「予定通り翔ちゃんと潤の居る和室に追い込むぞーっ!!」


ミャーッ!!


「「おーーーっ!!」」



と言う声と共に僕たちの居る和室の襖が、


バンッ!!



と開き、部屋の中に小さくて白くてフワフワとしたお団子泥棒らしき子が、


ピョ〜ンッ!!




と入ってきたあと、神様、嵐、かず、相葉さんが、


ドドドッ…!!


と、入って来たのでした。







ピョ〜ンッ!!

ピョ〜ンッ!!


と跳ねながらやって来るお団子泥棒さんを捕まえようと両手を広げて待ち構えていると、段々と近づいて来るお団子泥棒さんの姿は…。






あれ?


お団子泥棒さんって…お耳が長くてまるで…。



と思いながら両手で捕まえたつもりが、スカッ!!と音がするくらいの空振りで、



ピョ〜〜〜ンッ!!



と僕の頭を踏み台にして、お団子泥棒さんは高く跳ね上がったかと思うと、




ストンッ!!



としょおくんの腕の中に着地したのでした。








「よーしっ!!
でかしたぞ、翔ちゃんっ!!」


ミャーッ!!
ミャーッ!!

と言う神様と嵐





「えっ!?
この子が団子泥棒なの?」



としょおくんは驚いた声を上げて…。











































「あのさ、この子…ウサギに見えるんだけど?
ほら。」



としょおくんはお団子泥棒さんの両脇を持って見せてくれた子は…どう見ても…。





白ウサギさんでした。








あ、でも、お目目の色は紫色でそんな色のウサギさんは見た事がないですよね?



という事はウサギさんではないのでしょうか…?






と思っていると三方の方から白い何かが、



ピョ〜ンッ!!

ピョ〜ンッ!!

ピョ〜ンッ!!

ピョ〜ンッ!!



と飛んできたのでした。





ズラリと僕達の前に並んでいるのは皆んな白ウサギさんで、瞳の色が青色、赤色、緑色、黄色、をしていました。


赤いお目目のウサギさん以外は、見た事のない瞳の色をしていました。






そのウサギさん達がジリジリとしょおくんの足元に集まってきて、しょおくんは紫色のお目目のウサギさんを抱きかかえたまま、


「えっ?
えっ?
どういう事?
なに?なに?なにっ!?」





と、驚いていました。






しょおくん…。


ウサギさん(?)に人気で羨ましいです…。
(僕も触りたいです…。)



そんな事を思っていると、



「団子泥棒が増えたっ!!」

と、かずが叫ぶと相葉さんが、



「これで大ちゃんと嵐ちゃんの汚名返上だね。」


とニコニコとしながら神様と嵐にそう言うと、



「おうよ。
よかったなっ!!嵐っ!!」


ミャーッ!!


と神様と嵐は嬉しそうにそう言いました。








神様の声に青いお目目のウサギさんが反応して神様の方に振り向くと…。




「おっ!!」



と神様が声を上げました。



そうして、


「おおー!!
お前だったのかー。

久しぶりだなー、月のウサギ。
元気だったか?」



と神様が青いお目目をしたウサギさんにそう話しかけたのでした。






「「「月のウサギッ!?」」」


「お月様のウサギさんですかっ!?」


ミャーッミャーッ!?






青いお目目をしたウサギさんは、




ピョ〜ンッ!!



