平成18年12月、同門会誌近況報告「大奥、華の乱 第二章」
近況報告(病院だより)および特徴(?)
「済生会大牟田病院 大奥、華の乱 第二章」
上田 淳
日本国の巨額なる財政赤字を背景に、改革の美名のもと費用削減を迫られる医療界は、病院枯らしが吹き荒ぶ、冬の時代に入りつつあるようでございます。
済生会大牟田病院整形外科における、先の第六代副将軍、染弓晋乃佑様(仮称)は、稀代の(好?)色男であらせられ、当院大奥の女娼からも絶大な人気を集めておいででした。しかしその裏では、大奥各部署において、晋乃佑様を巡る、女と女の意地を賭けた血みどろの闘いが繰り広げられていたと聞き及んでおりまする。中には道ならぬ恋に身を焦がす沙汰もあったとの由。その好色男様が三月末で済生会大牟田を去るにあたり、この大奥では、後追いの自害者や、移転先である黒田藩博多の地へついていく者が出る事も危惧されましたが、それらの乱を乗り越え、うたかたなる春の平穏が訪れたのでした。
四月より第七代副将軍に赴任された前田和政殿(戦国武将の名前っぽいので、そのまま本名で)は、平成の改革に着手されました。手始めに【長期入院生類(症例)哀れまないの令】を断行され、「済生会病院だけが頼りです…」と数カ月に渡りリハビリで入院されていた爺様、婆様達は介護施設等への流刑に処せられたのです。お陰で空床が目立つようになり、四月の医療費減額改定も併せ、当院経営も赤字決算の月が増えつつありまする。また術後創処置に際しましては、イソジン等の消毒薬を御法度品に制定されました。整形外科病棟の奥女中取締(婦長)は「今までの副将軍の世と比べ、術後感染に苦しむ民衆が増えたと存じまする」との嘆きを漏らしておりました。
お二人をはじめとする、代々の優秀な副将軍様達の多大なる貢献により、当院整形外科は年ごとに手術症例数等の成績を伸ばしつつあり、福岡県南地域では大牟田市立総○病院や天領○院(旧・三井病○)等に勝り、戦国の世を制する勢いでありまする。しかし他院と比べ医者の数が不足しており、昨年から開始しました整形外科外来予約制(一部の患者様には大好評)もパンク寸前の状態となっておりました。大学医局にも医師の増員をお願い申し上げ奉りましたが、昨今の研修医制度改悪も影響しましてか、勤務医不足の折、無理とのお話でした。当院院長、事務長とも相談し、ドラフト枠の拡大が困難ならば、ポスティング・システム(民間の医師リクルート)を活用することに致しました。
運良く、慕酢豚赤靴下軍のように六十億円も使う事なく、当院へ来てもらえる医師がみつかり、この十月からは悲願の整形外科医三人体制へと相成りました。北海道大学を平成七年に卒業後、故郷の山口県へ帰られ、九月までは小郡第○総合病院におられた、白倉祥晴(しらくらよしはる)Drが加わりました。関節外科、スポーツ整形外科を中心に仕事をされてきており、早速当院でも活躍し始めておいでです。こういった移籍の場合には背景と致しまして、異性絡みの泥沼から抜け出す為とか、移植用の臓器売買に手を貸しただとか、青少年少女保護条例に引っ掛かりそうとか、「ランボー3(上肢機能再建法)」で有名な前の上司である土○院長先生と大喧嘩したとかが考えられますが、そんな忌まわしい過去は全くお持ちで無い様でございます。凄く真面目な上に、優しく、腕もたつ先生で、来てもらえた事が夢なら醒めないで、と感謝しておりまする。
そんな当院ですが、長年来浮かんでは消えていたオーダリングシステム導入がいよいよ本決まりとなり、しがない管理職は会議会議の毎週です。病院機能評価では注射指示・観察記録用紙を残す必要があり、二度手間となる為、注射のオーダリングを中止に追い込んだり、栄養部のコンピューターと整合しないので食事オーダーが伝票制のまま残ったりと、はたして億をはたいてまで導入する意味があるのか無いのか判らなくなりつつありまする。どちらにせよ無駄な事務仕事量が増えるのは確実なようです。
将軍(部長)とは名ばかりに追いやられた上(田)様は、「美味でござりまするー」の宴は以前よりは控えめになされてはおいでですが、日頃のコンビニ買い食い生活と南方伝来品の芋焼酎大量摂取が祟られたのか、当世の流行り病、メタボリック・シンドロームとやらの恐怖におののかれ、床や炬燵に臥しがちでございます。流出しました上様の個人情報によりますと、γ-GTP(正常値;16-73) ;117, 中性脂肪(34-143); 216, 尿酸(3.6-7.0);6.9、体脂肪率;23%との事です。日本整形外科学会での蹴球大会参加を目指しての蹴鞠の練習が減っている(当科第二代副将軍であらせられた蹴球部取締T中先生の鬱状態再発の為か?)のが影響しているのかもしれません。最近はメタボリック病を克服されるべく、またAリーグ昇格を果たした済生会病院九州地区ソフトボール大会での来年度の活躍を夢見て、「銀の龍の背に乗っーてー♪」と口ずさみながら、母用自転車通勤に励まれたり、佐賀市や牛津町の大衆用室内遊泳場、北部野球打撃練習場にお忍びで出没しておいでです。
はたして、次の世はどうなりますことやら…
【整形外科ベッド数】 37.3ベッド/日 (平成18年4~9月の平均)
但しベッドにはかなり空きがあり、更なる増加可能です。
【1カ月の整形外科外来の新患および再来患者数】
total: 3319名(平成18年4~9月の平均)
その内、新患数は約160名