春の「18きっぷ」三回目、今日はまだ夜も明けぬうちから、上りJR中央線各駅停車にてスタート。西国分寺から武蔵野線に乗り換え武蔵浦和へ。朝6時前、日曜日で空いた車内、向かい側のロングシートのガラス越しには、郊外の高架線から望む朝焼けが映えている。
武蔵浦和で埼京線川越行に乗り換え。205系電車で大宮まで出て、そこから高崎線新前橋行に乗車。E233系10連で、編成の端にあるボックスシート車に腰を下ろす。ドアが半自動扱いに変わり籠原を過ぎると人もまばらになりボックス席占有状態となる。沿線に木々、所々で車窓に梅の花々が流れてゆく。
高崎で下車して、今度は両毛線へ。115系湘南色伊勢崎行で前橋まで乗る。ドアは各自が手で開ける方式。閉まる時だけが自動である。日差しは徐々にあふれてきた。
7:46前橋到着。JR駅の改札を出て、上毛電鉄中央前橋駅を徒歩連絡で目指す。ケヤキ並木の道を真っ直ぐだが、10分以上の距離はあった。柳しだれる川のほとり越しに頭端式ホームが見える。そこには元京王井の頭線3000系西桐生行が停車していて、ラッシュとは無縁の日曜朝、静かに発車を待っていた。
私はその前面湘南窓でFRPカラーリング付きステンレスカーで一駅だけ往復することにした。中央前橋8:17発、隣の城東駅8:18着、券売機で買った170円切符をワンマン運転士に渡す。復路は車内で整理券を取り、8:23発にてすぐ引き返した。
8:25着、改札で精算し、再びJR前橋駅へと取って返す。
8:51発3両編成で高崎へ。そこから9:11発の特別快速小田原行で浦和を目指す。しばしE231系編成端のボックス席にて車窓をぼんやり。ちなみに浦和駅には3.16ダイヤ改正で湘南新宿ライン全列車が停車するようになった。10:32浦和に到着。
一段高い所に出来たばかりの狭いホームから一列しかないエスカレーターでの乗り換えはキビしかった。一本見送ってしまい、次の京浜東北線は10分後、10:44発快速大船行までない。さて、どうしたものか。
予定では東京駅に11:08に着き、地下ホームに下って11:17発の総武快速線に乗るはずだった。しかし今となっては、それも叶わぬ夢。東京11:18では、どうしようもない。素直に赤羽まで乗り通せば良かったものを…。
しかし、乗りながらふと思いつく。秋葉原で総武緩行線に乗り換えて、東京駅からの地下線からと合流する錦糸町まで行き、そこで総武快速線に乗り継げれば何とかなるのではないかと。ここは一つ、淡い期待にかけるしかない。
秋葉原駅総武線ホームは京浜東北線を上で跨いでいることは心得ていたので、上に向かう階段めがけてまっしぐら、上がった先に広がっていたコンコースを急ぎ、すぐやってきた各停千葉行に乗り込む。浅草橋、両国と駅を重ねて、錦糸町11:23着。そこらの階段、下って上って、隣の快速線ホームへ猛ダッシュ。ああ、11:25発、下り快速エアポート成田だ。間に合ったー!!
花粉マスク装着状態で息切れしたのも落ち着いた頃、11:57千葉に到着。そして、千葉駅の発着番線に右往左往しつつ、12:10発の外房線安房鴨川行に乗り込めた。209系電車、編成車端ボックスシートにも収まれて一安心。これでようやく本日第二の目的地、いすみ鉄道の大原駅からの急行列車に乗り継げる。
13:25、無事、JR大原駅に降り立てた。上州から房総までの縦断はこうして完了。群馬と千葉を「18きっぷ」一日分ひとまとめにした、どうにかこうにかという旅程はギリギリ感が満載だ。
さて、大原~上総中野を結ぶ、この「いすみ鉄道」、土休日にはキハ28+キハ52という国鉄型気動車が走っている。昔をたどれば、ここは国鉄木原線で、第三セクター化された路線である。数年前には、いすみ鉄道自体の廃線も取りざたされたが、現社長を公募で決めるなどして経営刷新、JR線での廃車がある機会ごとに昭和40年代房総気動車全盛時代を彷彿とさせる中古車両を購入したりして観光鉄道化、ひとまず経営危機は乗り切ったようだ。
今回の3.16ダイヤ改正で、いすみ鉄道のレトロ急行列車と、上総中野~五井を走る小湊鉄道との接続が良くなった。これはイイ改革(?)である。大原~上総中野~JR内房線と接続する五井まで、まさに房総横断ローカル私鉄ライン - 生えぬきの旧型気動車で統一されている小湊鉄道も苦しい台所事情なのだから、ここは"鉄"の一人としてだけでなく、相乗効果を願ってやまない次第である・・・。






