君と見たあの星空を










































高校生活も始まり、幼馴染の智くんと雅紀と俺は同じクラスとなり…。





そして…。






「で…。
何でアナタ達がいるんだよ。
全く毎日毎日…。」


両手を腰に当てて眉間に皺を寄せた和と、



「かーず。
せっかく同じクラスになったんだから仲良くしようよー。
それよりも僕、お腹空いたったから早くお昼にしようよー。」



とニコニコとしながらそう言う潤がいて…。


















そう、潤と和も俺達と同じクラスだったのだ。










潤と一緒にニコニコとしながら、



「そうそう。
せっかく同じクラスになったんだし。」


と言う智くんと、



「僕ね、今日は和くんの好きなハンバーグ弁当作ってきたんだよ!!
ほら、見てよーっ!!」


自分で作ってきた弁当を和に嬉しそうに見せる雅紀。







こんなやり取りが昼飯時間のおなじみの風景となっていたのだった。





「相葉さん、馴れ馴れしく下の名前で呼ばないでくれます?」



「いいじゃん、和ー。」



「そうだー!!そうだー!!和。」



「下の名前で呼んだ方が仲良しさんっぽいじゃんっ!!
ねっ、和くんっ!!」




「「「ねーっ!!」」」



智くんと雅紀と潤が仲良く声を揃えてそう言ったかと思うと、あっという間に机を移動させて弁当を食べる準備を始めていて、それを不満そうに見ていた和も潤が楽しそうにしているのを見て諦めたか、



「潤くんがそう言うのなら仕方ないな…。」



と呟き、潤の隣へと座ったのだった。















「…でね、廊下でぶつかった時にまーくんが『1年A組』って言っていたから同じクラスなんだと思って『またね。』と言ったら僕、しょおくんにナンパされちゃったんだよねー。」


と潤が楽しそうに話すのだが…。



それは俺にとっては恥ずかい話なので、



「松本くん…。
もう、その話はいいから…。」


と言うと、



「しょおくん。
〝松本くん〟じゃなくて〝潤〟っ!!
ねっ!!」


潤は頬を膨らませながらそう言ので、



「ごめん…。
潤…。」



と下の名前で呼ぶと、潤は嬉しそうにニッコリと微笑んで、


「ふふふ。
しょおくん、ありがとう。」



と言うと俺をジッと見つめてきたのだった。




なんだ…?



と思い潤を見つめ返していると、



「潤ちゃん、潤ちゃんっ!!
コレ美味しいよ。
はい、アーン。」


と雅紀が潤にハンバーグを差し出すと、潤は口を大きく開けて、


「アーン。」

と言うと雅紀の箸からハンバーグをパクリと食べるとほっぺを両手で押さえて、


「ん〜美味しい〜っ♪
まーくん、ありがとうっ!!」



と雅紀にお礼を言うとその横から智くんが潤の弁当を覗き込み、




「あ、コレうまそう。
潤、貰うぞっ!!」



ひょいっと潤の弁当からコロッケを箸でつまみそのまま口にヒョイっと放り込み、



「んまっ!!
このカニクリームコロッケうまいなーっ!!」


と嬉しそうに目を細めていると、潤がウルウルと目を潤ませて、




「ちょっとっ!!
智、それはダメなのに…。」



と悲しそうに呟いたのだった。





「ソレ…潤くんの大好物のカニクリームコロッケじゃんっ!!
ちょっと、さとちゃんアナタ何してんだよっ!!」



と和が怒りながら智くんに向かってそう言うと、



「そっか…。
カニクリームコロッケは潤の大好物か…。
潤、ごめんな…。」



と智くんが潤に謝ると潤は頬を膨らませて拗ねた目で智くんを見つめていて…。


その様子を見ていた雅紀が、



「えっ!?
潤ちゃん、カニクリームコロッケが好きなの?
可愛いっ!!」


と言い、潤の頭をクシャクシャッと撫でると、



「じゃあさ、明日はカニクリームコロッケ作ってきてあげるねっ!!」




とヘタクソなウインクをしながら潤にそう言ったのだった。
(雅紀のウインクはほぼ両目を瞑っている状態なんだよな…。)





