クロボを後にしてアヴェダッパに着いた頃には、夜もすっかり更けていました。
「俺のダチが来るって聞いた同僚のドギーが、狩った兎をシチューにしてくれたらしい。今から行こう」
「マジかよ(狩った、って)」
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「ヘイドギー、俺の連れだ」
「Nice to meet you」
「どーも」
貪ります。
兎のシチューは辛めの味付け。ここでは「アチャンクイ」という、木の根っこにつけたお酒で胃を燃やした後にフーフーを掻き込みます。至福の時間。
お礼を言ってドギーの家を後にします。次は連れの職場の校長と教頭、連れの大家である村長に挨拶に行きます。
「初めまして」
「Welcooooooooooooooooooome」
「(妙にテンションの高いおっさんだな)」
「教頭少しいかれてんだよ。全く楽しいおっさんだぜ」
村長の家の前に椅子を並べて、夜風にあたりながら色々な話をします。
何故ガーナに旅行に来たのか。
ガーナはどうか。
連れは日本ではどうだったのか。
などなど。
楽しい時間でした。
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「これが俺の高校。」
暗い夜道を歩きます。
トーゴとアクラを結ぶ国道だけあって、しっかり舗装されています。
手持ちで撮影で微妙に星が写るくらい、星が綺麗でした。
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連れの家。
「広いのはいいんだけどネズミが出るんだよ。よく停電するし」
キッチンと冷蔵庫はこんな作り。
「俺はこっちで寝るからベッド使えよ」
「床で良いって」
「お前は客だから。じゃあ疲れたから俺は寝るぜ」
「…すまん」
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一晩空けました。
この日は連れが首都に戻って協力隊の会合に参加しなければいけないので、この日から二日間別行動。自分は単身トーゴへ向かいます。
その前に、連れが同僚を紹介したいとのことで、連れ曰く“いつもの溜まり場”へ向かいました。
連れの家。
外で水風呂。気合で浴びました。
水道のないこの村では、汲み置きした水を使います。
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笑顔が優しかったおばちゃん
連れは村の人気者。
歩いているだけでたくさん声をかけられます。
村の教会。
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「Welcoooooooooome」
「(またこのおっさんかよ)」
連れに同僚達を紹介してもらいます。その後はウィスキーで一杯やりながら雑談。
ウィスキーはビニールに入っています。
噛み千切って飲みます。
"Too heavy... why !?"
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同僚達にお礼を言って、トーゴとの国境に向かいます。
連れは国境まで送ってくれました。
「時間限られてるのにすまんかった。ただ、エゴかもしれないけど、俺の仲間たちを紹介したかったんだ」
エゴなんかじゃねーよ。連れの生活が垣間見れて良かった。
学生時代から人気者だった男は、ここでも確かに皆に愛されていた。
帰国したらみんなに報告しよう。ガーナでもあいつは変わらずあいつだったと。
ありがとう。
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イミグレで出国の手続きをした後、連れと別れました。
「マジ気を付けてな。トーゴ、ガーナより治安悪いみたいだから」
「ありがとう。なんとかなるさ。しあさって、アクラでまた」
ここから二泊のトーゴ旅が始まりました。全くの未知の世界。緊張しながら国境を越えました。
続きます。