と跳ねるとそのまま神様の肩に乗り、何やら神様の耳元で何かを訴えている様でした。




「なになに?…」


ゴニョゴニョゴニョ



「うんうん。
誰かが言霊で…。」



ゴニョゴニョゴニョ




「お前んとこの兄弟の末っ子ウサギをここへ呼び寄せたって?」



コクコクコクッ


と青いお目目のウサギさんは頷き、



ゴニョゴニョゴニョ



とまた神様に何かをお話ししていました。





「末っ子ウサギは地球に来た事がなかったので…」



ゴニョゴニョゴニョ




「帰り方が分からなくて…

そうか…困ってたのかー。」



コクコクコクッ


と青いお目目のウサギは頷くとお話しの続きをはじめました。




ゴニョゴニョゴニョ




「迎えに来てやりたかったが、十五夜の夜にならないと月から地球に降り立つ事が出来ないから…」




ゴニョゴニョゴニョ



「やっと迎えに来る事が出来た。

そういう事だったのかー。」


と神様がそう言うと青いお目目のウサギさんや他のウサギさん達が一斉に、

コクコクコクッ



と頷いたのでした。



「そうだったんだ。
お兄ちゃん達が迎えに来てくれてよかったな。」


そう言うとしょおくんは紫色のお目目をしたウサギさんを、お兄ちゃんウサギさんの待っている所に下ろしてあげました。



紫色のお目目のウサギさんはしょおくんの手のひらに頭をすり寄せた後、お兄ちゃんウサギさんに囲まれてとても嬉しそうでした。





そんな様子を見て、お団子泥棒さん…ではなく迷子のお月様のウサギさんがお兄ちゃん達と逢えてよかったです。


何だかほっこりとした気持ちになりました。



そんなウサギさん達の様子を見ていた神様が、



「はぁー。
言霊使ってとんでもない事をする奴がいるんだなぁー。
困ったもんだなー。」



と腕を組みながらそう言いました。





すると…。



かずがジトッと神様を睨みながら、



「俺さ…。
そのとんでもないヤツに心当たりがあるんだけど。」


いつもより何だか低い声でそう言いました。





かず…さっきまで咳をしていたので、かずはやっぱりお熱があるのでしょうか?





あ、でも言霊を使った犯人が分かるなんて流石かずです!!



と感心していると、



「えっ!?
和、お前知っているのかっ!?
月のウサギを呼び寄せた犯人をっ!?


そいつは誰だよっ!?」


と神様が言うと、5羽の白ウサギさん達もかずに注目をしてジッとかずを見つめていました。







「ああ。
教えてあげますよ。」



と、かずはそう言うと、



「アナタですよ。」



と言って、とある人物を指差したのでした。



「「「えーっ!?」」」

ミャーッ!?

しょおくんと相葉さん、そして嵐と僕は驚いていると、








「おい、和っ!!
寝言は寝て言えやいっ!!」


と神様が口をへの字にしながらそう言いました。



「はぁーっ!?
アナタよくそんな事が言えますよね?」




「オイラが言霊を使って月のウサギを呼び寄た覚えなんかないやいっ!!」



「覚えがないだって?」


「ああ。
そんな覚えはないっ!!」


と2人が言い合いをしているのを、僕はハラハラとしながら見ていたのですが、



「じゃあ、神様。
アナタ、潤くんに何を言ったのか憶えていますか?」


と、かずは神様にそう聞きました。




急に自分の名前を出されて、


「えっ!?

神様が僕に言った事?」


と首を傾げて呟くと、




「オイラが潤に言った事…?」


神様も不思議そうに首を傾げてそう言いました。





かずは神様の真似をして、


「おい、潤っ!!
月にはウサギが住んでいて十五夜の夜にお団子をお供えすると、月様に住んでいるウサギがお団子を食べに来てくれるんだぞっ!!」


と言うといつものかずの喋り方に戻り、

「とか何とか言ってないですかー?



かずが神様にズイッと顔を近付けると神様にそう言いました。




「「あっ!!」」


神様と僕は同時に声を上げると、かずはウサギさん達の方に振り返ると、



「ほらね。
やっぱりウチの神様が言霊を使った張本人ですよ。」


と神様を指差してそう言うと神様が、


「おいっ!!こらっ!!和っ!!
神様を指差す眷属が何処にいるんだよっ!!」



と言うと、


「ここに居ますが、何かっ?」


と、かずは冷静な顔をしてそう答えると、

「ウチのバカ神様がご迷惑をおかけしてすみませんでした。」


とウサギさん達に頭を下げていたので、僕も慌てて、


「ウサギさん…。
ごめんなさい…。」



と頭を下げると神様が、



「ああ。
分かった分かったよ。
オイラが悪かったってっ!!」


とウサギさんに謝るとウサギさん達は、


ブンブン


と顔を横に振って神様を許してくれたみたいです。





「それにしても言霊が使える神様は本当に凄いですっ!!」



と感心して心の中で呟いたのですが、何故だか神様には、



「そっかそっか。
オイラはそんなに凄いか、潤っ!!」


と喜ばれてしまい、かずには、




「潤くん。
言霊が使えたって人に迷惑かけていたら意味がないからね。
褒めたらダメだよっ!!」




と注意をされてしまったのですが…。



何でですかね…?
















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