「本当にっ!?
まーくん、ありがとうっ!!」


と潤がキラキラと目を輝かせて雅紀にそう言うと雅紀は、



「うひゃひゃ〜っ!!」



と笑うと、胸をドンと叩いて、



「潤ちゃん、任せなさいっ!!」


と言ったのだった。




「まーくん、アナタ毎日よくマメに料理しますねー。」



と和が雅紀の作ってきたハンバーグを頬張りながらそう言うと雅紀は、




「ウチ食堂やっていて、お弁当も作っているからそのお手伝いしてお小遣い貰ってるんだーっ!!」






とニコニコとしながら和にそう言うと、



「まーくんとこの料理はうまいんだよなー。」


と智くんがふんわりとした声で雅紀の作ったハンバーグを食べながらそう言ったのだった。




それを聞いた潤が、


「えーっ!?
僕、行ってみたいーっ!!
和、今度一緒に行こうよーっ!!」



と和にそう言うと和は、



「まーくんの奢りなら考えてもいいですよ。」



ニコッと雅紀に微笑みながらそう言ったのだった。






わちゃわちゃと5人で弁当を食べ終わると、潤はいつも1人でコッソリピルケースから薬を取り出して飲んでいたのだった。





今日も廊下に出て廊下にある水道の近くで薬を飲んでいる潤の姿を見つけて、なんとなく気になり、



「なあ…。
それ、何の薬なの?」



と潤の背後から声をかけると…。





「ひゃっ!!」



と潤はビクリと肩を震わせて恐る恐る振り向き、俺だと気付くとホッと顔をし、


「しょ…しょおくんっ!?
驚かせないでよっ!!
僕…背後から声掛けられるの苦手なんだから…。」


少し潤んだ瞳でそう言ってきたのだった。






「あ、悪い…。
そんなに驚くと思っていなかったから…。」


「ふふふ。
今度からは気をつけてね。」


とニッコリと微笑む潤に、


「で、何の薬なの?」

と聞くと潤は少し困った顔をしたあと、


「あ…あ〜…。
コレはサプリメントなの。
俺、健康オタクだからサプリメントにもハマっていて。
えっと…マルチビタミンBとビタミンCとビタミンDを飲んでいるんだ。」


ピルケースの中にある錠剤を指差しながらサプリメントの種類を教えてくれたのだった。




「ふーん。
サプリメントって色んな種類があるんだ。」



とピルケースを覗き込んで見ていると、


「ちょっとっ!!」


と言う声と共に思いっきり首根っこを後ろに引っ張られて、


「櫻井翔っ!!
お前は潤くんに1人で近付くなっ!!」



と少し低い声でそう言われ、声の主の方へと振り向くとそこには和がめっちゃ起こった顔をしていたのだった。




「なんだよそれ?
しかも何で俺の事はフルネームで呼ぶんだよっ!?」



と言うと和は、



「アナタ、潤くんナンパしていたでしょう!!
危険人物だからだよっ!!」



と俺から離れると潤の元へと駆け寄り、シッシッと手で俺を追い払おうとするのだった。






「そ、それは…違うっ!!
ナンパじゃないしっ!!」



と和に慌ててそう言うと、和と潤は顔を見合わせて、



「「ナンパだったよねー?」」


と言ったあとケラケラと楽しそうに笑っていたのだった。









「翔くん…完璧に和と潤に遊ばれているなー。」



「ホント、あの2人可愛い顔して小悪魔だねー。」




智くんと雅紀の声がして振り向くと、2人が俺を憐れんだ目で見ながらそこに立っていたのだった。






「だって、翔ちゃんムキになるから面白いんだもん。」




と和が楽しそうに笑いながらそう言うと、潤も和の隣でウンウンと頷きながら、



「ねー。」



と楽しそうに笑っていたのだった。













こうして、なんだかんだと言いながら俺達5人は同じクラスで毎日一緒に過ごすようになったのだった。



















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