DAY4 ヴィクトリアフォールズ | Art of the World - カメラを持って、旅に出よう

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10年以上定期的に世界を旅しています。それらの旅の記録を写真と共に残しています。2024年3月現在渡航国と地域は65。

 今日は同じドミトリーに滞在する日本人旅行者の方々と一緒にヴィクトリアフォールズへ。リビングストンの街から10kmほど離れたところに滝はある。ドミトリーの無料バスで移動。まだまだ滝は数キロも先なのに、飛沫が上がっているのが見える。



ザンビアサイド
 入場口に近づくと…すごい、もう水しぶきが飛んでくる。ヴィクトリアフォールズは乾季と雨季とで水量が10倍違うという。今は雨季の真っ只中だが、想像以上の轟音に驚く。入場して少し歩くと、もう滝が見える。

 二年前のイグアスは、アルゼンチンサイドもブラジルサイドも観ることが出来る地点が多くあり、また公園内も広く歩いていて楽しかったが、今回は楽しむ余裕がなかった。想像以上に飛んでくる水、水、水。
 滝が良く見えないエリアが多く、一眼レフを出すことができない。それでも気合で写真を撮った。

滝の道

公道に横殴りのしぶき

ザンビア側滝
すごい水量

 びしょ濡れになったところで、ザンビアのVISAがシングルだった三方と別れ、ひとりジンバブエ側に入ることにした。ボーダーまでは徒歩で30分程度。橋を渡って国境を越えた。



ジンバブエサイド
 ジンバブエに入国。イミグレ―ションでVISAを30$で取得。アフリカ大陸三国目になる、ジンバブエの国境を越えた。

 ジンバブエ国旗





ジンバブエ共和国(Republic of Zimbabwe




ジンバブエ地図


1.面積
 
39万平方キロメートル(日本よりやや大きい)

2.人口
 1,252万人(2009年 世銀)

3.首都
 ハラレ(161万人:2009年世銀)

4.言語
 英語、ショナ語、ンデベレ語

5.独立
 1980年、英国自治植民地ローデシアより

6.宗教
 キリスト教、土着の伝統宗教

7.通貨  
 ジンバブエ・ドル

8.安全情報
 1/4 十分注意してください。(全土)

9.日本との貿易主要品目 
 輸出…輸送機械(77.5%)
 輸入…ニッケル(70.5%)、フェロクロム(19.5%)

10.在留邦人数
 74人(2011年7月現在)

11.在日ジンバブエ人数
 99人(2010年12月)

12.世界遺産
 マナ・プールズ国立公園、サピとチュウォールのサファリ地域
 グレートジンバブエ国立公園
 カミ遺跡国立公園
 モシ オ トゥニャ/ヴィクトリアの滝
 マトボの丘群




 ハイパーインフレで知られる同国。
 例えば1990年代のアルゼンチンのように政府債務(国債)が"対外債務"ではなく、"自国通貨建て対内債務"であったジンバブエは"デフォルト(債務不履行)することが出来ず"に、通貨の桁が異常に膨れ上がった。
 同国の通貨ジンバブエ・ドルは実効力を失っており、同国内で使用できるのはドル、南アフリカランド、ユーロである。VISAもUSDで取得し、ヴィクトリアフォールズ国立公園もUSDで入場した。

国境
国境の橋




ジンバブエサイド
 ジンバブエ側も水しぶきがすごい。ぎりぎり水しぶきがかからず滝を見ることができるスポットが少しあったので、そこから滝を観る。滝を横から見ると本当にすごい。飛沫が滝よりも高い位置に登っているのがよくわかる。
 そして意を決してジンバブエ側でも再びしぶきの中へ。途中からは殆ど豪雨。すげぇ降っている…前が見えないしカメラも出せないし…これはザンビア側以上だ…見かけによらないもんだ、とか思いながらふと空を見上げると雨も降っていた。合わせ技で大豪雨であったのだった…

