

うまくまとめる自信がない」


なので好きなシーン等を箇条書き

の形でお送りする事を

お許しください。



  • 授業後の痴情のもつれ

「自殺する!」と発狂する女生徒を見て

「気持ちよさそう」

と呟く猪乃木さん。

他人とも上手く話せてる様に見えるけど

常に自分を抑え込んでいる人

というのがよくわかる良いシーン。



  • 堀貝さんのバイト先

検品バイトの作業工程が

チェックしてオッケーならすぐ流す

チェックして流す、チェックして流す…

を繰り返す様が所謂社会の歯車として

機能しているよう。

完璧にこなしてるように見えるけど

本当に私はそうなのか?

などと思いながらやってたのかな

と色々想像が捗りました。



  • 巨根のくだり

同性としてはバカバカしさで笑ってしまうも

すぐに本人の切実さで涙する。

同時に彼に対する自分の配慮の無さ

に気付く堀貝さんを見ても苦しくなる。

感情がバカになる案外すごいシーン。



  • ぷよぷよ

猪乃木さんは「ぷよぷよ」を

好んでプレイしているよう。

同じ色を4つ集めれば消えてスッキリ!

現実もそんな風に簡単だったら…

とか思いながらやっていたんだろうな。

想像ですけど。

現実を上手く生きるために必要なゲーム。

これはもう現実逃避ではないですよね。




堀貝さんが右往左往する姿に

主に焦点が当たった作品で


他人に頼ってばかりの学生生活を

友人に直で指摘されたり

自分の力のなさに絶望もしたけど

その頼った事で手繰り寄せたもの

最終的に自分が救われる


そういう物語でもあるのかなと思いました。



どこを切り取っても

「…でもある」

みたいな事の連続で

含まれてる事を全部理解しきれてない自分が

苛つくくらいボリュームのある映画でした。


色んな要素が全部濃くて腹に溜まる。


堀貝さんと同様

とっ散らかった事しか言えない!

素晴らしい作品でした!
















🥇第1位🥇

『空白』




他人との間ある空白


埋めるのは怒りか憎しみか押し付けか






前作「BLUE」から半年足らずで

また吉田恵輔監督の新作が。


1年で2本も吉田恵輔作品が観れるとは…

そして今作も前作と同様に

人間ドラマ色濃い作品となっていました。


少女が万引きの疑いをかけられた事で

起こってしまった悲惨な交通事故。

事態はその関係者たちにより

地獄絵図さながらの様相を呈していく。



各々が各々の事情を抱え

正義も悪もない状況で

行いの正しさを測る物差しはあるのか。


それぞれが互いに向き合っているようで

まるで向き合えていない大人達。


他者への想像力を欠いた結果

人間同士にできる溝。


それらが地獄へ転がっていく脚本

素晴らしかった…




古田新太さん演じる父・添田は

娘のためと言いながら

あらゆる相手に攻撃的で

娘に対する父親としての

義務感を超えた狂気っぷり。

それが明らかになったから

何なのかとまで思わせる。

ハマり役過ぎました。


松坂桃李さん演じる青柳店長の

自責の念と事件から解放されたいという

複雑な胸中で揺れる姿は

ベスト松坂桃李を更新という程。

あのブチギレシーンの痛さ、苦しさは

ちょっと他所では感じられない。

凄かった…


そしてここに寺島しのぶさんの

パートのおばちゃんを配するのが

とても監督らしい。


基本的に善意の人間

「私が苦しんでる店長を支える」

「店長の敵は私の敵」

「ボランティアに殉ずる私は正しい」


一見地獄に現れたヒーローの様ですが

その善意、誰のためのものですか?

と問いかけられる展開を見せていき


相手の為を思って行動してる人間の

相手と向き合えていない姿を露わにしていく。

本当に意地悪で最高な監督です。


そして事故車運転手の母役・片岡礼子さん。

出番は少ないものの

目ん玉飛び出る程の名演

映画においてとても重要なシーンで

繰り出される最高の演技。


あと個人的に藤原季節さんは

ベスト藤原季節さんでした。


今まで観た作品では

ストレートや性格の役が多い印象で

正直あまり刺さらなかったんですが

今回のやや粗雑で不良っぽく

添田のオアシスにもなる役柄は

とてもハマっていてすんなり入ってきました。



と役者さん軒並み素晴らしかったんですが

事の始まりの事故シーンも凄まじかった。


事故に遭う少女の人柄や人生が

短く的確に語られる点や

一拍置いての追撃など

そこに至るまでの持って行き方が

良い意味で意地が悪い。

画的に凄惨とかではないのに

インパクトがでかい。


今まで観た事故シーンでも出色の出来で

かなり心が削られるもので

最悪で最高でした。




やはり各所で見受けられる

監督の性格が悪さが存分に発揮という感じで

人間の上っ面をベリベリ剥がしにくる

観ていて心にダメージを喰らう映画ですが


上辺で取り繕われた良き事ではなく

その奥に蠢く闇を見せてくれるからこそ

観る側は監督の作品に

嘘偽りない希望も感じられる

のだと思います。


とても静かに映像で

存分に心をざわつかせてくれる

上質な人間ドラマでした!

完全に年間上位ですね!









というわけで1位は『空白』でした

🎉🎉🎉🎉🎉🎉🎉🎉🎉🎉🎉🎉🎉🎉🎉🎉🎉


監督の次回作もとても楽しみ!






今回紹介できなかった作品では

・シューマッハ

・17歳の瞳に映る世界

・モンタナの目撃者

・バックノール

・シンデレラ

もなかなか好みでした。












10月はかなり豊作の予感。


多分ランキングには入らない

ようやくの007新作


超待望のドゥニ・ヴィルヌーヴ新作「DUNE」


リドリー・スコット新作「最後の決闘裁判」


などド派手な作品が待っています。





10月こそは感想書くの早めに動き出そう…






というわけで

ここまで読んでいただきありがとうございました🙇🏻‍♂️🙇🏻‍♂️🙇🏻‍♂️🙇🏻‍♂️🙇🏻‍♂️🙇🏻‍♂️🙇🏻‍♂️🙇🏻‍♂️🙇🏻‍♂️🙇🏻‍♂️🙇🏻‍♂️🙇🏻‍♂️🙇🏻‍♂️🙇🏻‍♂️🙇🏻‍♂️