ジンバブエ側滝
飛沫が立ち上る




街歩き
 せっかくVISA代を払ってジンバブエ側に入ったのだから、街も少し歩くことにする。
 ヴィクトリアフォールズ観光におけるザンビア側の基点がリビングストンであるのに対して、ジンバブエ側のそれはヴィクトリアフォールズという街になる。日本語の文献で得られる情報が多いからか、はたまたリビングストンと違ってリゾートとしての開発が入っているからか、日本人はこちら側から入るのが一般的と聞いたことがある。確かに街は整備されていて、リビングストンのような騒々しさもない。街ゆくジンバブエ人もフレンドリーで、「ハロー!」とか「ジャパニーズ!?」と声をかけてきて手を振ってくれる人がたくさんいた。
 これがリビングストンだと大体手を振り返すとブレスレットかジンバブエドルの売り込みが始まるのだが。



シマではなく、サザ
 ザンビアに戻る途中で、イミグレーションの近くで何やら屋台のようなものを発見。何か食べ物を作っている。あれは確かザンビア料理の"シマ"だ。看板も出していないが、税関の制服を着たおっちゃんがお金を払ってシマが乗ったプレートを受け取り、食べ始めた。このお店は観光客向けではないのかもしれないが、こういうところでこそご飯を食べてみたくなる。何より、こちらに来てから未だに地元料理を食べていなかったのもあって、注文することにした。

 「いくら?俺にも売ってくれる?」カウンターの女性にそう声をかけると「え?食べたいの!?」といって満面の笑みを浮かべる。
 「2ドルよ」安い。「シマだよね?」「違う!シマはザンビアの呼び方よ。こちらでは"サザ"というの」と教えられる。大変失言であったことを反省しながら"サザ"を食べることにする。進められたフォークを受け取らず、あえてトライディショナルな食べ方に挑戦。といってもただ手づかみで食べるというだけなのだが。

 トマトソースで味付けされた、チキン、コールスローをおかずに、澱粉の塊のような固形物を食べる。なるほど食感はもちっとしていて結構うまい。あっという間に一枚平らげてしまった。
 しかしこの女性、ノリノリである。こちらのカメラを奪うや否や食べているところを「記念よ」とか言いながら撮ってくる。いち観光客が伝統料理を食べたいと言ってきたこと、おいしいと言ったことが嬉しかったのだろう。
 お腹も膨れたところで、ジンバブエを後にすることにした。

サザ1
左がノリノリの女性

サザ2

シマではなく、サザ



約束
 夜は宿で、昼に別れた旅行者の方々と四人でビールを飲んだ。
 自分は明日から二泊二日で翌々日の朝帰りというサファリツアーに参加する。一人は明日宿を発つという。もう二人も滞在はその翌日まで。し明後日の朝に会うことができなければ、これが最後となる。
 たくさん旅の話を教えてもらった。これまでどういた経路を通ってきたのか。どの国がどうだったか。これからどうするのか、など。
 
 部屋に入ると、三人のうちの一人が何やら紐や石を大量に並べている。

 「これも荷物ですか?」
 「そ。これでコレを作るんだ。たま売ったりもするぜ」

 そう言って首にかかるネックレスを差す。かっこいいと思っていたが…なんと手作りらしい。

 「俺にも作ってもらえたりしますか?」
 「いいよ、じゃあ石を選びな」
  
 サファリから帰ってくる日の朝に受け取ることを約束して、部屋に戻った。チェックアウトは10時。サファリからの帰還予定は朝9時30分。何かの手違いがあって遅れたり、急遽二人が早く宿を出ることになったりした場合は受け取れなくなる。

 「きっとし明後日また会えますよね」
 「おう、会えるさ」

 不確かな約束が守られることを願いながら、翌日に備えて就寝した。



脚注
1.ヴィクトリアフォールズ
 乾季は大変しょぼいと聞いていたのに…雨季は雨季で良く見えないという。

2.ジンバブエの経済
 なぜハイパーインフレーションに陥ったのか。機会があればいつかBlogで取り上げてみたい。

3.南アフリカランド
 南アの通貨。ジンバブエではそのまま使え、またナミビアの通貨はランドとペッグ(1ランド = 1ナミビアドルで固定)している。